※本記事は、株式会社フォーサイド の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フォーサイドは持株会社であり、単体従業員数は4名、グループ連結従業員数は180名です。
同社グループは、連結子会社7社を中心に多角的な事業を展開しています。プライズ事業、コンテンツ事業、イベント事業、マスターライツ事業といったエンターテイメント関連から、AI関連事業、物流関連事業、総合人材サービス事業まで幅広い分野を手掛けています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ブレイク(プライズ事業・イベント事業)、ポップティーン、AI Tech Solutions(AI関連事業)、エム(物流関連事業)、antzなどです。
2025年3月31日には株式会社antzの全株式を取得し、総合人材サービス事業を新たに開始しました。これに伴い、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フォーサイドは持株会社としてグループ全体の戦略を統括し、多様な事業を展開しています。同社グループはサステナビリティを重視し、多様な人材が活躍できる組織づくりや働きやすい環境整備に力を入れている点が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も一定の期間を示しており、従業員の定着傾向が見られます。これは、経験豊富な人材が長く活躍できる環境があることを示唆しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,155,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.5年 |
| 平均年齢 | 48.1歳 |
| 単体従業員数 | 4人 |
| 連結従業員数 | 180人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.2% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、サステナビリティへの取り組みが中長期的な企業価値向上につながると考えており、人材育成をその重要な要素と位置付けています。年齢、性別、国籍等に関係なく多様な人材が活躍できる組織を目指しています。
特に女性活躍推進を経営の重要課題と認識し、意欲・能力の高い女性社員を積極的に管理職に登用する方針です。また、働き方の多様化を推進するため、テレワーク環境の整備やフレックスタイム制度を導入しています。従業員が働きやすい就労環境の整備に努めるとともに、有給休暇取得率の向上にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱ブレイク
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 28.6% |
▼ ㈱ポップティーン
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 100.0% |
▼ ㈱AI Tech Solutions
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25% |
| 有給休暇取得率 | 60% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フォーサイドグループは、プライズ事業、AI関連事業、総合人材サービス事業を主軸に、多角的なビジネスを展開しています。各事業が連携し、グループ全体の収益を構成しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、クレーンゲーム用景品の企画・製作・販売を行うプライズ事業、AIを活用した事業効率化ツールの開発やGPUサーバーの販売を行うAI関連事業、そして一般労働者派遣や作業請負業務を行う総合人材サービス事業を中心に事業を展開しています。これらの事業を通じて、幅広い顧客層にサービスを提供し、収益を上げています。
プライズ事業
クレーンゲーム機等のプライズゲーム用景品の企画・製作・販売を行っています。
収益は、キャラクターグッズや雑貨系商材の販売から得ています。運営は、ブレイクが行っています。
コンテンツ事業
電子書籍配信サイト「モビぶっく」の運営等を行っています。
収益は、電子書籍の配信サービスから得ています。運営は、主にポップティーンが行っています。
イベント事業
各地の大型商業施設の催事場にて著名なコンテンツの展示販売を中心に行っています。
収益は、大型イベントの開催や展示販売から得ています。運営は、ブレイクが行っています。
マスターライツ事業
出版事業を行っています。
収益は、雑誌の出版やタイアップ案件の獲得から得ています。運営は、主にポップティーンが行っています。
AI関連事業
AIを活用した事業効率化ツールの開発、AI開発支援向けGPUサーバーの販売、販売代理を行っています。
収益は、GPUサーバーの販売促進や生成AIを活用したシステム開発から得ています。運営は、AI Tech Solutionsが行っています。
物流関連事業
一般貨物自動車運送事業並びに貨物利用運送事業を行っています。
収益は、一般貨物自動車運送事業や貨物利用運送事業から得ています。運営は、antz及びエムが行っています。
総合人材サービス事業
一般労働者派遣及び作業請負業務等を行っています。
収益は、一般労働者派遣や作業請負業務から得ています。運営は、antzが行っています。
| セグメント | 営業収益(2024年12月期) | 営業収益(2025年12月期) |
|---|---|---|
| プライズ | 29.7億円 | 34.6億円 |
| AI関連 | 6.8億円 | 31.0億円 |
| 総合人材サービス | - | 14.3億円 |
| 物流関連 | 93百万円 | 3.2億円 |
| イベント | 1.3億円 | 2.1億円 |
| マスターライツ | 1.6億円 | 1.5億円 |
| コンテンツ | 80百万円 | 82百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの営業収益は、直近5年間で増加傾向にあります。特に当期は大幅な増加となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、過去には変動が見られましたが、当期は大きく増加しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 48.9億円 | 49.9億円 | 48.2億円 | 53.4億円 | 87.5億円 |
| 経常利益 | 1.8億円 | △75百万円 | 44百万円 | 48百万円 | 4.8億円 |
| 経常利益率 | 3.7% | △1.5% | 0.9% | 0.9% | 5.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 86百万円 | △1.1億円 | 1.1億円 | 64百万円 | 4.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 2.64 | △3.31 | 3.31 | 1.63 | 10.17 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり営業収益は前期から減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これは、従業員数の大幅な増加がありながらも、利益創出能力が向上していることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 97.1百万円 | 48.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | 2.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤は、純資産と手元資金の増加により安定性を示しています。キャッシュフローも改善傾向にあり、事業活動を通じて資金を創出している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの純資産は前期から増加しており、自己資本比率は前期から減少したものの、高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は前期から大きく改善し、収益性が向上していることを示しています。また、現金及び預金も前期から増加しており、手元資金が厚くなっている状況です。これらの財務基盤は、同社グループが事業活動を安定的に継続するための基礎を築いていることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 25.0億円 | 30.8億円 |
| 自己資本比率 | 70.1% | 65.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.2% | 15.8% |
