0 編集部が注目した重点ポイント
① 再生計画に基づき2026年度の営業黒字化を目指す
2025年度は「再生計画(2025年~2027年)」の初年度として、不採算商品の改廃やコスト構造改革を断行しました。売上高は42,071百万円と前年比8.3%減少したものの、営業損失は2,588百万円まで縮小しています。2026年度には営業利益200百万円を計上し、確実な黒字化を図るフェーズへ移行します。変革期にある同社では、事業再建を加速させる実務人材の需要が高まっています。
② カタログ起点からEC主戦場のモデルへ転換を推進する
主力の通信販売事業において、従来のカタログ起点からECを主戦場としたビジネスモデルへの転換を本格化させています。ターゲットを世代別に再編し、SNS販促やECモールへの積極展開により、2025年度のECモール売上高は前年比103%、実店舗は114%と伸長しました。デジタルマーケティングやEC運営の専門スキルを持つ人材にとって、活躍のフィールドが広がっています。
③ 連結範囲の変更により物流外販とIP事業を強化する
当期より持分法適用関連会社であった株式会社ベルメゾンロジスコを連結子会社化し、物流受託事業のさらなる成長を図っています。一方で不採算子会社の清算や売却を実施し、経営資源の集中を鮮明にしました。また、新たな収益源としてIP(知的財産)活用事業を加速させており、アニメコンテンツ等を用いた新領域でのキャリア機会が創出されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明資料 P.2
通期業績は売上高、営業損失ともに計画通りに着地しました。売上高は構造改革に伴う不採算商品の削減により減収となりましたが、販管費において販売促進費や手数料等の注文獲得費を3,040百万円削減し、収益性の改善が進んでいます。特筆すべきは、固定資産(本社ビル等)の売却による特別利益の計上により、最終損益が大幅な黒字となった点です。これにより自己資本比率も65.2%(前期末51.6%)へと向上し、財務基盤の立て直しが完了しました。
2025年度の通期予想に対する達成状況は、売上高が予想42,000百万円に対し42,071百万円、営業利益が予想△2,700百万円に対し△2,588百万円となり、業績回復に向けたステップは順調に進捗していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.6
通信販売事業
事業内容:ベルメゾンを中心に、インターネット及びカタログを通じた衣料品・生活雑貨等の販売を展開しています。
業績推移:売上高 35,989百万円(前年比 △9.9%)、営業損失 △3,082百万円(前期は△3,933百万円)。
注目ポイント:購入会員数は減少したものの、1人当たりの購入単価は22,415円(前年比 +375円)と上昇に転じました。ターゲットを絞り込み、在庫適正化や値引き抑制を徹底することで、売上総利益率の改善を目指しています。特にECモールへの展開強化により、Amazonや楽天市場等の外部プラットフォームでのプレゼンスを高めており、EC運用の専門人材が求められています。
法人事業
事業内容:通販インフラを活用したBPO(業務代行)サービスや、法人向け販促支援、株主優待受託を行っています。
業績推移:売上高 4,007百万円(前年比 +2.4%)、営業利益 253百万円(前年比 +56.9%)。
注目ポイント:物流業務の代行サービス受託が非常に堅調で、収益の柱として成長しています。当期よりベルメゾンロジスコを子会社化したことで、物流オペレーションのさらなる効率化と外販拡大を加速させる方針です。安定的な収益源としてグループを支えており、BtoB営業や物流コンサルティングの経験が重宝される環境です。
保険事業
事業内容:ベルメゾン会員を中心に、ライフプランに合わせた保険商品の提案・販売を行っています。
業績推移:売上高 390百万円(前年比 △23.8%)、営業利益 142百万円(前年比 △45.8%)。
注目ポイント:結婚式場などの従来チャネルからの集客が苦戦しており、現在は産院や法人向けなど新規販売チャネルの開拓に注力しています。対面だけでなく、オンライン相談や新たな提携先の確保など、営業体制の再構築が進められています。
その他(子育て支援事業)
事業内容:直営保育園の運営などを中心とした子育て支援サービスを提供しています。
業績推移:売上高 1,684百万円(前年比 +12.2%)、営業利益 96百万円(前年比 +100.8%)。
注目ポイント:保育事業の運営が極めて順調に推移しており、営業利益は前期から倍増しました。通販事業とのシナジーとして、インクルーシブ商品の開発など「子育て支援」を軸とした多角的な展開を模索しており、社会貢献性の高い事業として注力されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明資料 P.8
2026年度は、売上高45,000百万円(前年比+7.0%)、営業利益200百万円を見込んでいます。売上目標は再生計画当初の460億円から450億円へ、営業利益も3億円から2億円へ慎重に見直しましたが、黒字化の実現については「確実なもの」として取り組んでいます。
成長のエンジンとなるのは、IP(知的財産)活用事業の加速です。2025年度にアニメIP商品を投入した際、想定以上の成果を確認できたことから、今後は商品開発とリアル・EC展開をさらに強化します。また、気候やトレンドに即応した商品投入体制の整備が完了したことで、これまで機会ロスが発生していた端境期(7~9月)の売上底上げを図ります。構造改革の「土台作り」から「収益確保」へ移るこの時期は、スピード感を持って施策を実行できるプロフェッショナルが必要とされています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
千趣会は現在、4期連続の営業損失という厳しい状況から脱却するための「再生計画」の真っ只中にあります。この「逆境を跳ね返し、再び成長軌道に乗せる」というフェーズに魅力を感じる方には、非常にやりがいのある環境です。特に、カタログ通販からEC主軸への抜本的転換や、物流外販などのBtoB領域の拡大といった具体的な戦略において、自身のどのような経験(EC運用、デジタルマーケ、物流効率化など)が「黒字化への最短距離」に貢献できるかを具体的に語ることが、強いアピールに繋がります。
面接での逆質問例
- 「2026年度の営業黒字化に向け、私の担当予定領域において、現在最も解決すべき課題(ボトルネック)は何だと認識されていますか?」
- 「再生計画において、カタログ起点からEC主戦場へシフトされていますが、社内の組織文化やマインドセットの変化を促進するために、現在取り組まれていることはありますか?」
- 「物流受託やIP活用事業など、周辺領域の拡大における中長期的な目標数値や、期待されている役割について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
女性が立場的に弱いということはなかった
顧客も女性がメインであり社員も女性が多いことから、女性が立場的に弱いというようなことはなかったため、働きにくいということはなかったと思います。
(30代後半・マーケティング・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 決算説明資料(株式会社千趣会)



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