0 編集部が注目した重点ポイント
① 本社土地売却で純利益が過去最高水準へ急増する
2025年12月期において、長年拠点としてきた旧本社事務所等の土地譲渡が完了しました。これにより、固定資産売却益として123億6,500万円の特別利益を計上。親会社株主に帰属する当期純利益は前年比241.0%増の96億1,600万円に達しました。一時的な要因ながら、財務体質の強化と次なる投資への原資確保に成功しています。
② マレーシア子会社の新規連結で海外展開を加速させる
2025年度より「MIYOSHI OIL & FAT MALAYSIA SDN. BHD.」を新規連結し、グローバルサプライチェーンの拡充に着手しました。油化事業におけるグリセリン加工製品の生産拠点として立ち上げを進めており、国内市場の成熟化を背景に、成長性の高い海外市場への展開を本格化。エンジニアや海外営業職にとって、キャリア機会が大きく拡大する構造的変化と言えます。
③ 第二次中期経営計画で持続的成長基盤を確立する
2025年度からスタートした「第二次中期経営計画」により、食品事業の「進化」と油化事業の「深化」を推進中。人件費や物流費の高騰に対し、価格適正化や高付加価値製品の拡販を徹底しています。名古屋工場の再構築やDX推進など、製造・ITインフラの刷新に多額の投資を行っており、現場の業務効率向上と収益性強化を同時に目指す体制が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 通期決算補足説明資料 P.4
売上高
594.7億円
+4.3%
営業利益
19.6億円
△33.8%
当期純利益
96.1億円
+241.0%
2025年12月期の売上高は、製品ポートフォリオの見直しや適正な価格転嫁により増収を確保しました。営業利益については、人件費高騰や物流費の上昇に加え、本社移転に伴う一時的な費用発生(約10億円規模の減益要因)により前年を大きく下回りました。しかし、本社土地売却益が加わったことで純利益は飛躍的に伸長。有利子負債の返済や設備投資の原資として活用され、財務の健全性は大幅に向上しています。
通期業績としての評価は順調です。営業利益は前年比で減少しましたが、特殊要因を除けば収益力は維持されており、純資産合計も前年末の310億円から426億円へと大きく積み上がっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 通期決算補足説明資料 P.6
食品事業
【事業内容】マーガリン、ショートニング、粉末油脂等の製造販売。製パン・製菓業界を主要顧客とし、インバウンド需要の活況も追い風としています。
【業績推移】売上高420.9億円(前年比6.0%増)、営業利益14.4億円(同25.1%減)。人件費・物流費増が利益を圧迫。
【注目ポイント】プラントベースフード(植物性食品)ブランド「botanova」の拡販や、カカオ・卵の価格高騰に対応する代替製品の開発に注力。単なる素材供給に留まらない「新しい味の創出」を目指しており、市場ニーズを汲み取った高付加価値製品の企画・開発力が求められています。
油化事業
【事業内容】脂肪酸、グリセリン、界面活性剤などの工業用油脂製品を扱う。自動車、塗料、トイレタリー分野など広範な産業を支えています。
【業績推移】売上高169.0億円(前年比1.1%増)、営業利益4.4億円(同56.7%減)。原材料高と移転費用が影響。
【注目ポイント】(注:マレーシア子会社は当期より連結開始)。マレーシア工場の立ち上げにより、グローバルな需要増に対応する体制を構築。環境視点での製品開発を掲げ、生分解性樹脂分散体などの新規素材開発を加速させており、化学の専門知識を活かした社会課題解決への貢献が可能です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 通期決算補足説明資料 P.8
2026年度は売上高622.7億円(前期比4.6%増)、営業利益25.4億円(同29.6%増)と大幅な増益を見込んでいます。前年に計上された本社移転の一時費用がなくなることに加え、マレーシア工場の本格稼働、さらに国内生産拠点(名古屋工場)の再構築による効率化が収益を牽引する計画です。また、基幹システムの刷新によるDX推進にも注力しており、業務の自動化やマーケティングプラットフォームの活用による販売力強化を掲げています。変革期にある組織を支えるIT人材や、サプライチェーンの最適化を担える人材にとって、自身の成果が企業の成長に直結するやりがいのある環境と言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、単なる「油脂メーカー」から、高い技術力で市場の代替ニーズ(プラントベースや米・卵の代替製品)に応える「ソリューション型企業」への進化を目指しています。特にマレーシア拠点の設立や国内工場の再構築など、インフラ刷新と海外展開の旗振り役を求めています。「伝統ある企業の変革を、自身の専門性で加速させたい」という意欲は、非常に高く評価されるポイントです。
面接での逆質問例
- 「マレーシア拠点の本格稼働にあたり、現地との連携や技術移転において今後解決すべき最大の課題は何でしょうか?」
- 「名古屋工場の再構築やDX推進など、ハード・ソフト両面でのインフラ刷新により、現場のオペレーションはどう変化すると期待されていますか?」
- 「植物性ブランド『botanova』など高付加価値製品の販売を拡大する上で、営業と研究開発がどのように連携されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ミヨシ油脂株式会社 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- ミヨシ油脂株式会社 2025年12月期 通期決算補足説明資料



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