モバイルファクトリーの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

モバイルファクトリーの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

モバイルファクトリーの2025年12月期決算は、主力「駅メモ!」の好調で売上・営業利益ともに過去最高を更新。スマホ新法施行を受けたアプリ外決済の導入やAI活用による組織変革など、利益体質の強化と新規事業への攻めの姿勢が鮮明です。「なぜ今この会社なのか?」を将来の展望と活躍の場から整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

位置情報ゲームが牽引し過去最高の連結売上高を更新する

主力サービスである「駅メモ!」(ステーションメモリーズ!)において、他社IPとのコラボや移動系商材が好調に推移しました。広告宣伝費への積極投資により新規インストール数が増加し、2025年12月期は過去最高の連結売上高および営業利益を達成しています。ユーザー基盤の強化が着実に業績向上へと結びついている状況です。

子会社ビットファクトリーを清算し経営資源を集中させる

構造的変化として、連結子会社であった株式会社ビットファクトリーが2025年11月25日付で清算結了し、連結の範囲から除外されました。ブロックチェーン事業からの撤退に伴う組織のスリム化が進んでおり、今後は位置情報共有SNS「NauNau」を展開するSuishow事業や主力のモバイルゲーム事業へ人的・資本的リソースを集中させる体制が整っています。

アプリ外課金の導入によりプラットフォーム手数料を低減する

2025年12月施行のスマホ新法に基づき、独自の決済手段を導入した「公式車内販売Webショップ」をオープンしました。これにより従来支払っていた高額な手数料負担を軽減し、利益率の向上とユーザーへの還元を両立する戦略を推進しています。技術的な決済基盤の構築や、Web導線を通じた新たな収益モデルの確立が進んでおり、キャリアとしての職能拡大が期待されます。

1 連結業績ハイライト

通期での売上高・営業利益は過去最高。主力IPの成長により、修正後の利益予想も上回る着地となりました。
2025年12月期 連結業績ハイライト

出典:2025年12月期 通期決算説明資料 P.6

売上高

3,427百万円

前期比 +3.3%

営業利益

1,121百万円

前期比 +6.0%

EBITDA

1,121百万円

前期比 +5.8%

※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費 + 株式報酬費用(事業の収益力を測るための指標)

2025年12月期の業績は、売上高が前期比3.3%増、営業利益が同6.0%増となり、通期での過去最高売上高・営業利益を更新しました。親会社株主に帰属する当期純利益については、子会社投資に係る繰延税金資産(将来の税金を減らす効果のある資産)の取り崩しという会計上の見積り変更に伴い、30.1%減の488百万円となりましたが、これはキャッシュ・アウトを伴わない一過性の要因です。

2025年12月12日に発表された修正後予想に対する進捗率は、売上高が101.0%、営業利益が103.0%に達しており、業績は順調に推移しています。広告投資によるユーザー獲得と、高単価な「プレミアムでんこ」等の新商材販売が寄与し、堅実な成長を続けています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

位置情報ゲームを中核に、SNS事業の再建や地域創生といった多角的な領域での採用機会が広がっています。
事業セグメント別 営業損益推移

出典:2025年12月期 通期決算説明資料 P.13

モバイルゲーム事業

事業内容:位置情報連動型ゲーム「駅メモ!」シリーズや「駅奪取」シリーズの運営、地域創生イベントの企画。

業績推移:売上高 3,173百万円(前年同期比+4.7%)、セグメント利益 939百万円(同+4.2%)。

注目ポイント:「移動」を価値に変える独自のビジネスモデルが堅調です。2025年は自治体・鉄道事業者との連携によるスタンプラリーで、15.6億円の経済波及効果を創出しました。ライフログ機能の強化や、大型イベントの実装などプロダクトの磨き込みが進んでおり、大規模トラフィックを捌くエンジニアや、地域を巻き込む企画担当者の重要性が増しています。

