0 編集部が注目した重点ポイント
① 第8次中期経営計画により物流の持続性を確保する
2025年11月期より、2028年11月期までの4カ年を対象とした第8次中期経営計画を策定しました。「物流の持続性確保と新たな価値創出」をテーマに掲げ、国内事業の再整備や経営基盤の強化を推進します。物流の2024年問題への対応として、人材確保や共同輸送の実験など、攻めの姿勢で事業の安定性を構築しています。
② インドネシアで6,000kmの低温物流網を構築する
海外展開の核となるインドネシアにおいて、ジャカルタの新冷蔵庫稼働や地方拠点10カ所の拡充を進め、東西6,000kmにわたるコールドチェーン(低温物流網)を整備しています。9月には25,000パレット規模の新倉庫が稼働を開始。2026年11月期にはインフラ投資が一段落する見通しで、次なる成長ステージへ移行します。
③ 適正料金施策の徹底により過去最高の営業収益を達成する
人件費や物流コストの上昇に対し、既存取引の拡大と併せて「適正料金施策」を強力に推進した結果、連結営業収益は2,026億2百万円(前期比3.8%増)と過去最高を更新しました。コストアップ分を価格転嫁だけでなく、物流効率化の提案力で吸収する「収益力の構造改革」が着実に成果を上げています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年11月期 決算説明会 P.5
2025年11月期の連結業績は、営業収益が2,026億2百万円となり、当初予想を上回る増収増益で着地しました。営業利益についても、労務費や運送費の増加といったコストアップに対し、適正料金施策やコスト改善が奏功し、前期を上回る利益を確保しています。一方で、経常利益は支払利息の増加等により微減となりましたが、本業の収益力は非常に底堅く推移しています。
通期計画に対する進捗状況については、営業収益・営業利益ともに計画比で100%前後の水準を維持しており、順調な進捗と評価できます。特に下期以降、料金適正化の交渉が順次妥結したことが、利益の下支えに大きく貢献しました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年11月期 決算説明会 P.15
共同物流事業
【事業内容】食品メーカー等の荷物を混載して配送する「全国共同配送」や原料輸送、小口輸配送「キユーソースルー便」を運営します。
【業績推移】営業収益1,370億82百万円(前期比3.4%増)、営業利益29億64百万円(前期比15.9%増)と大幅増益を達成しました。
【注目ポイント】既存取引の拡大と料金適正化が利益率を押し上げています。物流2024年問題への対応として、配送網の再構築やデポの再配置を検討しており、ネットワーク最適化のスキルを持つ人材には絶好の機会です。
専用物流事業
【事業内容】コンビニエンスストアやチェーンストアなどの物流センター運営を包括的に請け負う3PL事業です。
【業績推移】営業収益399億2百万円(前期比0.3%減)となったものの、営業利益は14億46百万円(前期比9.4%増)と利益率が改善しました。
【注目ポイント】取引の減少を、現場オペレーションの効率化と不採算取引の見直しでカバーしました。AGV(無人搬送車)の導入など「省人化・自動化」が加速しており、テクノロジーを活用した現場改善の経験が重視されています。
関連事業
【事業内容】車両・燃料販売、施設管理のほか、インドネシアや中国などアジアを中心とした海外物流を展開しています。
【業績推移】営業収益256億17百万円(前期比13.4%増)と伸長しましたが、利益面では11億98百万円(前期比27.1%減)となりました。
【注目ポイント】インドネシアでの保管貨物減少が利益に響きましたが、新拠点の稼働と配送取引の拡大で巻き返しを図っています。赤十字の血液物流など公共性の高い新領域にも挑戦しており、グローバルな事業開発力が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年11月期 決算説明会 P.18
2026年11月期の通期予想は、営業収益2,050億円(1.2%増)、営業利益57億円(1.0%増)と、継続的な成長を見込んでいます。中期経営計画の柱である「国内事業の整備」では、基幹システムの再構築を含むデジタル投資と、冷凍冷蔵設備の維持・強化に計80億円規模の国内投資を計画。また、自動運転トラックを用いた幹線輸送の実証実験(T2社との協業)にも積極的に参加しています。
特筆すべきは、グループ合同の求人サイト新設や、外国人インターンシップの拡大など、「人」の確保を経営の最重要課題と位置づけている点です。単なる配送会社から「温度管理技術のリーディングカンパニー」としてのブランディングを強めており、物流の枠を超えた課題解決に挑戦したい人材にはチャンスの多いフェーズです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
キユーソー流通システムは「作り手」と「使い手」を繋ぐインフラとして、非常に安定した経営基盤を持っています。志望動機では、単なる物流への関心だけでなく、同社が掲げる「物流の持続性確保」というキーワードに対し、自身の専門性(IT、現場改善、海外経験等)をどう掛け合わせたいかをアピールすると高い評価を得られるでしょう。また、インドネシアでの圧倒的な低温物流シェアなど、グローバルな成長性への期待感も盛り込むべきポイントです。
面接での逆質問例
- 「第8次中期経営計画にある『基幹システムの再構築』において、現場のオペレーションから得られるデータをどう活用していく方針ですか?」
- 「インドネシアにおける赤十字や国営企業との連携は、将来的に国内事業へどのようなシナジーを生むと考えていますか?」
- 「物流の2024年問題への対応として、共同輸送の枠組みをさらに広げるにあたり、現場管理者に求められる新しい役割を教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年11月期 決算説明会資料



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