【平均年収722万円】ミヨシ油脂 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収722万円】ミヨシ油脂 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ミヨシ油脂は、食用油脂や工業用油脂、化成品、環境関連製品の製造・販売をグループ各社とともに展開しています。直近の売上高は増加傾向にありますが、経常利益は減少となりました。特別利益の計上により、純利益は大幅な増加となりました。


目次

※本記事は、ミヨシ油脂株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ミヨシ油脂は、天然油脂を原料とした食用油脂、工業用油脂、各種脂肪酸、化成品、環境関連製品の製造・販売を主軸としています。同社グループは、これらの製品に関する物流および付帯サービスも展開しています。

単体従業員数は539名、連結従業員数は599名です。同社グループの事業セグメントは、食品事業、油化事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、ミヨシ商事(食品事業・および・油化事業)、セキセイT&C(油化事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ミヨシ油脂は、食品事業を主軸とする企業であり、安定した事業基盤を持つことがうかがえます。従業員の給与水準や働き方に関するデータからは、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見て取れます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員が長く働き続けられる環境を提供していることが、平均勤続年数と平均年齢からうかがえます。これにより、社内で培われた経験や知識が組織に蓄積されやすい傾向にあると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 7,221,680円
平均勤続年数 17.3年
平均年齢 41.4歳
単体従業員数 539人
連結従業員数 599人
単体のグループ内比率 90.0%


同社は、従業員の退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

この制度は国内の従業員を対象としています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は44.3億円、年金資産は77.3億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ミヨシ油脂は、人材を価値創造の中核であり最も重要な資本と位置づけ、社員の多様性を最大限に尊重し、創造性が発揮できる企業風土を目指しています。社員がキャリア形成に主体的に取り組めるよう支援し、一人ひとりの強みを活かした育成を行っています。階層別研修や目的別研修など、さまざまな学びの機会を提供し、社員の成長に力を入れています。また、上司による部下の成長支援を目的とした1on1面談を全社で実施しています。

同社はDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進と健康経営を重点テーマとしています。社員一人ひとりが自分らしさを大切にしながら安心して働き続けられる企業を目指し、人権や多様な価値観を尊重しています。すべての社員にとって働きやすく、働きがいが実感できる職場環境を目指し、女性社員の活躍推進や男性社員の育児休業取得推進、障がい者雇用、LGBTQ理解促進などに取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結グループにおける記載が困難であるため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
女性管理職比率 11.3%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 85.8%
男女賃金差異(正規雇用) 85.1%
男女賃金差異(非正規雇用) 75.5%

DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進


2025年12月時点での当社の障がい者雇用率は2.42%です。

指標 数値
女性管理職比率 11.3%
男性育児休業取得率 100.0%
障がい者雇用率 2.42%

健康経営


全社員の健康保持・増進に注力した活動を積極的に行い、社員一人ひとりが心身ともに健康で幸せであり続けるための支援を目的として、健康経営を推進しています。高精度健診(婦人健診・人間ドック等)受診率の向上や、喫煙率の低減などに取り組んでいます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ミヨシ油脂グループは、天然油脂を基盤とした幅広い製品の製造と販売を手掛けています。食用油脂から工業用油脂、化成品、環境関連製品まで多岐にわたる事業を展開し、各事業に関連する物流やサービス業務も行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、天然油脂を原料とした製品を製造・販売することで収益を上げています。主要な事業は「食品事業」と「油化事業」の二つの報告セグメントに区分されており、それぞれの市場ニーズに応じた製品を提供しています。

食品事業

食品事業では、マーガリン、ショートニング、ラード、粉末油脂、ホイップクリーム、その他食用加工油脂などを主力製品としています。インバウンド需要の活況を背景とした外食産業や土産菓子業界、製パン・製菓業界の堅調な需要に対応しています。
収益は、主力製品の拡販や販売価格の適正化、新製品開発などから得ています。前期と比較して売上高は増加しています。

