0 編集部が注目した重点ポイント
① 総合人材サービス事業へ新規参入し収益基盤を拡大
2025年3月に株式会社antz(アンツ)を買収し、4月から総合人材サービス事業を開始しました。この新規連結により、グループ全体の従業員数が102名増加するなど組織規模が急拡大しています。既存・新規顧客への需要開拓が奏功し、ITソリューション分野でも大型案件を獲得するなど、新たな成長の柱として機能し始めています。
② 不動産撤退と構造改革で営業利益が約9.2倍に急増
2024年末までに不動産関連事業から完全に撤退したことで、貸倒引当金繰入額を含む販売管理費の大幅な圧縮に成功しました。不採算領域の切り離しとプライズ事業の好調が重なり、2025年12月期の連結営業利益は前年比921.6%増の4億6,300万円を達成。筋肉質な収益体質への転換を数値で証明しています。
③ AI関連事業はサーバー販売から開発体制構築へシフト
これまで売上を牽引してきたGPU(画像処理装置)サーバー販売において、競合他社の参入により第4四半期の新規受注がゼロ件となるなど厳しい局面を迎えています。今後はサーバー単体の販売から、AIを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)ツールの受託開発や自社開発へと舵を切る方針であり、技術系人材の重要性が一段と高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.2
営業収益
8,748百万円
+63.8%
営業利益
463百万円
+821.6%
当期純利益
440百万円
+583.9%
当連結会計年度は、主要事業のすべてで構造改革の成果が現れました。営業収益は87億4,800万円に達し、前年の53億4,000万円から大きく飛躍。特にプライズ事業におけるインバウンド需要の取り込みと、新設された総合人材サービス事業の寄与が目立ちます。
通期業績予想に対する進捗評価は、当初の計画を大幅に上回る利益を計上したことから、極めて順調な着地と言えます。不動産撤退によるコスト削減効果が想定以上に大きく、営業利益率は0.9%から5.3%へと劇的に改善しました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.3
総合人材サービス事業
事業内容:(株)antzが運営。一般労働者派遣、作業請負業務、ITソリューション事業(機器導入から保守まで)を展開。
業績推移:(注:当期より開始のため前年比較なし)売上高14億2,700万円、セグメント利益4,100万円を計上し即戦力化。
注目ポイント:買収後、速やかにグループ内での立ち位置を確立しました。ITソリューション分野で大型案件を完了させるなど、「技術×人材」の融合領域でのさらなる成長が見込まれます。既存顧客への深掘りと新規開拓を加速させるため、法人営業やコーディネーターの知見が求められています。
プライズ事業
事業内容:(株)ブレイクが運営。クレーンゲーム機用景品の企画・製作・販売。キャラクターグッズが主力。
業績推移:売上高34億6,300万円(+16.7%)、セグメント利益3億4,000万円(+35.7%)と増収増益。
注目ポイント:外国人観光客の増加によりアミューズメント施設が活況です。原材料高騰の中でも、仕入先の開拓や原価低減策が実を結び、利益率が向上しています。流行の移り変わりが早い消費者ニーズを捉え続ける企画開発力、および海外サプライヤーとの交渉力が、事業拡大の鍵を握っています。
AI関連事業
事業内容:(株)AI Tech Solutionsが運営。AIツールの開発支援、GPUサーバーの販売・代理店業務。
業績推移:売上高30億9,700万円(+353.4%)、セグメント利益1億9,800万円(+345.5%)と爆発的に成長。
注目ポイント:サーバー販売は好調でしたが、競合激化により通期予想では縮小を見込んでいます。一方で、生成AIを活用した「退院サマリーシステム」の納品など、ソリューション開発へ舵を切っています。特定の業界課題を解決するAIエンジニアや、DXツールの導入提案ができるコンサル人材へのニーズが急騰しています。
物流関連事業
事業内容:(株)エム、(株)antzが運営。一般貨物自動車運送および貨物利用運送事業。
業績推移:売上高3億1,600万円(+242.5%)、セグメント利益6,200万円(+48.5%)と大幅増収。
注目ポイント:antzの参入により、ドライバー人数と車両台数を拡大。収益性の高い案件に注力することで、利益率の改善を図っています。「2024年問題」への対応が求められる中、総合人材サービス事業との連携による人材確保が大きな強みとなっています。運行管理の効率化や、物流ネットワークの再構築を担う人材が活躍できる環境です。
