【平均年収607万円】キユーソー流通システム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

【平均年収607万円】キユーソー流通システム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

キユーソー流通システムは、キユーピーグループや一般得意先に対し、保管、荷役、運送、情報処理などの総合的な物流サービスをグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は約8,000名規模で、直近5期にわたり営業収益は増加傾向にあり、直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社キユーソー流通システム の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


キユーソー流通システムは、キユーピーおよび同社グループ各社、ならびに一般の得意先に対し、保管、荷役、運送、情報処理などの総合的な物流サービスを提供する企業です。同社グループは、連結子会社15社、非連結子会社3社、関連会社4社、その他の関係会社1社で構成されています。

単体従業員数は646名、連結従業員数は7,971名です。セグメントは共同物流事業、専用物流事業、関連事業の3つです。

主な国内グループ会社は、キユーソーティス(共同物流事業)、キユーソーサービス(関連事業)、サンエー物流(専用物流事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


キユーソー流通システムは、食品物流を担う企業として、従業員の成長と働きやすい環境づくりを重視しています。安定した事業基盤のもと、個人の意欲ややりがいを大切にする企業文化が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、比較的落ち着いた環境で長く働く従業員が多いことがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,070,143円
平均勤続年数 15.1年
平均年齢 40.1歳
単体従業員数 646人
連結従業員数 7,971人
単体のグループ内比率 8.1%


同社グループは、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度もあり、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

なお、退職給付債務は109億円、年金資産は146億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、サステナビリティ基本方針のもと、人材を最も重要な要素と位置づけています。社是である「楽業偕悦」を基本的な価値観とし、従業員一人ひとりの働きやすさや健康に配慮し、個性や能力を尊重することで最高のチームワークを目指しています。

2024年12月には「キユーソー流通システムグループ人権方針」を制定し、人権尊重の責任を果たすための体制を構築しています。また、2025年7月には「人材育成方針」および「社内環境整備方針」を定め、従業員の成長支援と多様な人材が能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。

具体的な取り組みとしては、役割等級別研修と入社年度別研修の2軸で教育研修制度を拡充しています。また、労使協議会の開催や無記名による社員意識調査を通じて従業員の意見を収集し、労働環境改善に反映させています。これまでに、時間有給休暇制度の導入、育児時短勤務取得期間の拡大、積立有給休暇制度の導入、忌引休暇対象の拡大、リフレッシュ休暇の導入、所定休日日数の拡大などが実現しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.0%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 50.2%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 60.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 77.8%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ キユーソーティス

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 13.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 76.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 89.3%


▼ エスワイプロモーション

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 4.0%
男性労働者の育児休業取得率 67.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 71.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 73.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 68.7%


▼ キユーソーサービス

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 41.2%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 70.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 27.9%

任意開示指標


上記指標の実績および目標は、提出会社単体の数値です。

指標 目標(2028年度) 実績(2025年11月)
女性管理職比率 15.0% 9.0%
高年齢者就業確保 70歳までの雇用機会の確保 65歳までの雇用機会の確保

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


キユーソー流通システムは、食品物流を主軸に、保管、荷役、運送、情報処理といった総合的な物流サービスを提供する企業グループです。キユーピー株式会社およびそのグループ各社、そして一般の得意先に対して、多様な物流ニーズに応えるサービスを展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「共同物流事業」「専用物流事業」「関連事業」の3つのセグメントで事業を展開しています。これらの事業を通じて、食品の「作り手」と「使い手」をつなぐ役割を担い、豊かな暮らしを支えることを目指しています。

共同物流事業

食品の保管・荷役、全国共同配送、原材料である油脂・食酢等のローリー輸送を行っています。収益は、適正料金施策の推進や既存取引の拡大によって得ています。

専用物流事業

コンビニエンスストアなどの物流センターオペレーション業務を行っています。収益は、適正料金施策の進捗がある一方で、チェーンストアに関する取引減少の影響を受けています。

関連事業

車両・物流機器および燃料等の販売、ならびに海外における物流事業を行っています。収益は、国内での車両・燃料販売の増加や、インドネシアでの配送業務の取引拡大などによって得ています。

