0 編集部が注目した重点ポイント
① IDDビジネスの本格始動で収益基盤を強化する
2025年度より、抗体創薬の知見を活かしたプラットフォーム型ビジネスであるIDDビジネス(統合型抗体創薬支援)を新たに立ち上げ、収益を伴う取引を開始しました。製薬企業やバイオベンチャーの課題解決を支援するコンサルティング機能も強化しており、創薬支援事業内でのキャリア機会が大きく拡大しています。
② 旭化成ファーマとの大型ライセンス契約を締結する
2024年11月にプロジェクト「PFKR」について、旭化成ファーマとの間で独占的ライセンス契約を締結しました。これにより、将来的な開発進捗に応じたマイルストン(段階的達成報奨金)として最大約248億円を受領する権利を確保しており、中長期的な財務基盤の安定に大きく寄与する見込みです。
③ バイオシミラー合弁会社の設立で事業領域を広げる
アルフレッサ ホールディングス、キッズウェル・バイオ等と共同で、バイオシミラー(バイオ医薬品の後続品)の国内製造を担う合弁会社「Alfenax Biologics」の設立契約を締結しました。創薬だけでなく、製造支援まで一貫したバリューチェーンの構築に参画できる、新たな専門職の活躍の場が生まれています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算補足資料 P.4
2025年12月期の売上高は5億9,300万円となり、前年同期比で1億8,700万円の減少となりました。これは主に、前年度に計上された大型ライセンス契約の一時金収入の反動によるものです。一方で、営業損失は9億7,900万円となり、前年度から約5,100万円の赤字幅縮小を実現しました。臨床開発費用の精査や研究開発プロセスの効率化により、研究開発費を前期比1億6,000万円削減できたことが、損益改善の大きな要因となっています。
通期の業績進捗については、創薬支援事業が堅調に推移し、営業損失等の各利益項目も前年を上回る改善を見せていることから、概ね順調な着地と言えます。期末の現金及び現金同等物は12億500万円を確保しており、今後の臨床開発を継続するための財務健全性を維持しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算補足資料 P.25
創薬事業
事業内容:独自の抗体作製技術を用い、がん等の疾患に対する治療用抗体の自社開発・共同開発を行い、製薬企業へのライセンス供与を目指す事業。
業績推移:セグメント損失は7億7,600万円。前年のライセンス一時金収入の反動があるものの、研究費の圧縮により赤字幅は改善しています。
注目ポイント:がん治療用抗体「CBA-1205」および「CBA-1535」の臨床第1相試験が着実に進行中です。特にCBA-1205では小児がん患者を対象としたパート追加も決定し、適応拡大を図っています。臨床開発の最前線で、プロジェクトマネジメントや臨床実務の専門性を発揮できる機会が豊富です。
創薬支援事業
事業内容:製薬企業等に対し、ADLib®システムを活用した抗体作製やタンパク質調製等の受託研究、およびIDDビジネスによる課題解決支援を提供。
業績推移:売上高は5億9,300万円で前年比2.6%増。セグメント利益率は59.9%と、目標の50%を大きく上回る高収益を維持しています。
注目ポイント:安定収益源である受託サービスに加え、新設された「IDDビジネス」が成長の柱となっています。バイオベンチャーのシーズ評価やコンサルティングなど、サービス範囲が広がっており、顧客の創薬ニーズを技術的に支援する「技術営業」や「研究支援」の重要性が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算補足資料 P.13
2026年度は、主力パイプライン「CBA-1205」および「CBA-1535」の臨床第1相試験の終了を目指し、導出に向けた有効性データの取得に注力します。特に、複数の癌種での薬効確認ができれば、契約条件を有利に進めることができるため、臨床開発の実務能力が問われる局面となります。
また、新たな成長エンジンとして期待されるのが「バイオシミラービジネス」です。2025年度に採択された厚生労働省の助成事業を追い風に、台湾のMycenax社等との協働による国内製造施設の設立準備が本格化します。創薬支援事業においては、2026年12月期の売上高として6億円を見込んでおり、既存顧客への深耕とIDDビジネスの拡大により、安定成長を継続する方針です。技術とビジネスの両輪を理解する人材にとって、事業の立ち上げから成長フェーズまでを経験できる貴重なタイミングとなっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は、独自の抗体技術プラットフォームを持ちながら、自社開発パイプラインも推進する「ハイブリッド型」のバイオベンチャーです。特に「IDDビジネス」の立ち上げや、バイオシミラー製造合弁会社への参画など、ビジネスの多角化が進んでいます。単なる研究職に留まらず、自分の技術がどのように事業化され、パートナー企業の課題を解決するのかという「事業貢献への意欲」を軸に志望動機を構築すると、高い評価に繋がるでしょう。
面接での逆質問例
1. IDDビジネスが本格始動していますが、現在どのような専門性(評価技術やコンサルティング能力など)を持つ人材が組織に不足していますか?
2. アルフレッサ社等とのバイオシミラー合弁会社設立において、技術職が担う「技術移管」や「製造管理」における具体的な役割について教えてください。
3. 自社パイプラインの臨床第1相試験が終了に近づいていますが、導出後の開発フォローや次世代シーズの探索において、どのようなプロジェクトに関われる可能性がありますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
やりがいを持って研究開発に取り組める
抗体開発の部門は裁量労働制のもと実験内容、作業時間について社員本人に裁量が与えられていて、やりがいを持って研究開発に取り組んでいる。
(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]アイデアを現場に反映させることは困難
受託ゆえに作業方法が決められているため、アイデアや経験を現場に反映させることはほとんどできない。タンパク生産の事業については、ひたすら受託をこなすだけでやりがいを見出すことはむずかしいと感じた。
(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社カイオム・バイオサイエンス 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
- 株式会社カイオム・バイオサイエンス 2025年12月期 決算補足資料



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