【平均年収768万円】カイオム・バイオサイエンス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収768万円】カイオム・バイオサイエンス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

カイオム・バイオサイエンスは、医療のアンメットニーズに応える抗体創薬と創薬支援を手がけています。独自の抗体作製技術を強みとし、抗体医薬品候補の研究開発やサービスを提供しています。直近の業績は売上高が減少しましたが、損失幅は縮小しました。


目次

※本記事は、株式会社カイオム・バイオサイエンス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


カイオム・バイオサイエンスは、医療のアンメットニーズに応える抗体創薬と創薬支援を事業の基本としています。独自の抗体作製技術を活用し、治療薬や診断薬などの抗体医薬品候補の研究開発に取り組んでいます。

単体従業員数は49名です。セグメントは創薬事業、創薬支援事業の2つです。

カイオム・バイオサイエンスは、独自の抗体作製技術(ADLib®システム、Tribody®、DoppeLib™)や創薬力を用いて、治療薬や診断薬等の抗体医薬品候補の研究開発を行っています。また、製薬企業や診断薬企業、アカデミア等の研究機関に対し、抗体作製サービスやタンパク質の発現・精製サービスを提供しています。

同社は、当事業年度にIDDビジネスを新たに立ち上げ、抗体創薬における技術力やノウハウを生かしたプラットフォーム機能を提供しています。また、バイオシミラー医薬品の国内製造施設設立に向けた活動や、旭化成ファーマとのライセンス契約締結など、事業展開を加速させています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


カイオム・バイオサイエンスは、医療のアンメットニーズに応える抗体医薬の創出を目指すバイオサイエンス企業です。専門性の高い研究開発を推進する環境で、従業員の働きがいやキャリア形成を重視した制度が整備されています。同社での働き方や報酬制度について詳しく見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


カイオム・バイオサイエンスでは、従業員の平均年齢が40代半ばであり、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、専門性の高い分野でキャリアを築きながら、長期的に貢献できる環境が整っていることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 7,676,000円
平均勤続年数 6.3年
平均年齢 45.8歳
単体従業員数 49人


なお、退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


カイオム・バイオサイエンスは、高度な専門的知識、技能、経験を持つ人材の確保と育成を経営戦略の源泉と位置づけています。成長戦略に沿った人員計画と採用活動を推進し、優秀な人材を確保するための人事施策を継続的に見直しています。具体的には、評価制度の整備を通じて、従業員の能力開発とキャリア形成を支援しています。

また、人材のモチベーション向上と流出防止のため、ストック・オプション制度や譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。これにより、従業員が長期的な視点で会社の成長に貢献できるような報酬体系を構築し、専門性の高い人材が安心して働ける環境を提供しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体のデータを示します。男性育児休業取得率、男女賃金差異(全労働者)、男女賃金差異(非正規雇用)は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
女性管理職比率 30.0%
男女の賃金差異(正規労働者) 84.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


カイオム・バイオサイエンスは、独自の抗体作製技術を基盤に、医療分野の未充足ニーズに応える抗体医薬品の研究開発と、製薬企業や研究機関への創薬研究支援の二つの事業を展開しています。同社は、アンメットニーズの高い疾患領域に対する抗体創薬と創薬支援を事業の基本としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


カイオム・バイオサイエンスは、独自の抗体作製技術(ADLib®システム、Tribody®、DoppeLib™)や創薬力を用いて、治療薬や診断薬等の抗体医薬品候補を研究開発する「創薬事業」と、製薬企業や診断薬企業、アカデミア等の研究機関で実施される創薬研究を支援する「創薬支援事業」を展開しています。

創薬事業

この事業では、抗体医薬品の基礎・探索研究から前臨床段階、および一部の初期臨床開発段階を主な事業領域としています。アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬研究を行い、医薬候補品を製薬企業等に導出しています。収益は、契約一時金、マイルストーン、ロイヤルティ、共同開発等に係る収入から得ています。

創薬支援事業

この事業は、製薬企業や診断薬企業、大学等の研究機関の創薬研究を支援しています。抗体などのタンパク質の発現・精製サービス、同社が保有する抗体作製技術を用いた抗体作製サービス、ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務などを提供しています。収益は、受託サービス料等のサービス料から得ており、同社の安定的な収益確保に資する事業となっています。また、当事業年度に新たに立ち上げたIDDビジネスにかかる収益も創薬支援事業に含めています。



同社の売上高は、特定の顧客に集中する傾向が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


カイオム・バイオサイエンスの直近の業績は、売上高が前期から減少する傾向にあります。これは、前期に創薬事業で計上されたライセンス契約に伴う一時金が当期にはなかったことが主な要因です。

一方で、営業損失、経常損失、当期純損失はいずれも前期から赤字幅が縮小しています。これは、主に臨床開発関連費用の計上額が減少したことによるものです。同社の事業は研究開発への先行投資が必要な性質があり、営業活動によるキャッシュ・フローは支出が続いています。しかし、創薬支援事業の拡大や新たなIDDビジネスの推進、助成金獲得や資金調達により、資金の流動性を確保しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社カイオム・バイオサイエンスは、研究開発型ベンチャー企業として、将来の成長に向けた投資を継続しています。本業での損失が続いており、財務基盤の強化が課題となっています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤に関する詳細な数値は開示されていませんが、現金及び預金等の残高は当期で12億5百万円となっています。前期と比較すると減少しており、資金の流動性には注意が必要です。研究開発型ベンチャー企業であるため、先行投資が継続的に行われています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
現金及び預金等 20億63百万円 12億5百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社の当期のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは9億36百万円の支出となりました。これは主に税引前当期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローも55百万円の支出となっており、主に有形固定資産の取得によるものです。