同社グループの営業収益は、本邦の外部顧客への収益が連結営業収益の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。主要な顧客としては、株式会社日本アクセスとキユーピー株式会社からの営業収益が一定の割合を占めています。

セグメント 営業収益(2024年11月期) 営業収益(2025年11月期)
共同物流事業 1,326億円 1,371億円
専用物流事業 400億円 399億円
関連事業 226億円 256億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの営業収益は、過去5期にわたり増加傾向を示しています。経常利益は直近の期でわずかに減少したものの、前期は大きく増加していました。親会社株主に帰属する当期純利益も直近の期でわずかな減少となりましたが、前期は大幅な増加を記録しています。

項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期
営業収益 1,760億円 1,796億円 1,846億円 1,952億円 2,026億円
経常利益 33.1億円 32.6億円 34.7億円 48.9億円 48.2億円
経常利益率 1.9% 1.8% 1.9% 2.5% 2.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 15.6億円 14.6億円 △13.3億円 26.6億円 26.5億円
1株当たり当期純利益(円) 62.81 58.67 △53.70 107.04 106.54

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


連結従業員数が増加する中で、従業員1人あたり営業収益は前期からわずかに減少しました。一方、従業員1人あたり営業利益は前期から横ばいで推移しています。これは、組織規模の拡大と収益性の維持に向けた取り組みを示しています。

指標 2024年11月期 2025年11月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 25.9百万円 25.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 0.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を稼ぎながらも、将来に向けた成長投資を積極的に行っている状況です。財務基盤は堅実であり、手元資金も確保されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が非製造業のプライム市場平均を上回っており、安定性を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金は前期から減少していますが、一定の現金を確保している状況です。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 547億円 572億円
自己資本比率 32.8% 33.2%
ROE(自己資本利益率) 6.4% 6.0%
現金及び預金 54.7億円 45.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、本業で資金を生み出していることを示しています。しかし、投資活動によるキャッシュ・フローが大きくマイナスとなっており、事業活動で得た資金を上回る投資を行っている状況です。財務活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっており、長期借入による資金調達が増加しています。

これは、本業で稼いだ資金を将来の成長に向けた投資に充てている「成長投資」の段階にあることを示しています。積極的な投資は将来の事業拡大につながる可能性がありますが、現時点では手元資金を使いながら事業を拡大している状況です。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 123.3億円 95.7億円
投資CF △125.9億円 △126.0億円
財務CF 18.9億円 21.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △2.7億円 △30.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、食品物流業務に特化しており、得意先が食品、小売業界および外食業界に偏重しています。これにより、競争激化や得意先の要請による値下げ、貨物量の減少が業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、営業収益比率が比較的高い得意先があるため、その得意先の貨物量が減少した場合、同社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、専門的な人材(ドライバー・倉庫内スタッフ等)の確保が課題となっており、人件費等の負担増加や、必要な人材の育成・確保ができない場合に業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


キユーソー流通システムは、「人と食を笑顔で結び、いつも信頼される企業グループ」を経営理念に掲げ、温度管理物流のパイオニアとして社会を支えることを目指しています。社訓である「創意工夫」を大切にし、持続的な企業価値の向上を追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


キユーソー流通システムグループは、「わたしたちは 人と食を笑顔で結び いつも信頼される企業グループです」をグループ経営理念に掲げています。ステークホルダーの信頼を高める誠実な企業活動を通じて、持続的な企業価値の向上を目指すことを経営の基本方針としています。

中長期的な目標として「グループビジョン2036」を策定し、温度管理物流のパイオニアとして成長を続け、日本からアジアに広がる物流ネットワークで豊かな暮らしを支えるグループを目指しています。同社グループは、温度管理技術を活かし「作り手」と「使い手」の「つなぎ手」として、豊かな暮らしに貢献していく方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


キユーソー流通システムグループは、社訓である「創意工夫」を重ねながら事業を展開してきました。社是「楽業偕悦(らくぎょうかいえつ)」を基本的な価値観として掲げ、同じ志を持つ仲間と協力し、仕事の喜びを分かち合いながら目標達成を目指すことを大切にしています。

