0 編集部が注目した重点ポイント
① 受注高・売上高が過去最高を更新する
2025年12月期は、大規模な海洋環境調査やAUV(自律型無人潜水機)の設計製作・運用支援業務が牽引し、受注高・売上高ともに過去最高を更新しました。特に「環境」と「建設」の双方に強みを持つ唯一無二のポジショニングが、国土強靱化や再生可能エネルギー需要を確実に捉えています。
② 第6次中期経営計画でDX推進を加速させる
2025年からスタートした新中期経営計画では「DX推進と共創」をスローガンに掲げています。AIを活用したダム管理システムや水中ロボティクスなど、先端技術によるビジネスモデルの変革に注力しており、ITリテラシーの高い技術者にとって活躍のフィールドが大きく広がっています。
③ 人的資本投資を拡大し技術者の待遇を高める
利益面では先行投資により微減となったものの、その主因は給与水準の引き上げや人財育成などの人的資本投資です。3年間で400名のDX人財育成を目指すなど、社員の専門性を高めながら長期的なキャリア形成を支援する姿勢が鮮明になっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明会 P.12
2025年12月期の連結業績は、再生可能エネルギー関連の環境アセスメントやAUVの設計製作業務が好調に推移し、増収を確保しました。営業利益が微減となったのは、将来の事業拡大を見据えた人的資本投資(ベースアップ等)およびDX推進投資を積極的に実施した結果であり、経営基盤の強化を優先した格好です。財務面では、自己資本比率が81.2%まで上昇しており、極めて強固な安定性を誇っています。
期初予想に対する進捗状況については、売上高・各利益項目ともに公表数値を達成しており、業績は堅調に推移していると評価できます。受注残高も積み上がっており、次期以降の成長に向けた確度の高い推移を見せています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明会 P.13
環境コンサルタント事業
事業内容: 国内トップシェアを誇る環境アセスメント、海洋環境調査、生物多様性保全、AUVの設計製作・運用支援などを展開。
業績推移: 売上高は前年同期比1.5%増の159億6千万円。洋上風力発電などの再生可能エネルギー分野が大きく寄与しています。
注目ポイント: AUV「YOUZAN」を用いた海底画像マッピングや環境DNA解析など、最先端の科学技術を実務に落とし込む力が求められています。環境と産業の共生を目指す大型プロジェクトに携わるチャンスが豊富です。
建設コンサルタント事業
事業内容: 河川、砂防、道路、橋梁などのインフラ施設の計画・設計および維持管理。防災・減災施策が中心。
業績推移: 売上高は前年同期比0.2%減の73億1千5百万円。外注費の抑制により、セグメント利益は2.6%の増益を確保しました。
注目ポイント: 国土強靱化計画に伴い、事後保全から「予防保全」への転換が進んでいます。ドローンや自社開発の水陸両用ロボットを活用したインフラ点検など、従来手法に囚われない新しい技術導入が加速しています。
情報システム事業
事業内容: AIを活用したダム管理支援システムや、カメラ画像解析によるリアルタイム流量観測システムの構築。
業績推移: 売上高は前年同期比8.6%増の6億5千1百万円。セグメント利益も11.0%増と高い伸びを示しています。
注目ポイント: デジタルツインやAIモデルなど、防災×ITの融合が急務となっています。受託開発にとどまらず、自社技術のクラウドサービス展開など、プロダクト開発の視点を持つIT人財へのニーズが非常に高いです。
海外事業
事業内容: 開発途上国での廃棄物管理、海洋温度差発電(OTEC)に係る調査、気候変動対策などのコンサルティング。
業績推移: 売上高は前年同期比11.1%増の5億5千8百万円。一方で人財投資等により、7百万円のセグメント損失となりました。
注目ポイント: 世界的な脱炭素・ネイチャーポジティブの流れを受け、日本の高度な環境技術を世界へ展開しています。地球規模の課題解決に挑みたい技術者にとって、希少なキャリアを積める環境です。
不動産事業
事業内容: 赤坂のオフィスビルや旧支社跡地などの賃貸管理。
業績推移: 売上高は13.1%減の2億1千2百万円。一部物件を自社利用に切り替えたことが減収要因です。
注目ポイント: 安定した収益基盤としてグループを支えています。自社オフィス環境の向上にも活用されており、ウェルビーイング向上の一翼を担っています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明会 P.18
2026年12月期の業績予想は、売上高257億円(前期比4.4%増)、営業利益34億円(同6.7%増)と、増収増益を見込んでいます。政府の第1次国土強靱化実施中期計画に基づき、公共事業予算が安定的に確保されていることに加え、PFAS(有機フッ素化合物)の調査・分析ニーズの急増、脱炭素社会に向けた洋上風力発電の環境アセスメント業務など、同社の強みが活きる分野での需要が非常に旺盛です。
採用面での最大の注目点は、「3年間で400名のDX人財育成」という目標です。既存の技術者にデジタルスキルを習得させるだけでなく、ITバックグラウンドを持つ層を積極的に取り込み、建設・環境のドメイン知識と掛け合わせることで、イノベーションを創出しようとしています。また、PBR1倍超えを目指した資本政策の一環として、配当性向を35%~40%へ引き上げる方針を打ち出しており、株主・社員双方への還元意欲が高まっている点も求職者にとって大きな魅力です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は「環境」と「建設」を兼ね備えた唯一無二の存在です。単なる土木設計ではなく、「生物多様性や脱炭素の視点を盛り込んだインフラ整備」というストーリーを志望動機に組み込むと、経営ビジョンと強く共鳴します。また、AUVやAIなどの新技術に積極的なため、「アナログな業界をデジタルで変革したい」という意欲も高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
「第6次中期経営計画で掲げている400名のDX人財育成において、私の持つIT/解析スキルは具体的にどの事業部門のどのような課題解決に最も期待されていますか?」や、「海洋環境調査トップ企業として、今後AUVの自社製作・外販をどの程度のスピード感で進めていく計画ですか?」など、戦略の深掘りをする質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- いであ株式会社 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- いであ株式会社 2025年12月期 決算説明会資料



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