コンテンツ事業
事業内容:(株)ポップティーンが電子書籍配信サイト「モビぶっく」を運営。
業績推移:売上高8,100万円(+2.0%)、セグメント損失は800万円(前年は1,800万円の損失)へ改善。
注目ポイント:広告費を抑制しながら、費用対効果の高いプロモーションで顧客継続率を高める施策を徹底。赤字幅の縮小が進んでおり、収益化に向けたターンアラウンド(事業再生)の真っ只中にあります。デジタルマーケティングの知見を活かし、少数精鋭で黒字転換を牽引したい人材に適した環境です。
マスターライツ事業
事業内容:「Popteen」「Cuugal」等の雑誌出版、オーディションやイベントの企画運営。
業績推移:売上高1億5,400万円(-5.9%)、セグメント損失は900万円(前年は1,600万円の損失)。
注目ポイント:発行部数は減少傾向にあるものの、制作コスト削減とタイアップ案件の獲得により損失は改善。今後はSNSを活用したリアルタイムな情報発信や公式オンラインショップの拡充に注力します。既存の「雑誌」という枠を超え、次世代のメディアプラットフォームへと進化させる意欲的な編集・プロデューサー職の活躍が期待されています。
イベント事業
事業内容:大型商業施設での著名コンテンツ展示・販売イベントの企画運営。
業績推移:売上高2億600万円(+63.2%)、セグメント損失は300万円(前年は3,400万円の損失)と大幅改善。
注目ポイント:大型イベントの開催により集客が好調で、赤字解消目前の状態です。著名なIP(知的財産)を活用した企画力がそのまま収益に直結するダイナミックな事業です。版権元との交渉や空間演出のプロフェッショナルが、さらなる収益拡大を支える鍵となります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.13
次期の業績予想は、営業収益59億9,800万円(-31.4%)、営業利益1億800万円(-76.6%)と、慎重な見通しを立てています。この主な要因は、過熱したGPUサーバー販売市場での競争激化であり、グループとしては「物売りからソリューション」への構造転換を急いでいます。
成長戦略の核となるのは、2025年に新たに加わった「総合人材サービス」と「物流関連」のシナジーです。深刻なドライバー不足に対し、自社で人材を供給・育成する体制を構築し、収益性の高い物流モデルを確立することを目指しています。また、AI関連事業ではDXツールの受託開発体制を早急に構築し、収益の立て直しを図る方針です。多角化した事業群を横断し、新たなビジネスチャンスを創出できるPM(プロジェクトマネージャー)クラスの採用が最優先事項となると分析されます。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
フォーサイドは今、複数の不採算事業から撤退し、M&Aによって「人材・物流・AIソリューション」の3本柱へ再編している過渡期にあります。「確立された大手企業で働く」ことよりも、「自らの手で新規事業を軌道に乗せる」、あるいは「赤字事業を黒字化させるターンアラウンド」に挑戦したいという意欲を伝えることが、強い訴求力になります。特にantz社との統合による組織の拡大期において、組織基盤の強化に貢献したいという姿勢は高く評価されるでしょう。
Q&A 面接での逆質問例
- 「AI関連事業において、サーバー販売からソリューション開発へ移行するための体制構築において、具体的にどのようなスキルセットを持つ人材が不足していますか?」
- 「antz社の買収により人材と物流のシナジーを狙うとのことですが、ITソリューション事業との連携による新たなサービス創出のロードマップはどのように描かれていますか?」
- 「コンテンツ・メディア事業での赤字幅縮小が顕著ですが、黒字化後の次のフェーズとして、どのようなメディア戦略を検討されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
男女関係なく仕事が出来る人はポジションを与えられる
課長職を拝命している人も複数いて男女関係なく仕事が出来る人はポジションを与えられています。
(30代前半・経営企画・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
【使用した主な公開資料】
・株式会社フォーサイド「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
・株式会社フォーサイド「2025年12月期 決算説明資料(補足説明資料)」



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