情報戦略テクノロジーの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

情報戦略テクノロジーの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

情報戦略テクノロジーの2025年12月期決算は、売上高80億円、営業利益5.5億円と大幅な増収増益で着地。初の連結決算ながら予想を大きく上回る成長を見せました。「なぜ今同社なのか?」「転職希望者が0次DXの枠組みでどのような役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

エー・ケー・プラスの買収で連結決算へ移行する

2025年2月に株式会社エー・ケー・プラスの株式を取得し、第1四半期より連結決算を開始しました。この構造的変化により、同社が強みを持つインフラ領域やクラウド基盤(AWS等)の構築・運用をグループ内に取り込み、「0次DX」の提供範囲を大幅に拡大させています。インフラエンジニアとしてのキャリア機会も新たに創出されています。

大手企業の新規受注数が通期で31社と過去最高を更新する

主力の「0次システム開発」において、既存顧客の深耕に加え、新規顧客受注数が前年比2倍以上の31社に達しました。売上の約8割が売上高1,000億円以上のエンタープライズ企業で構成されており、安定した顧客基盤を背景にエンジニアが上流工程(0次)から参画できるプロジェクトが急増しています。

自社エンジニア数が339名へ拡大し戦力化が進む

新卒・中途採用およびM&Aにより、エンジニア数は前年度末の253名から339名へと大幅に増加しました。特に2023年以降の新卒社員の離職率が極めて低く、高い定着率を維持しながら戦力化が進んでいる点は、教育体制の充実を示すポジティブな指標と言えます。

1 連結業績ハイライト

初の連結決算ながら業績予想を大幅に上振れ。売上高・利益ともに過去最高の成長軌道を維持しています。
2025年12月期 損益計算書 通期達成率

出典:2025年12月期 通期 決算説明資料 P.9

売上高

8,019百万円

(予想比 +107.4%)

営業利益

553百万円

(予想比 +128.6%)

当期純利益

304百万円

(予想比 +115.8%)

2025年12月期は、主力の「大手企業向け内製支援サービス」が牽引し、売上高は前年(単体ベース)比で+37.1%の大幅増収を達成しました。営業利益についても、M&A関連費用やエンジニア採用への積極投資を継続しながらも、増収効果により利益率6.9%を確保し、過去最高の増益着地となっています。 通期業績予想に対する達成率は、売上高が107.4%、営業利益が128.6%に達しており、期中に行った上方修正計画をも大きく上回る極めて順調な進捗を見せました。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

「0次DX」を掲げる単一セグメント(DX関連事業)ながら、内製支援の提供形態を多角化。プロジェクトリーダーや専門エンジニアの需要が急増しています。
0次システム開発のビジネスモデル

出典:2025年12月期 通期 決算説明資料 P.23

0次システム開発・ラボ型内製支援

【事業内容】大手企業のDX担当者と「1チーム」になり、企画・提案段階から協働する内製支援サービス。受託開発の枠を超え、顧客主導の開発を支援します。

【業績推移】ラボ型(体制共有型)の売上が好調に推移し、第4四半期には四半期ベースで5億円を突破。継続率約95%の安定した収益基盤を形成しています。

【注目ポイント】エンジニア単価の向上が顕著で、新卒を除く平均月単価は117万円に達しています。顧客と直接対話する「0次」の立ち位置ゆえに、技術選定からアーキテクト設計まで裁量が大きく、単なる製造要員ではない「コンサルティング型エンジニア」としてのスキルアップが可能です。AI関連案件も急増しています。

注目職種:プロジェクトマネージャー(PM)、プロジェクトリーダー(PL)、ITコンサルタント、フルスタックエンジニア

インフラDX・クラウドSI(旧エー・ケー・プラス事業)

【事業内容】(注:2025年2月より新規連結)AWSを中心としたクラウド基盤の構築、運用保守アウトソーシング。金融・官公庁向けの実績に強みを持ちます。

【業績推移】2025年12月期は売上高10.5億円、営業利益7,500万円超を達成。PMI(買収後の統合プロセス)が順調に進み、グループ間シナジーが発現しています。