油化事業

油化事業では、脂肪酸、グリセリン、工業用石鹸、その他工業用油脂、繊維用処理剤、消泡剤、香粧品原料、重金属捕集剤、重金属固定剤、その他各種界面活性剤などを手掛けています。工業用油脂製品は自動車、タイヤ、塗料などの業界向けに、界面活性剤関連製品はトイレタリー分野向けに需要があります。
収益は、原料価格の変動に対応した適正価格での販売や、新規素材の開発と市場開拓などから得ています。前期と比較して売上高は増加しています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が中心となっています。また、ニッシントーア・岩尾への売上高は同社グループの総販売実績の1割強を占めており、食品事業および油化事業の両セグメントに関連しています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
食品事業 397億円 421億円
油化事業 167億円 169億円
その他の事業セグメント 6.0億円 4.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。一方で、経常利益は変動が見られ、直近の連結会計年度では減少となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の連結会計年度で大幅な増加を記録しています。これは、本社事務所等として利用していた土地の譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益として計上したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローは資金の増加を示しており、本業による資金創出力は維持されています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 475億円 527億円 562億円 570億円 595億円
経常利益 9.8億円 △13.3億円 25.9億円 30.1億円 19.1億円
経常利益率 2.1% △2.5% 4.6% 5.3% 3.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 6.8億円 △2.7億円 20.8億円 28.2億円 96.2億円
1株当たり当期純利益(円) 66.35 △26.29 203.29 277.03 943.10

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して増加しています。これは、従業員数が増加する中で、売上高がそれを上回る伸びを示したことによるものです。

一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少しています。これは、売上高は増加したものの、本社移転関連費用や人件費、物流費等の諸費用増加により営業利益が減少した影響が反映されています。これらの指標は、同社グループの事業規模拡大と収益構造の変化を示しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 98.8百万円 99.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.1百万円 3.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性の観点から、同社グループの現在地を示します。本業で安定した資金を創出し、資産売却による資金も加わって、財務基盤の強化と借入金の返済を進めている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の双方で高い水準を示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回り、財務の健全性がうかがえます。ROEは前期から大きく増加しており、これは本社事務所等として利用していた土地の譲渡に伴う固定資産売却益の計上が主な要因となっています。手元資金である現金及び預金も増加しており、不測の事態への耐性も備えている状況です。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 311億円 427億円
自己資本比率 42.7% 50.6%
ROE(自己資本利益率) 9.5% 26.1%
現金及び預金 70.7億円 96.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは23.5億円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費、仕入債務の増加によるものです。一方で、固定資産売却益や棚卸資産の増加、法人税等の支払額による資金の減少も発生しています。

投資活動によるキャッシュフローは53.1億円の増加となりました。これは主に固定資産の売却による収入があった一方で、有形固定資産の取得による支出や差入保証金の差入による支出があったことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは△52.2億円の減少となりました。これは主に長期借入金の返済や短期借入金の純減少額、配当金の支払いに伴う資金の減少によるものです。

これらの結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは76.6億円の増加となりました。同社グループは本業で安定的に資金を創出しつつ、資産売却による資金も得て、財務基盤の強化と借入金の返済を進めている状況です。この資金の流れは、今後の事業展開や雇用・給与の安定性にもつながるものと考えられます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 32.8億円 23.5億円
投資CF △25.2億円 53.1億円
財務CF 2.0億円 △52.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 7.7億円 76.6億円


