※本記事は、株式会社情報戦略テクノロジー の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
情報戦略テクノロジーは、DX関連事業を展開する「DXの総合商社」です。システム開発における多重下請け構造やエンジニアの使い捨てといった課題をなくし、「0次DX」を通じて顧客のDX実現を支援しています。
単体従業員数は339名、連結従業員数は406名です。同社グループはDX関連事業の単一セグメントで事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、エー・ケー・プラス.2、WhiteBoxなどです。
情報戦略テクノロジーグループは、2025年2月に株式会社エー・ケー・プラスの株式を取得し、連結子会社化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
情報戦略テクノロジーは、DX関連事業を単一セグメントとして展開する企業です。従業員の平均年齢が比較的若く、勤続年数も平均的な水準であることから、活気のある職場環境がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
情報戦略テクノロジーの従業員は比較的若年層が中心であり、平均勤続年数も平均的な水準となっています。これは、新しい技術や変化に柔軟に対応する人材が活躍しやすい環境であることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,404,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.4年 |
| 平均年齢 | 32.3歳 |
| 単体従業員数 | 339人 |
| 連結従業員数 | 406人 |
| 単体のグループ内比率 | 83.5% |
同社は、社員の退職給付に充てるため、勤務期間に基づいた一時金または年金を支給しています。採用している退職給付制度は確定給付型と確定拠出型です。
この制度は国内の従業員に適用されます。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、企業活動の源泉は従業員にあるという基本方針のもと、人材に対して積極的な投資を行っています。従業員の成長を中長期的に支援するため、各種研修の充実を図っています。
職種ごとに必要な知識やスキル、コンプライアンスやマネジメント等を学ぶ研修をオンライン・オフライン双方で実施し、従業員が安心して働き続けられる人事施策を取り入れています。また、従業員が安心して働ける環境を提供することが、パフォーマンスとモチベーションを最大化するために重要であると考えています。
多様な視点や考え方を取り入れるため、雇用や処遇にあたっては人種、性別、年齢、障害、国籍などの属性に関係なく、差別やハラスメント等を受けずに活躍できる環境を提供できるよう努めています。柔軟な働き方の導入も進めており、リモートワークを取り入れつつ、コミュニケーションを取りやすいオフィス環境を整備することで、ワークライフバランスの向上を推進しています。
人的資本に関する重点的な取り組みとして、健康経営、産前産後休業・育児介護休業取得支援、エンゲージメントサーベイの実施、各種研修の実施を挙げています。特に男性労働者の育児休業取得にあたっては個別に説明会を開催し、多様な取得方法を従業員と共に検討することで高い取得率を維持しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務の対象ではないため、提出会社単体のデータを示します。パート・有期労働者の男女賃金差異は開示されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 8.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 53.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 67.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 67.5% |
任意開示指標
これらの指標は、提出会社単体の目標と実績を示しています。
| 指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 女性社員比率 | 35% | 26.0% |
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10% | 8.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 60% | 53.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社情報戦略テクノロジーは、「DXの総合商社」として、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する事業を展開しています。システム開発における多重下請け構造やエンジニアの使い捨てといった課題をなくし、顧客とエンジニアが協働する「0次DX」の実現を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、DX関連事業の単一セグメントで事業を展開しています。主なサービスとして、「0次システム開発」「0次ラボ」「0次コンサル」を提供し、さらにシステム開発企業向けのオープンプラットフォームサービス「WhiteBox」を運営しています。
「0次システム開発」では、顧客とエンジニアが密接に連携し、アジャイル開発手法を中心にシステム開発を進めます。企画や要件定義といった上流工程から、開発、保守・運用までを一気通貫で支援しており、主に顧客(エンドユーザー)との直接取引案件を手掛けています。
「0次ラボ」は、生成AI、サイバーセキュリティ、データサイエンス、UI/UXデザインといった特定の専門領域に精通したエンジニアによる専属チームがソリューションを提供するビジネスです。単なる稼働量ではなく、提供するソリューションの価値を基準に対価を設定することで、高い粗利率を維持しながら収益を上げています。
「0次コンサル」は、戦略策定や構想策定に留まらず、その後のシステム実装やビジネスでの実用を前提とした実効性の高いコンサルティングサービスです。戦略立案の段階からエンジニアが関与することで、開発・運用を見据えた戦略立案を可能にし、顧客企業の経営課題解決に貢献しています。
システム開発企業向けのオープンプラットフォームサービス「WhiteBox」は、システム開発企業やフリーランスがエンジニアのスキルシートを登録・管理できるクラウドサービスです。1次請け企業がパートナーを募集する目的で案件を掲載したり、パートナーが1次請け企業とエンジニア情報を共有したりする機能を提供し、月額基本料金を収益源としています。このプラットフォームは、システム開発業界の多重下請け構造をなくすことを目指しており、多くの企業が会員登録しています。
同社グループの事業は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めており、国内市場に重点を置いています。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大きな割合を占めることはありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、第13期から第17期にかけて売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに大きく伸長しています。特に第17期においては、売上高が80.2億円、経常利益が5.3億円、親会社株主に帰属する当期純利益が3.0億円と、大幅な増加となりました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 38.6億円 | - | - | - | 80.2億円 |
| 経常利益 | 1.4億円 | - | - | - | 5.3億円 |
| 経常利益率 | 3.5% | - | - | - | 6.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 26百万円 | - | - | - | 3.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 3.00 | - | - | - | 29.56 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は19.8百万円、従業員1人あたり営業利益は1.4百万円となっています。これらの数値は、同社グループが従業員一人ひとりの生産性を高めながら事業を拡大している状況を示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 19.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 1.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
