※本記事は、株式会社モバイルファクトリー の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月13日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
モバイルファクトリーは、モバイルゲーム事業を主軸に、位置情報連動型ゲームの開発・運営を手掛けています。また、着メロなどのコンテンツ事業や、位置情報共有SNS・メタバースプラットフォームの運営に関連するSuishow事業も展開しています。
単体従業員数は75名、連結従業員数も75名です。セグメントはモバイルゲーム事業、コンテンツ事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ジーワンダッシュ(モバイルゲーム・事業)、(連結子会社)Suishow(Suishow事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
モバイルファクトリーは、従業員の働きやすさや成長を重視する企業文化を持つ同社です。多様な働き方を支援する制度や、スキルアップを後押しする取り組みを通じて、従業員が長期的に活躍できる環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着とキャリア形成を支援する環境が整っている傾向にあります。平均勤続年数や平均年齢から、比較的安定した人材構成であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,120,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.5年 |
| 平均年齢 | 34.7歳 |
| 単体従業員数 | 75人 |
| 連結従業員数 | 75人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「わたしたちが創造するモノを通じて世界の人々をハッピーにすること」をミッションに掲げ、人的資本の充実を重要な課題としています。多様なバックグラウンドを持つ人材の採用・育成を積極的に推進し、ダイバーシティによる異なる視点やアイデアの創出を重視しています。
全ての従業員が安心して働け、多様な視点が尊重されるインクルーシブな職場文化の構築に取り組むことで、組織全体のイノベーションと活力の向上を目指しています。具体的には、フルリモートワークを基本とし、フレックスタイム制度や過重労働対策を通じて柔軟な働き方を実現しています。
従業員の健康促進のため、人間ドック・婦人科検診の全額補助や感染症予防策を提供しています。年次ストレスチェックや復職サポートなどメンタルヘルス対策も充実させ、妊娠・育児・介護に対する時短制度や特別休暇を設け、ワークライフバランスの向上に取り組んでいます。
また、従業員の自律的な学びと専門性の高度化を経営の重要課題と位置付けています。業務時間内に自習や社内勉強会を実施できる制度「シェアナレ!」を継続して運用し、書籍購入や外部セミナーへの参加、資格取得に係る費用等を会社が負担することで、能動的なスキル開発を全面的に支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 37.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 99.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 104.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 107.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
モバイルファクトリーは、モバイルゲーム事業とコンテンツ事業を主軸に展開する企業です。ユーザーに感動を与えるコンテンツを提供し、世界の人々をハッピーにすることをミッションとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
モバイルファクトリーグループは、主にモバイルゲーム事業とコンテンツ事業を展開しています。収益は主に有料課金収入で構成されており、ユーザーは基本無料でサービスを利用しつつ、一部アイテムや機能を有料で利用するモデルです。モバイルゲーム事業が最大の収益源であり、コンテンツ事業がこれに続きます。また、Google Inc.とApple Inc.からの売上が全体の大部分を占める傾向にあります。
モバイルゲーム事業
位置情報連動型ゲームの開発及び運営を行っています。主力サービスは「駅奪取PLUS」や「駅メモ!」で、通勤・通学、旅行などの移動を楽しみへと変える体験を提供しています。収益は、主にSNSプラットフォームやアプリマーケットを通じたゲームアプリの有料課金収入から得ています。運営は、同社グループが行っています。前期と比較して売上高は増加しています。
コンテンツ事業
主に着メロなどのサービスを提供しています。自社で直運営する自社モデル形式と、他社の名義で運営するOEMモデル形式があります。収益は、ユーザーが月額利用料を支払うことで、月額利用料の範囲内でサービスを提供する有料課金収入から得ています。運営は、同社グループが行っています。前期と比較して売上高は減少しています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| モバイルゲーム事業 | 30.3億円 | 31.7億円 |
| コンテンツ事業 | 2.9億円 | 2.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
モバイルファクトリーグループの過去5期間の業績を見ると、売上高は継続的に増加傾向にあります。経常利益も同様に増加傾向を示しており、本業の収益性が堅調に推移していることがうかがえます。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当期において前期から減少していますが、これは子会社投資に係る将来減算一時差異の解消見込みの見直しに伴う繰延税金資産の取り崩しが主な要因となっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 29.0億円 | 31.4億円 | 33.7億円 | 33.2億円 | 34.3億円 |
| 経常利益 | 8.5億円 | 8.7億円 | 9.4億円 | 10.6億円 | 11.5億円 |
| 経常利益率 | 29.5% | 27.5% | 27.9% | 31.9% | 33.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.4億円 | 5.6億円 | △1百万円 | 7.0億円 | 4.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 64.69 | 69.70 | △0.12 | 92.20 | 67.66 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
モバイルファクトリーの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から当期にかけて増加しており、組織全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、効率的な事業運営と収益性の維持に貢献していると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 39.5百万円 | 45.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 12.6百万円 | 15.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。これにより、事業の成長フェーズにあることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって特徴づけられています。自己資本比率は77.5%と、プライム市場の非製造業平均と比較して非常に高い水準を維持しており、財務の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)は15.1%であり、プライム市場平均を上回る水準です。手元資金である現金及び預金も31.5億円と厚みがあり、事業運営における安定性がうかがえます。これらの財務状況は、事業の継続性や将来的な成長投資の余力を示すものとなっています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 34.1億円 | 30.8億円 |