その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは9億91百万円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは1億33百万円の収入であり、主に新株予約権の行使による株式の発行によるものです。同社は研究開発型ベンチャー企業であり、研究開発のための先行投資が継続的に行われている状況です。この資金の流れは、将来の成長に向けた投資を優先していることを示しており、雇用や給与の安定性には、今後の事業計画の進展と収益化が重要となります。

項目 2025年12月期(当期)
営業CF △9億36百万円
投資CF △55百万円
財務CF 1億33百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △9億91百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は特定の取引先に依存するリスクを認識しています。中外製薬グループや小野薬品工業株式会社との取引割合が高く、これらの企業の経営方針変更や契約条件変更、契約解除が生じた場合、事業に影響を及ぼす可能性があります。

また、抗体医薬品市場の成長性に関するリスクも挙げています。抗体医薬品市場は安定的に成長すると見込んでいますが、競合や再生医療・遺伝子治療の普及により想定通りに市場が拡大しない場合、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は特定の人物への依存に関するリスクを認識しています。現在の経営陣や事業を推進する各部門の責任者、構成員に事業活動が強く依存しており、優秀な人材の確保や育成が計画通りに進まない場合、財政状態および経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


カイオム・バイオサイエンスは、医療のアンメットニーズに応える革新的な抗体医薬品の創出を通じて、人類の健康に貢献することを目指している会社です。独自の技術と知識を活かし、新たな治療薬の創出に注力しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は創業以来、独自の抗体作製技術であるADLib®システムの技術開発と抗体医薬品の創製に向けた研究開発を進めています。アンメットニーズの高い疾患に対する抗体創薬の新規創製を推進し、画期的な新薬の初期臨床開発に取り組んでいます。

また、製薬企業等のパートナー企業の様々な研究開発ニーズに対して、同社の知識経験と技術に基づく解決法を提供しています。有効な治療法がない重篤な疾患や治療満足度が低い疾患を中心に、「医療のアンメットニーズに創薬の光を」あてる研究開発を強く推進し、人類の健康に貢献することを基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、医療のアンメットニーズに対する抗体医薬を創出することで、患者さんと社会に貢献することを経営理念に掲げています。自社の技術力や創薬力から構成される創薬プラットフォームを最大限に活用し、創薬研究・臨床開発を推進しています。

また、高度な専門的知識、技能及び経験を有する人材の確保と育成を不可欠と考えています。成長戦略に沿った人員計画や採用活動、評価制度の整備を通じて、優秀な人材を確保するための人事施策に取り組んでいます。働きやすさの面では、フレックスタイム制度を取り入れるなど、社員がワークライフバランスを実現しやすい就業環境の整備を進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、抗体作製力の維持向上とパイプライン拡充を重要な課題として認識しています。創薬パイプラインを拡充することで、開発中止等によって生じる経営上の様々なリスクを分散することを目指しています。

また、初期臨床開発の着実な遂行にも注力しており、自社での初期臨床開発を通じて導出時の収益性向上と承認取得の可能性を高めることを重視しています。さらに、創薬支援事業およびIDD(Integrated Drug Discovery)ビジネスの推進に対応した人材及び研究設備の確保も課題としています。顧客ニーズを的確に把握し、質の高い研究開発支援を進めるため、優秀な人材の確保、社内人材の育成、研究環境の確保に継続的に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


カイオム・バイオサイエンスは、2025年3月28日開催の定時株主総会で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。取締役会は取締役7名(うち社外取締役4名)で構成され、経営に関する重要事項の判断・意思決定と業務執行の監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


カイオム・バイオサイエンスの株主構成を見ると、筆頭株主は個人である渡邊賢二氏です。上位株主には複数の個人株主が名を連ねており、特定の事業会社や機関投資家が突出して高い比率を占める状況ではありません。

株主名 持株比率
渡邊 賢二 3.14%
太田 邦史 1.40%
江平 文茂 1.39%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小池正道氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
小池 正道 代表取締役 社長 協和発酵工業(現 協和キリン)入社後、BioWa,Inc. President and CEO、Kyowa Hakko Kirin Pharma, Inc. Presidentなどを歴任し、2025年3月より同社代表取締役社長。
美女平 在彦 取締役 副社長 ㈱産業育成研究所、ファイザー㈱、大鵬薬品㈱を経て、2013年1月同社入社。2026年3月より同社取締役副社長。
田岡 照世 取締役 開発本部長 日本ルセル㈱、協和発酵工業(現 協和キリン)を経て、2018年9月同社入社。2023年3月より同社取締役開発本部長。


社外取締役は、河合弘行氏(元協和キリン代表取締役副社長執行役員)、降矢朗行氏(元第一三共取締役・元ペルセウスプロテオミクス代表取締役社長・監査等委員)、山川善之氏(響きパートナーズ代表取締役社長・監査等委員)、坂本二朗氏(元協和キリン執行役員総務部長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役1名と監査等委員である社外取締役3名を選任しています。これにより、社外からの経営監視を可能とする体制作りを推進しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


カイオム・バイオサイエンスの取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬と長期インセンティブとなる譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役及び監査等委員である社外取締役の報酬は固定報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 89百万円 22.3百万円
社外役員 5名 16百万円 3.2百万円


なお、社外役員の報酬には、監査等委員会設置会社移行前の社外取締役及び社外監査役の報酬が含まれております。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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