0 編集部が注目した重点ポイント
① エージェント事業が前年比で約2倍に急成長する
人材紹介を担うエージェント事業の売上高が前年同期比+98.1%と驚異的な伸びを見せています。キャリアアドバイザーの生産性向上に加え、紹介単価の上昇が収益を押し上げており、20代専門の強みが市場で高く評価されています。若手人材不足を背景に、企業の採用意欲を確実に成果へ繋げています。
② 12月の受注高が過去最高を記録し需要期へ備える
当第1四半期(2025年11月〜2026年1月)の売上は市場の季節変動を受けましたが、12月の単月受注高は過去最高を更新しました。11月〜1月の累計受注高も前年同期比125%と極めて堅調です。これは第2四半期以降の売上確定分が積み上がっていることを示しており、通期目標達成に向けた強力な先行指標となっています。
③ TV-CM放映や人的投資など将来の成長を加速させる
板垣李光人さんを起用した新TV-CMを放映し、20代〜30代へのブランド認知を戦略的に強化しています。目先の利益以上に、将来の会員獲得に向けた積極的な販売促進投資と人的投資を断行しており、中長期的なシェア拡大を狙う攻めの姿勢が鮮明です。京都支社の拡張移転も完了し、さらなる事業拡大の基盤が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年10月期 第1四半期 決算説明資料 P.4
売上高
1,368百万円
(前期比 △5.5%)
営業利益
△692百万円
(赤字拡大)
受注高(11-1月)
+125%
(前年同期比)
2026年10月期第1四半期は、企業の採用広報の早期化が進んだことで年末年始の閑散期化が進行し、売上高は前年を下回りました。一方で、将来の成長を見据えたTV-CM等のプロモーションや人的投資、システム投資を積極的に継続した結果、営業損失が拡大しています。しかし、これは想定の範囲内であり、求職者の登録獲得や受注面では非常に好調な滑り出しを見せています。
通期予想に対する進捗について、売上高は第1四半期時点で約10.3%に留まりますが、同社の業績は例年、就職・転職の需要期である第2四半期以降に偏重する傾向があります。特に受注高が前年比で大幅に伸長していることから、現時点での業績予想に変更はなく、今後の進捗は順調であると判断されます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年10月期 第1四半期 決算説明資料 P.12
Re就活(Webメディア)
【事業内容】:20代専門の転職サイトを運営。登録会員の93.3%が20代で、第二新卒や既卒の採用に特化したマッチングプラットフォームを提供しています。
【業績推移】:第1四半期の売上高は383百万円(前年同期比△8.7%)。企業の採用計画見直しにより、入社時期を4月以降に設定する傾向が強まった影響を受けました。
【注目ポイント】:売上は一時的な要因で減少しましたが、マッチング数(応募数)は前年同期比+20.5%と大幅に増加しています。これは、積極的な広告投資によって求職者の流入が加速していることを示しており、今後第二新卒への需要が拡大する中で、企業の採用単価低減を実現する「最強の選択肢」としての地位を固めています。
エージェント事業(人材紹介)
【事業内容】:キャリアアドバイザーが求職者と面談し、最適な企業を紹介。Re就活との連携により、ミスマッチの少ない高品質な紹介サービスを展開しています。
【業績推移】:売上高は218百万円(前年同期比+98.1%)。決定数の増加に加え、年収上昇に伴う紹介単価のアップが大きく寄与しています。
【注目ポイント】:キャリアアドバイザーの生産性が劇的に向上しており、紹介単価の上昇が収益性を高めています。20代に特化した専門性が他社との差別化要因となっており、若手ハイキャリアを求める大手企業からの引き合いも急増中。同社の中で最も勢いのある成長ドライバーとなっています。
イベント(転職博・就職博など)
【事業内容】:日本初の合同企業セミナーを主催。求職者と企業が直接顔を合わせ、社風や仕事内容を深く理解できるリアルの場を提供しています。
【業績推移】:売上高は325百万円(前年同期比△10.4%)。学生の動きが「情報収集」から「選考」へ早期化したことで、第1四半期の売上は一部後ろ倒しとなりました。
【注目ポイント】:売上は微減したものの、開催回数は+26.3%と拡大しています。第2四半期以降に開催予定のインターンシップ対象イベント「Career Design Forum」などの受注は絶好調。リアルな出会いを重視する企業のニーズは根強く、今後も安定した収益基盤として機能します。
ソーシャルソリューション事業
【事業内容】:経済産業省や自治体などの雇用対策事業を受託。インターンシップ支援やデジタル人材のマッチング促進など、公的な雇用創出を支えています。
【業績推移】:売上高は205百万円(前年同期比△25.7%)。前年度予算での受託案件の納品タイミングにより、当四半期の計上が減少しました。
【注目ポイント】:次年度予算に向けた営業活動は着実に進捗しており、公的事業での高い信頼感を背景に案件獲得を継続しています。社会貢献性が高く、国の重点課題である「デジタル人材確保」などに直結する事業として、安定的な成長が見込まれます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年10月期 第1四半期 決算説明資料 P.6
2026年10月期通期では、売上高133億円(前期比+20.7%)、営業利益32.5億円(前期比+39.3%)と、大幅な利益成長を計画しています。人材紹介の単価向上や、ITエンジニア特化の「Re就活テック」などの高付加価値サービスが成長を牽引する見通しです。
質疑応答等でも触れられている通り、若手人材の不足は構造的な問題であり、第二新卒採用へのシフトは今後さらに加速します。同社は京都支社の移転による「コラボレーションエリア」の新設など、社員のワークスタイルの変革にも注力しており、生産性を高めることで高収益体質への転換を図っています。また、配当も6期連続の増配を予定しており、株主還元への自信も伺えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
学情は「20代専門」というニッチながらも最も熱い市場でトップシェアを誇っています。特にエージェント事業の急拡大は、単なる情報の提供だけでなく、人生のターニングポイントに深く関わりたいという意欲を持つ方にとって大きなチャンスです。「人材不足」という社会課題に対し、Webメディア、対面イベント、紹介という多角的なアプローチで新しいスタンダードを創る姿勢に共感できるかが鍵となります。
面接での逆質問例
- 「エージェント事業で紹介単価の上昇が続いていますが、具体的にどのようなマッチングの質の向上に取り組んでいますか?」
- 「TV-CMの放映によって10代〜30代の認知が拡大していますが、現場で感じる求職者層の変化や新たなニーズはありますか?」
- 「京都支社の拡張移転のように、オフィス環境の整備が社員の生産性や満足度にどのように寄与していると感じますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
商品力がないため強豪との戦いは非常にきびしい
商品力がないため強豪との戦いは非常にきびしくとくにナビは勝負にならないケースも多いのでつらい部分はある。
(30代前半・企画営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年10月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
- 2026年10月期 第1四半期 決算説明資料



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