0 編集部が注目した重点ポイント
① 売上高・営業利益ともに過去最高を更新する
2025年12月期は、売上高が前期比3.0%増の55,705百万円、営業利益が9.3%増の3,847百万円となり、いずれも過去最高を更新しました。中期経営計画「INNOVATION25」の最終年度として、高い成長を実現しています。主力の化学品事業での高付加価値化と、化粧品事業での受託生産(ODM)の伸長が、企業としてのステージを一段引き上げました。
② 収益性の高いEHD関連製品へ事業構造を転換する
環境(Environment)、健康・衛生(Health)、デジタル・先端材料(Digital)を指す「EHD」領域への集中戦略が成果を出し、化学品事業の利益率が大幅に向上しました。EHD製品の売上高比率は45.1%まで上昇しており、2030年には55%への引き上げを目指しています。この構造転換により、スペシャリティケミカルメーカーとしての地位を強固にしています。
③ 195億円を投じ化粧品新工場の建設を推進する
成長戦略の柱として、福井県内に「福井スマートファクトリー」を建設中です。2027年の本格稼働を目指しており、これにより化粧品事業の製造能力は現在の3倍に拡大します。自動化による生産性1.5倍向上も見込まれており、国内サロン市場でのシェア拡大だけでなく、東南アジアを中心とした多国化展開を加速させる大きなキャリア機会が生まれています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 通期 決算補足説明資料 P.8
売上高
55,705百万円
+3.0%
営業利益
3,847百万円
+9.3%
経常利益
3,849百万円
-3.2%
当期純利益
2,384百万円
-13.4%
2025年12月期は、主力事業の好調により営業利益率が6.9%に向上し、利益重視の経営が実を結びました。経常利益と純利益の減少は、為替相場の変動による為替差損の発生や、法人税等の税金費用の増加という外部要因・会計上の要因によるものであり、本業の「稼ぐ力」を示す営業利益は力強く伸びています。
前中期経営計画「INNOVATION25」の実績として、売上高は目標の570億円には届かなかったものの、営業利益は過去最高を更新しており、業績の評価としては順調かつ飛躍的な成長を遂げたと判断できます。2026年度もさらなる増収増益を見込んでおり、拡大局面にある企業でのキャリア形成に絶好のタイミングと言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 通期 決算補足説明資料 P.6
化学品事業
事業内容:繊維加工用薬剤を中心に、情報記録紙用、金属加工用洗浄剤、半導体製造用の先端材料などを幅広く展開。
業績推移:売上高 39,894百万円(前期比+1.3%)、セグメント利益 3,948百万円(同+6.0%)。利益額・率ともに過去最高。
注目ポイント:「EHDシフト」が加速しており、フッ素フリー系撥水剤や環境配慮型薬剤が好調です。特に半導体加工用クーラント剤のリサイクル事業などの資源循環型ビジネスを強化中。インドなどの新興市場への進出も本格化しており、グローバルな環境規制に対応できる開発・営業人材の必要性が高まっています。
化粧品事業
事業内容:「DEMI(デミ)」ブランドを中心とした美容室専売品の製造販売、および他社ブランドの受託生産(ODM)。
業績推移:売上高 15,259百万円(前期比+6.9%)、セグメント利益 1,966百万円(同+7.9%)。売上高は過去最高を記録。
注目ポイント:国内美容サロン市場の客数減に対し、注力商品「フローディアモア」の販売や、新規ODM(EC専業ヘアケア等)の獲得で成長を維持。2027年稼働のスマートファクトリー建設に伴い、DX推進や生産管理の高度化が急務です。独自の育毛メカニズムでの受賞歴もあり、高い研究開発力を武器にしたキャリアが描けます。
その他事業
事業内容:設備の請負工事など、主要セグメントに含まれない付随事業を担当。
業績推移:売上高 550百万円(前期比+22.5%)、セグメント利益 90百万円(同+53.9%)。
注目ポイント:グループ全体の生産活動を支える役割を担っており、化学・化粧品事業の設備投資拡大に伴い増収増益となりました。現場の改善活動を支えるエンジニアリング機能としての重要性が増しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 通期 決算補足説明資料 P.20
2026年12月期は、売上高58,500百万円、営業利益4,200百万円と、さらなる過去最高更新を見込んでいます。中長期グループ成長シナリオでは、2035年に売上高880億円、ROE10%以上の達成を掲げ、企業価値の向上を鮮明に打ち出しています。株主還元についても、累進配当の導入やDOE(自己資本配当率)3.0%を目安とした拡充を決定しており、安定した経営基盤を背景にした挑戦的な投資が続きます。
採用面での最注目は、総額約195億円を投じる「福井スマートファクトリー」です。製造能力の3倍増という飛躍を支えるため、先端のIT技術や自動化設備を使いこなせる人材の確保が急務となっています。また、化学品事業ではバングラデシュへの保税倉庫建設など、南西アジアへのシフトも鮮明です。新領域「D(デジタル・先端材料)」での新規ビジネス創出など、技術革新を起点としたキャリア形成を望む人材にとって、非常にチャンスの多い市場環境と言えます。
4 求職者へのアドバイス
同社のパーパス「Activate Your Life」に共感しつつ、独自の「界面科学」というコア技術を多様な産業(繊維、半導体、美容)に横断展開している点に触れるのが有効です。特に、環境負荷を低減する「ネオクロマト加工」や「フッ素フリー系撥水剤」など、サステナブル経営を技術で実現している具体的事例を挙げ、「高い技術力で社会課題を解決したい」という姿勢を示すことが評価につながりやすいでしょう。
「2027年稼働の福井スマートファクトリーにおいて、自動化やAI活用が進むことで、現場のエンジニアやオペレーターにはどのような新しい役割やスキルが期待されますか?」
「化学品事業のEHD領域への集中戦略において、特にデジタル・先端材料分野でのグローバル競争力を高めるために、現在どのような技術的課題に直面されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日華化学株式会社 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 日華化学株式会社 2025年12月期 通期 決算補足説明資料
- 日華化学株式会社 新中期経営計画「INNOVATION30」



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。