※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、原材料相場および為替レートの変動による仕入価格変動のリスクを認識しています。海外からパーム油等の油脂原料を仕入れているため、市況や為替相場が仕入価格に影響を与え、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、化学物質管理に関する法令改正等で規制が強化された場合、設備投資やシステムの構築等が必要となり、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、少子化等により企業間での採用競争が激しくなり、必要とする人材を確保できないリスクを認識しています。また、従業員の退職等によって必要な人材が確保できなくなった場合も、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ミヨシ油脂は、「人によし、社会によし、未来によし。」という経営理念を掲げ、油脂の力を活かした“ものづくり”を通して、すべての人から信頼される企業であり続けることを目指しています。同社グループがどのような価値観を大切にし、どのような未来を描いているのかを見ていきましょう。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ミヨシ油脂は、「人によし、社会によし、未来によし。」という経営理念を掲げています。
油脂の力を活かした“ものづくり”を通じて、すべての人から信頼される企業であり続けることを目指している会社です。
2030年に向けた経営構想では、食品と油化の二つの事業を柱とし、環境変化に左右されない持続的成長基盤の確立と、両事業の継続的な成長・発展を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ミヨシ油脂は、「人によし、社会によし、未来によし。」という経営理念のもと、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営を推進しています。
社員の多様性を最大限に尊重し、創造性が発揮できる企業風土を目指しており、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進に力を入れています。
社員一人ひとりが自分らしさを大切にしながら安心して働き続けられるよう、LGBTQの理解促進や健康経営にも積極的に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、円安基調の継続による物価高、海外経済の不確実性など、先行き不透明な事業環境に直面しています。
このような状況において、技術開発力の強化や人財育成とマネジメント実施による人的資本の向上を重点テーマとしています。
また、ESGを重視した経営の推進や、人々の暮らしを支えるインフラ企業としての社会的責任を果たすことにも取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ミヨシ油脂は、取締役会と監査役会を設置し、経営の透明性と公正性を重視したガバナンス体制を構築しています。迅速な意思決定と業務執行を通じて、企業競争力の強化を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、複数の事業会社が上位に名を連ねていることが特徴です。筆頭株主には山崎製パンと日清オイリオグループが同率で並び、安定的な資本基盤を形成しています。

株主名 持株比率
山崎製パン 10.01%
日清オイリオグループ 10.01%
ミヨシ協力会 4.95%
日本証券金融 3.85%
三菱UFJ銀行 2.65%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長兼CEOは三木逸郎氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
三木逸郎 代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者) 2011年4月同社入社、2019年3月同社代表取締役社長執行役員、2021年3月同社代表取締役社長兼CEOより現職。
竹下昇一 代表取締役専務兼COO(最高執行責任者) 1977年4月同社入社、2019年3月同社取締役執行役員油化本部営業統括兼企画業務部長、2023年3月同社代表取締役常務兼COOより現職。
持田智也 取締役兼CMO(最高マーケティング責任者) 1989年4月日経BP入社、2021年6月同社入社上席執行役員マーケティング部長、2023年3月同社取締役執行役員兼CCO戦略企画本部長より現職。
小野寺哲 取締役執行役員兼CPO(最高生産責任者) 1988年4月同社入社、2022年3月同社執行役員生産本部副本部長兼生産統括部長、2025年3月同社取締役執行役員兼CPOより現職。
加藤太彦 取締役執行役員兼CFO(最高財務責任者)管理本部長 1987年4月農林中央金庫入庫、2023年3月同社常勤監査役、2025年3月同社取締役執行役員兼CFO管理本部長より現職。


社外取締役は、村山憲二氏(村山公認会計士事務所開設)、黒田佳奈子氏(WOMAN COLLEGE代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会の監督機能強化のため、2名の独立社外取締役を選任しています。社外取締役は、専門的な知見に基づき、中立的かつ客観的な立場で経営の意思決定の適正性を確保する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役(CxO兼務者)の報酬は、基本報酬と業績連動型株式報酬で構成されています。CxOを兼務しない取締役および監査役の報酬は基本報酬のみです。業績連動型株式報酬は、連結営業利益の達成率に応じて変動する仕組みを採用しており、中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 7名 1.8億円 25.6百万円
監査役(社外除く) 2名 27百万円 13.5百万円
社外役員 6名 47百万円 7.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


関連記事

ミヨシ油脂の転職研究 2025年12月期通期決算に見るキャリア機会

ミヨシ油脂の2025年12月期決算は、本社土地売却により純利益が前年比241%増と急増。営業面ではコスト高の影響を受けるも、価格適正化と海外子会社の新規連結により成長基盤を強化しています。「伝統企業の変革期」に、技術開発やグローバル展開でどんな役割を担えるのか、転職希望者向けに整理します。