| 現金及び預金 | 14.0億円 | 22.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは収入となっており、同社グループが本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。投資活動によるキャッシュフローも収入となっており、前期の支出から転じて、資産売却や貸付金回収などによる資金流入があったことがわかります。その結果、フリーキャッシュフローは大幅なプラスとなっており、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金が増加しています。財務活動によるキャッシュフローは支出となっており、借入金の返済などが行われたことを示しています。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した資金繰りを維持し、事業の継続性や成長に向けた基盤を強化していることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.6億円 | 6.7億円 |
| 投資CF | △6.0億円 | 2.2億円 |
| 財務CF | 6.4億円 | △93百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.3億円 | 8.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのプライズ事業では、キャラクター商品の人気や商品化権の獲得が販売動向に影響を与える可能性があります。消費者の嗜好の移り変わりが激しく、人気キャラクターの商品化権を獲得できない場合、業績に影響を及ぼすリスクがあります。また、同社グループが事業を営む市場は競争が激しく、新規参入が相次いでいます。競争激化に効率的に対応できない場合、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、競争の激しい市場において、ノウハウの蓄積や組織力強化に取り組む必要があると認識しています。これらの対応が適時かつ効率的に行えない場合、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社フォーサイドは、プライズ事業、AI関連事業、物流関連事業、総合人材サービス事業を柱に事業収益の強化を目指しています。持株会社としてグループ全体の競争力強化とコーポレートガバナンスの充実を図りながら、持続可能な社会の実現にも貢献していくことを重視しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、営業収益と営業利益の2指標を重視する経営方針を掲げています。中長期的には、プライズ事業、AI関連事業、物流関連事業、総合人材サービス事業を柱として、それぞれの事業収益の強化を図ることを目指しています。主力事業の成長と収益率の向上を通じて業績向上に努め、新たな事業の創出も視野に入れながら持続的な成長を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、サステナビリティへの取り組みが中長期的な企業価値向上につながると考え、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。年齢、性別、国籍等に関係なく多様な人材が活躍できる組織を目指しており、特に女性活躍推進を経営の重要な課題と認識しています。働き方の多様化を推進するため、テレワーク環境の整備やフレックスタイム制度を導入し、従業員が働きやすい就労環境の整備に努めています。また、リスク管理を経営上の重要な活動と位置づけ、「リスク管理規程」に基づき適切にリスクを把握・管理する体制を構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、更なる業容拡大を目指す上で、既存の主力事業に続く新たな柱となる事業の創出を課題としています。マスターライツ事業では、読者の関心が高いタレントやインフルエンサーの起用、SNSを活用した情報発信、公式オンラインショップの開設、リアルイベントの開催などを通じて、新たな広告プランの構築と収益基盤の立て直しに努めています。また、変化する経営環境に柔軟かつ速やかに対応できる組織を運営するため、組織力の更なる強化を課題としています。持株会社として事業子会社を統括し、経営判断の迅速化と事業子会社への経営管理・監督機能の整備を通じて、グループ全体のコーポレートガバナンスの充実を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フォーサイドは持株会社体制を採用しており、監査等委員会設置会社としてガバナンス体制を構築しています。取締役会は経営の基本方針や重要事項の意思決定、業務遂行の監視・監督機関と位置づけられています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フォーサイドの筆頭株主は株式会社OMTホールディングスであり、同社代表取締役である大島正人氏が保有していた株式を譲渡したことにより、主要株主である筆頭株主に異動が生じています。上位株主には投資事業有限責任組合や証券会社が名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| OMTホールディングス | 11.76% |
| R-1第1号投資事業有限責任組合 | 7.36% |
| 楽天証券 | 4.92% |
| 長尾 康裕 | 2.06% |
| 金丸 篤史 | 1.43% |
なお、2025年6月27日付で、同社代表取締役である大島正人が保有していた普通株式の全部をOMTホールディングスに対して譲渡したため、同日付で主要株主である筆頭株主に異動が生じています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は大島正人氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大島 正人 | 代表取締役社長 | 1975年4月東洋ガラス入社、1985年9月ラセーヌ代表取締役就任、2024年3月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 大島 崇 | 常務取締役 | 2011年4月アイケイコーポレーション(現:バイク王&カンパニー)入社、2014年10月PwCあらた監査法人入所、2026年3月同社常務取締役就任より現職。 |
| 根津 孝規 | 取締役 | 2008年8月ブレイク入社、2013年6月同社代表取締役就任、2024年3月同社取締役就任より現職。 |
| 長尾 康裕 | 取締役 | 1996年1月佐川急便入社、2005年4月有限会社antz(現:株式会社antz)代表取締役就任、2026年3月同社取締役就任より現職。 |
| 大塚 美樹 | 取締役 | 2007年11月フォーサイド入社、2015年3月モビぶっく(現:ポップティーン)取締役就任、2026年3月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、田﨑司郎氏(司郎法務行政書士事務所代表・常勤監査等委員)、田辺一男氏(大原法律事務所パートナー弁護士・監査等委員)、瀬山剛氏(瀬山公認会計士事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会制度を採用しており、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員が取締役会における議決権を持つことで、取締役会の監督機能を強化しています。監査等委員3名すべてが社外取締役であり、外部的視点からの経営監視機能が十分に機能する体制が整っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と職責を果たすインセンティブとして機能するよう設計されています。取締役の報酬は基本報酬のみで構成され、業績連動報酬は設けられていません。社外取締役および監査等委員である取締役の報酬も、定額報酬としての基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 8百万円 | 2.1百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 10百万円 | 1.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の員数は、無報酬の取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)1名を除いております。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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