情報戦略テクノロジーは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。これにより、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
情報戦略テクノロジーの財務基盤を見ると、自己資本比率は42.7%となっています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は17.4%であり、プライム市場平均を上回る水準です。手元資金である現金及び預金は19.9億円となっており、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を維持していることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 17.5億円 | 17.4億円 |
| 自己資本比率 | - | 42.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 17.4% |
| 現金及び預金 | 18.2億円 | 19.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
情報戦略テクノロジーの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは4.2億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益やのれん償却額、仕入債務の増加によるものです。
一方で、投資活動によるキャッシュフローは11.9億円のマイナスとなっています。これは主に連結子会社株式の取得や投資有価証券の取得、定期預金の預入による支出が要因です。
財務活動によるキャッシュフローは6.3億円のプラスとなりました。これは長期借入れによる収入があった一方で、自己株式の取得や長期借入金の返済による支出があったためです。これらの結果、フリーキャッシュフローは7.7億円のマイナスとなっています。本業で資金を生み出しつつ、事業拡大のための積極的な投資を行っている状況であり、今後の成長に向けた投資フェーズにあることがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 4.2億円 |
| 投資CF | - | △11.9億円 |
| 財務CF | - | 6.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △7.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主要顧客が各業界の主要企業や国内外に事業を展開する企業であるため、国内外の景気動向によるIT投資抑制が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、システム開発内製支援を専門とする競合他社が現れた場合や、ITコンサルティング企業がエンジニア採用を拡大した場合には、競争が激化し、既存案件の失注や新規案件の獲得が困難になるおそれがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、顧客のDX推進に不可欠なエンジニアの採用及び育成を重要視しています。しかし、優秀な人材の採用や育成が計画通りに進まない場合、または計画を超える離職が発生した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
情報戦略テクノロジーは、「すべてを、なくしていく。」という企業理念のもと、システム開発業界の構造改革を目指しています。顧客との直接取引やアジャイル開発を重視し、エンジニアの地位向上と社会への貢献を追求する企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「すべてを、なくしていく。」を企業理念として掲げています。これはシステム開発における多重下請け構造やシステムエンジニアの使い捨てといった課題を解決し、あるべき姿の実現を目指すものです。
具体的には、「要件定義のウソ」や「外注」という概念をなくし、1次請けから3次請けといった構造から「0次DX」への転換を推進しています。システム開発の全ての課題をなくし、あらゆる限界を超えていくことで、この国とそこで生きる人々の豊かさと幸せを企業とともに創造していくことをビジョンとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「すべてを、なくしていく」というフィロソフィーに基づき、システム開発におけるすべての課題をなくし、より良い社会の実現を目指すことを基本方針としています。創業以来、従業員を企業活動の源泉と捉え、「人」への積極的な投資を行っています。
従業員が安心して働ける環境を提供し、パフォーマンスとモチベーションを最大化することを重視しています。人種、性別、年齢、障害、国籍などの属性に関わらず、各従業員が能力に基づいて活躍できる環境づくりに努めています。また、リモートワークとオフィス環境の整備を通じて、柔軟な働き方を推進し、ワークライフバランスの向上に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な事業拡大のために「0次システム開発」を担う優秀なエンジニアの確保と育成を重要な課題としています。人材の定着率を高めるため、給与水準の向上や福利厚生の充実、評価制度の整備、スキルアップ支援など、働きがいのある企業風土づくりに取り組んでいます。
また、システム開発業界の構造改革を推進するため、理念に共感するパートナー企業の拡大も重点テーマです。オープンプラットフォーム「WhiteBox」を活用し、パートナー企業との連携を強化しています。
さらに、AIやサイバーセキュリティなどの高度な技術力を強化し、ソリューション型サービスの持続的強化にも注力しています。情報管理体制と内部管理体制の継続的な強化も重要な課題としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
情報戦略テクノロジーは、取締役会と監査役会を設置する体制で企業統治を行っています。社外役員が経営の意思決定と監督に参画する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
情報戦略テクノロジーの株主構成を見ると、創業者が筆頭株主として名を連ね、その関連会社も上位に位置しています。これにより、創業家が同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 髙井 淳 | 35.91% |
| 株式会社ISTホールディングス | 34.19% |
| 情報戦略テクノロジー社員持株会 | 2.89% |
| 礒谷 幸始 | 2.58% |
| NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB) | 1.45% |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は髙井淳氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 髙井 淳 | 代表取締役 社長 | 2009年1月同社設立より代表取締役社長。2016年12月株式会社ISTホールディングス設立より代表取締役。 |
社外取締役は、金井一正氏(大手総合電機メーカーのシステム営業部門管理職)、飯田耕造氏(大手システム開発会社取締役)です。
同社は、会社法上の機関として取締役会及び監査役会を設置する監査役会設置会社です。社外取締役は、豊富な経験と知識に基づき、同社の事業及び経営全般に対して助言・提言を行う役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
情報戦略テクノロジーの役員報酬は、取締役については代表取締役社長の裁定に一任されており、監査役については監査役会の決議により決定されています。報酬額は株主総会で承認された限度額の範囲内で、経営成績や職務執行状況を総合的に勘案して決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 50百万円 | 24.8百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 22百万円 | 4.3百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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