また、グループ倫理行動規範「キユーソースピリット」では、「ひとりの人」「ひとつの事」「みんなの想い」を大切にし、従業員一人ひとりの働きやすさや健康に配慮し、個性や能力を尊重することで最高のチームワークと笑顔が溢れる企業を目指すとしています。2024年12月には「キユーソー流通システムグループ人権方針」を制定し、人権尊重の責任を果たすことを表明しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


キユーソー流通システムグループは、中期経営計画において「物流の持続性確保と新たな価値創出」をテーマに掲げています。その基本方針の一つとして「経営基盤の強化」を挙げ、人材の採用強化と成長を促す環境の拡充に取り組んでいます。

また、サステナビリティ経営の更なる推進も重点テーマとしています。2023年12月には「サステナビリティ推進委員会」を設置し、環境課題や社会課題の解決に貢献する活動を全社的に推進しています。具体的には、「人権とダイバーシティの尊重」や「従業員の成長と活躍できる機会創出」をマテリアリティ(重要課題)として特定し、取り組みを進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


キユーソー流通システムは、グループ経営理念に基づき、経営の迅速な意思決定と健全性・透明性・公正性の向上に努めています。同社は監査役会設置会社として、経営監視体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


キユーソー流通システムの筆頭株主はキユーピーであり、同社グループの事業と密接な関係を持つ事業会社が上位株主として名を連ねています。複数の関連会社が上位に位置しており、特定の株主グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
キユーピー 43.29%
中島董商店 5.93%
三菱倉庫 5.10%
日本マスタートラスト信託銀行 5.02%
MSI P CLIENT SECURITIES 3.97%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は14名(男性11名・女性3名)で構成され、女性役員比率は21.4%です。代表取締役社長は富田仁一氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
富田 仁一 代表取締役社長 1986年三英食品販売株式会社入社、1990年キユーピー株式会社入社、2017年コープ食品株式会社代表取締役社長、2020年株式会社キユーソーエルプラン代表取締役社長、2024年同社代表取締役社長より現職。
犬塚 英作 取締役 執行役員専用物流事業担当 兼開発本部管掌 1986年同社入社、2010年キユーソーサービス株式会社取締役、2013年同社執行役員、2021年同社取締役より現職。
岡田 敦 取締役 執行役員共同物流事業担当 兼業務本部長 1993年同社入社、2015年同社執行役員、2024年同社取締役、同社執行役員、同社共同物流事業担当、同社業務本部長より現職。
髙山 典之 取締役 執行役員関連事業担当 兼海外推進室長 1994年同社入社、2023年同社執行役員、同社海外推進室長、2025年同社取締役、同社関連事業担当より現職。
山本 幸喜 取締役 執行役員管理担当 兼人事本部長 1994年同社入社、2013年上海丘寿儲運有限公司総経理、2021年同社執行役員、2025年同社取締役、同社管理担当、同社人事本部長より現職。
渡邊 龍太 取締役 1987年キユーピー株式会社入社、2016年同社執行役員、同社生産本部長、2021年同社取締役、2024年同社取締役より現職。


社外取締役は、大槻啓子氏(元モルガン・スタンレー・ジャパングローバルプロパティ エグゼクティブディレクター)、川又義寛氏(株式会社ビジョナリーボード代表取締役)、濱岡健氏(元京セラ株式会社有機材料事業本部本部室室長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名および社外監査役3名が独立役員として指定されています。社外取締役は、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


キユーソー流通システムの役員報酬は、役位・職責に応じた固定報酬である基本報酬と、会社業績や経営への貢献度に応じた業績連動報酬を基本としています。業績連動報酬の指標には連結営業利益が用いられ、報酬全体における基本報酬と業績連動報酬の割合はおおよそ8:2です。また、中長期的な業績を反映させるため、役員持株会を通じた自社株式の購入を奨励しています。社外取締役および監査役の報酬は、その独立性を考慮し、固定報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 8名 1.1億円 13.1百万円
監査役(社外除く) 2名 36百万円 18.0百万円
社外役員 7名 21百万円 3.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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