注目職種:ゲームプランナー、サーバーサイドエンジニア、地方創生ディレクター

コンテンツ事業

事業内容:通信キャリアを通じた着信メロディやスタンプ素材等の配信サービス運営。

業績推移:売上高 253百万円(前年同期比Δ11.1%)、セグメント利益 188百万円(同Δ12.5%)。

注目ポイント:市場全体の縮小に伴い会員数は緩やかに減少していますが、効率的な運営により安定した利益を確保し続けています。同事業で得たキャッシュをゲーム事業や新規事業の投資へ回す「キャッシュカウ」としての役割を担っています。低コスト・高効率な運用ノウハウを持つ人材が、グループ全体の経営基盤を支えています。

注目職種:Webマーケター、運用ディレクター

その他(Suishow事業)

事業内容:位置情報共有SNS「NauNau」の提供およびメタバースプラットフォームの開発。

業績推移:セグメント損失 6百万円(前年同期は58百万円の損失)。

注目ポイント:前年のブロックチェーン事業撤退により赤字幅が大幅に縮小し、収益化に向けた構造改革が完了しました。現在はSuishow株式会社による次世代SNS事業に特化しています。同社グループの将来を担う新規事業領域として、スピード感のある開発とユーザー獲得戦略が求められる、スタートアップ的な環境での挑戦が可能です。

注目職種:アプリエンジニア(iOS/Android)、新規事業開発

3 今後の見通しと採用の注目点

AI活用による組織変革とスマホ新法への対応が、2026年12月期のさらなる成長ドライバーとなります。
今後の方向性 短期方針

出典:2025年12月期 通期決算説明資料 P.20

2026年12月期の通期連結業績予想は、売上高3,500百万円(前期比2.1%増)、営業利益1,170百万円(同4.3%増)と、継続的な増収増益を見込んでいます。特に注目すべきは、開発工程におけるAIツールの活用検証から一歩踏み出し、高度なAI活用を前提とした組織変革推進プロジェクトをスタートさせた点です。これにより開発リソースを最適化し、新規サービスへのチャレンジを加速させる方針です。

また、スマホ新法(スマホソフトウェア競争促進法)の施行は同社にとって大きな追い風です。アプリ外決済の導入により、ストア側に支払っていた手数料負担が軽減されます。この余力を「ユーザー還元」と「利益率改善」へ柔軟に配分することで、競合優位性を高める計画です。地域創生活動も全国47都道府県への展開を目指しており、「地域創生企業」としての地位確立に向け、非連続な成長を目指すフェーズにあります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は「駅メモ!」という強固な既存IPを持ちながら、スマホ新法やAI活用といった外部環境の変化に極めて機動的に対応しています。単なるゲーム開発にとどまらず、全国の自治体と連携した地域創生への貢献という社会的意義を志望動機に組み込むのが効果的です。また、組織変革プロジェクトに参画し、AIを駆使した次世代の開発体制を自ら構築したいという意欲も高く評価されるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

  • AI活用による組織変革プロジェクトにおいて、現場のエンジニアやクリエイターの評価基準はどのように変化していく予定でしょうか?」
  • 「スマホ新法によるアプリ外課金ショップの開設は、今後のマーケティング戦略やユーザー還元施策にどのようなインパクトを与えると予測されていますか?」
  • 「地域創生事業を全国47都道府県へ展開するにあたり、自治体との折衝において現在最も注力している課題は何でしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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入社数ヶ月で出張も1人でいかせてもらえた

裁量権は高い。入社した途端に、これはどうする?と聞かれる。出張も1人で入社数ヶ月でいかせてもらえた。

(20代後半・管理関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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売上予測が立たないと動き出さない印象

売り上げ予測が数字で建てられないと、動き出さない印象。いいところでもあるのですが、スタートアップIT企業と比べると遅いのかもしれない。

(20代後半・管理関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社モバイルファクトリー 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社モバイルファクトリー 2025年12月期 通期決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。