【注目ポイント】従来の上流工程支援に加え、「インフラ領域の0次DX」が加速しています。Google Cloudパートナーとしての受賞実績もあり、マルチクラウド環境での設計・運用ノウハウが蓄積されています。最新のクラウド技術を武器に、大手企業の基幹インフラ刷新に携わるチャンスが豊富です。

注目職種:クラウドアーキテクト(AWS/Azure/GCP)、SRE、インフラエンジニア、セキュリティスペシャリスト

プラットフォームサービス(WhiteBox)

【事業内容】エンジニアを抱えるパートナー企業と1次請け企業をマッチングする、業界特化型のオープンプラットフォームサービスを提供しています。

【業績推移】総会員数は3,188社(前年末比+435社)へ増加。2025年1月の分社化後、初年度から黒字化を達成するなど収益化が加速しています。

【注目ポイント】多重下請け構造という「業界の負」を解決するプロダクト開発に携われます。34,000人超のエンジニア情報を基にした「Talent Sync」など新規サービスのリリースも続いており、大規模なB2Bプラットフォームのプロダクトマネジメントを経験できる稀有な環境です。

注目職種:プロダクトマネージャー、バックエンドエンジニア、データサイエンティスト、UXデザイナー

3 今後の見通しと採用の注目点

2026年12月期は売上高100億円の大台を突破する計画。AI駆動開発と生成AIパッケージ展開が次なる成長の鍵となります。
2026年12月期 連結業績予想

出典:2025年12月期 通期 決算説明資料 P.20

2026年12月期は、売上高10,702百万円(前期比+33.5%)、営業利益757百万円(同+37.0%)と、引き続き極めて高い成長を計画しています。既存事業の拡充に加え、AI、セキュリティ、データサイエンスの領域への投資を加速させる方針です。 戦略面では、特定のプロダクトを売るのではなく、顧客ニーズからサービスを開発する「DXの総合商社」への進化を掲げています。生成AIの社会実装に向けた「生成AIパスポート」の導入やシニアパートナー認定など、社内のAIリテラシー向上にも注力しており、先端技術を実業務に落とし込めるエンジニアの確保が最優先事項となっています。また、今後も相乗効果が見込める企業のグループイン(M&A)を積極的に進める意向を示しています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社の最大の特徴は、システム開発の「多重下請け構造」をなくし、顧客と対等な立場で協働する「0次DX」という哲学です。「言われたものを作るだけの二次請け・三次請けから脱却したい」「ビジネスの成果に直結するシステムを自ら提案したい」という想いは、同社の理念と強く合致します。また、売上の8割を占める大手エンタープライズ企業の複雑な課題に、自社雇用のエンジニア集団として挑む姿勢に触れると、より説得力が増すでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

  • 「0次DX」を推進する上で、エンジニアに求められる「提案力」や「コンサルティングスキル」を磨くための具体的なトレーニングやフィードバック体制はどのようなものがありますか?
  • 今後注力される「AI・セキュリティ・データサイエンス」の領域において、既存の0次システム開発とどのようにシナジーを生み出していく計画ですか?
  • エー・ケー・プラス社との統合により、インフラエンジニアがアプリ開発チームと連携して0次提案を行うような、横断的なキャリア形成の機会はありますか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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ワークライフバランスがとても調整しやすい

エンジニア職については、ワークライフバランスがとても調整しやすいと思う。直接取引にこだわることで、最上流工程からPJをコントロールしているため、繁忙の時は担当営業に伝え、ユーザ様と交渉をしてくれるので、過重労働になることがない。また、大手企業とのみの付き合いのため、休日等も確実に取得できている。

(30代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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受動的な人間にとっては窮屈に感じる

能動的に考え、動ける人間にとっては、最高の環境が用意されていると感じる。しかしながら、受動的な人間にとっては、窮屈に感じる可能性がある。

(30代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2025年12月期 通期 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。