| 自己資本比率 | 80.7% | 77.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 21.8% | 15.1% |
| 現金及び預金 | 31.1億円 | 31.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは8.6億円の収入となり、本業で安定的に資金を生み出していることが示されています。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは主に定期預金の純増額により16.2億円の支出となりました。その結果、フリーキャッシュフローは△7.6億円の支出となっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資のフェーズにあることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得と配当金の支払いにより8.1億円の支出となっています。これらの資金の流れは、同社グループが事業で得た資金を将来の成長や株主還元に充てている状況を示しており、事業の継続的な発展と雇用・給与の安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.6億円 | 8.6億円 |
| 投資CF | △29百万円 | △16.2億円 |
| 財務CF | △3.1億円 | △8.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.3億円 | △7.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、事業領域に関連する市場動向が技術革新や新端末、通信インフラ等に大きく左右されるリスクを認識しています。市場の飽和や衰退、法的規制の影響により市場の発展が鈍化した場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、特定の取引先やサービスへの依存度が高いこともリスクとして挙げられています。通信キャリアやソーシャルゲームプラットフォーム、アプリマーケット運営会社への依存度が高く、これらの事業戦略変更や手数料率の変更、契約終了等が生じた場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大を継続するために人材の確保と育成が重要であると認識しています。事業拡大に応じた人材の確保や育成が計画通りに進まない場合、または有能な人材の流出が生じた場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
モバイルファクトリーは、創造を通じて世界の人々をハッピーにすることをミッションに掲げ、持続可能な企業活動と社会貢献を目指しています。多様な人材が活躍できる柔軟な働き方を推進し、イノベーションと生産性向上に取り組む企業風土があります。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
モバイルファクトリーグループのミッションは「わたしたちが創造するモノを通じて世界の人々をハッピーにすること」です。このミッション達成のため、同社グループは経営の透明性確保、企業の社会的責任を果たすことにより企業価値の向上に努めています。
サステナビリティに関する基本方針においても、ステークホルダーと協働し、創造するモノやプロセスを通じてインターネット業界や地域社会への貢献、社会課題の解決、そして「ハッピー」を届けることを目指しています。持続可能な企業活動を推進し、未来を創造するためチャレンジし続ける方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、人的資本の充実を重要な課題と位置づけています。多様なバックグラウンドを持つ人材の採用・育成を積極的に推進し、インクルーシブな職場文化の構築に取り組むことで、ダイバーシティによる異なる視点やアイデアの創出を重視しています。
持続可能な企業活動の基盤として適切な労働慣行を順守し、法令違反ゼロと公正な評価プロセスを徹底しています。フルリモートワークを基本とした「モバワーク」やフレックスタイム制度を導入し、柔軟な働き方を実現しています。
従業員の自律的な学びと専門性の高度化を重視し、業務時間内に自習や社内勉強会を実施できる制度「シェアナレ!」を運用しています。書籍購入や外部セミナー参加、資格取得に係る費用を会社が負担するなど、従業員の能動的なスキル開発を全面的に支援しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業上及び財務上の対処すべき課題として、位置情報連動型ゲームの成長、サービス品質管理力の強化、開発力強化のための人材確保を挙げています。具体的には、ユーザー数の増加と継続利用の促進、コンテンツ制作工程における品質チェックの強化と改善に取り組んでいます。
また、新卒・中途採用の戦略的実施、専門職別勉強会や社外研修支援による人材育成強化を進めています。「モバワーク」導入、福利厚生の充実、業績連動型賞与等を通じて、優秀な人材の確保と維持に努めています。
情報セキュリティ強化、コーポレートガバナンスの充実、AI活用による生産性向上も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
モバイルファクトリーは、権限委譲による迅速な意思決定と業務執行を重視し、経営の公正性、透明性、効率性を高める体制を構築しています。特に、社外取締役が過半数を占める監査等委員会が、客観的かつ中立的な立場から経営監視機能を果たしています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
モバイルファクトリーの株主構成を見ると、代表取締役である宮嶌裕二氏が筆頭株主として大きな割合を占めています。これにより、同氏の経営方針や意思決定が会社の運営に強く反映される資本構成となっています。その他、国内外の金融機関や個人株主が上位に名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 宮嶌 裕二 | 49.74% |
| THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044(常任代理人 みずほ銀行) | 2.65% |
| 村上 貴明 | 2.56% |
| 片岡 夏輝 | 2.42% |
| 末永 和人 | 2.24% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役は宮嶌裕二氏が務めています。社外取締役比率は83.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮嶌 裕二 | 代表取締役 | 1995年ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)入社後、株式会社サイバーエージェントを経て、2001年に有限会社モバイルファクトリーを設立。2003年に株式会社モバイルファクトリーに組織変更し、代表取締役に就任。その後、株式会社ビットファクトリーや株式会社ジーワンダッシュの代表取締役も務め、現職。 |
社外取締役は、成沢理恵氏(京都芸術大学芸術学部キャラクターデザイン学科教授)、山口周氏(コーン・フェリー・ヘイグループ シニア・クライアント・パートナー)、塩澤義介氏(株式会社ジーワンダッシュ 監査役・常勤監査等委員)、伊藤英佑氏(伊藤会計事務所開業・監査等委員)、行方一正氏(株式会社ピーストラベルプロジェクト代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が過半数を占める監査等委員会によって経営監視機能が強化されています。これにより、客観的かつ中立的な立場から業務執行の監督が行われ、経営の健全性が確保される体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
モバイルファクトリーの役員報酬は、株主との価値共有を促進し、持続的な成長と企業価値向上へのインセンティブとなることを基本方針としています。報酬体系は、固定報酬である基本報酬と短期業績連動報酬である役員賞与で構成されており、中長期業績連動報酬の株式報酬については現在検討中です。基本報酬は各取締役の責任や役割に応じて決定され、役員賞与は当期の業績と個々の実績を勘案して決定されます。監査等委員である取締役は基本報酬のみが支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.1百万円 |
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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