0 編集部が注目した重点ポイント
① インバウンド需要を捉え営業利益が前期比84.2%増と大幅成長を遂げる
2025年12月期の連結業績は、訪日外客数が推計で4,268万人と過去最多を更新した歴史的な追い風を受け、売上高・各段階利益ともに前期を大きく上回りました。特に医療アシスタンス事業において、海外大手損害保険会社からの新規受託やインバウンド案件の増加が寄与し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比112.1%増の1億100万円に達しています。
② AIによる業務改革で営業利益率5%への抜本的な収益体質改善へ舵を切る
中期経営計画「EAJ Next Vision 2025-2027」の2年目となる2026年度は、AI導入によるDX化を積極的に推進します。定型業務の自動化によりオペレーションを効率化し、2.6%に留まっている営業利益率を5%(2億円)まで引き上げる計画です。生産性向上によって創出したリソースを、高付加価値な「ヒューマンタッチ」のサービスへ集中させる戦略を鮮明にしています。
③ 医療ツーリズムを拡大し高収益な滞在型プログラムの開発を加速させる
成長分野であるインバウンド事業において、単なる医療手配から「医療×観光」を融合した高付加価値モデルへの転換を図ります。アジア圏の富裕層や中間層をターゲットに、未病ヘルスケアやアンチエイジングなどのウェルネス領域へ進出し、滞在型プログラムを開発。高度医療・専門治療のコーディネート機能を強化することで、飛躍的成長を目指す「積極拡大フェーズ」に移行します。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.2
売上高
3,714百万円
+27.7%
営業利益
96百万円
+84.2%
経常利益
103百万円
+62.4%
当期純利益
101百万円
+112.1%
当連結会計年度の業績は、主力事業が軒並み好調に推移し、大幅な増収増益となりました。海外大手損害保険会社からのアシスタンス業務受託が売上を大きく押し上げたほか、厚生労働省からの「EMIS(広域災害・救急医療情報システム)」サービス事業の継続受託が安定した収益基盤として寄与しています。
通期実績は、期初予想を上回るペースで着地しており、特に下期にかけてのインバウンド需要の加速が利益面を大きく牽引しました。自己資本比率も48.7%まで向上しており、次なる成長投資に向けた財務基盤も着実に強化されています。
通期計画に対する進捗状況の評価は、当初の売上予想3,435百万円に対し実績が3,714百万円と大きく超過しており、業績は極めて順調に推移したと言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.7
医療アシスタンス事業
【事業内容】
海外旅行保険加入者への医療支援、企業・大学向けの危機管理、訪日外国人向け医療コーディネート(医療ツーリズム)等を提供。
【業績推移】
売上高 3,230百万円(前期比+31.4%)、セグメント利益 516百万円(同+17.7%)。
【注目ポイント】
訪日外客数の急増や、既存顧客である欧州系保険会社とのリレーション強化により、案件数が大幅に底上げされました。また、厚生労働省からのEMISサービス継続受託も増収に大きく貢献。今後は、アジア市場(韓国・台湾・タイ)の好調を背景に、単なる「医療手配」から「滞在型ウェルネスプログラム」へと領域を拡大しており、専門性の高いコーディネーターへの需要が急増しています。
ライフアシスタンス事業
【事業内容】
ハイエンドクレジットカード会員向けに、レストラン予約やイベントチケット手配等の海外コンシェルジュサービスを受託。
【業績推移】
売上高 484百万円(前期比+7.7%)、セグメント利益 114百万円(同+13.3%)。
【注目ポイント】
既存取引先での会員数増加や、戦略的な契約見直し(価格交渉)により、増収増益を確保しました。このセグメントはAI導入によるDX化の「先行導入」を予定しており、定型業務をAIが、複雑な要望をコンシェルジュが担う「ハイブリッド型サービス」への移行が進んでいます。効率化によって高収益体質を目指すフェーズにあり、デジタル時代に即した顧客体験の設計が急務となっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.20
2026年度は、売上高4,000百万円、営業利益200百万円(前期比108.1%増)という野心的な目標を掲げています。戦略の主軸は「AI-DX × オペレーション」の融合です。新たな顧客用アプリを導入し、アクセス性と利便性を飛躍的に向上させることで、デジタルネイティブ世代の顧客層を確実に取り込む方針です。
特に注目すべきは、訪日外国人向け緊急対応型医療アシスタンス事業の「積極拡大フェーズ」への移行です。2024年からの不採算・高リスク案件の整理を終え、新規の海外損害保険会社等の開拓を積極的に推進します。ROE(自己資本当期純利益率)も9.0%の達成を追求し、資本収益性の向上と事業成長を両立させる「筋肉質な組織」への転換が、求職者にとっても大きな魅力となるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
「歴史的なインバウンド需要の増加という追い風の中、単なる手配業務から『医療×観光』の高付加価値モデルへの転換に挑戦したい」という視点が有効です。また、同社が推進する生成AIによる業務改革に触れ、テクノロジーを駆使して「ヒューマンタッチ」の価値を最大化させる姿勢に共感を示すと、経営戦略に合致した志望動機になります。
・「インバウンド事業が積極拡大フェーズに移行する中で、既存のコーディネート業務にはどのような『質的な変化』が求められていますか?」
・「生成AIの導入によって定型業務が削減された際、現場のスタッフにはどのような高度なスキル開発を期待されていますか?」
・「医療ツーリズムにおける滞在型プログラム開発において、外部パートナー(自治体や観光業者)との連携で重視しているポイントは何でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
やりがいとは程遠い環境
やりがいとは程遠い環境ですし、給与面も満足がいくものではありませんでしたが、プライベートを充実させたタイプの人には合っているのではないかと思われます。
(30代前半・財務・会計関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日本エマージェンシーアシスタンス株式会社 2025年12月期 決算説明資料(2026年2月12日発表)
- 日本エマージェンシーアシスタンス株式会社 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月12日発表)



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