0 編集部が注目した重点ポイント
① 事業再構築を完了し成長フェーズへ移行する
不採算事業の整理や販管費のコントロールを徹底した結果、2025年12月期において過去最高の営業利益1.2億円を達成しました。経営再建フェーズが完了したことを宣言し、次期からは「国産MA No.1奪還」を掲げた積極的な事業成長フェーズへと舵を切ります。エンジニアやマーケターにとって、攻めの投資局面でのキャリア機会が広がっています。
② IX社の株式取得により顧客基盤を大幅に拡大する
2025年12月期中に株式会社Innovation X Solutions(IX社)の全株式を取得し、同社が提供する「List Finder」のアカウントを継承しました。これにより、従来のエンタープライズ領域に加え、ミドル・SMB(中小企業)領域のアカウント数が非連続に増加しています。新規領域への進出に伴い、カスタマーサクセスやセールス部門での活躍の場が急拡大しています。
③ 報告セグメントを統合し主力事業へ集中する
当期より「サブスクリプション事業」「メタバース事業」「広告事業」を統合し、「マーケティングクラウド事業」へと名称変更しました。これは、主力であるMA(マーケティングオートメーション)を支える付随サービスとして位置づけを明確にするための組織再編です。リソースの「選択と集中」が進んだことで、専門性を深めやすい環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期通期 決算説明資料 P.6
売上高
3,208百万円
営業利益
120百万円
経常利益
64百万円
2025年12月期(2024年11月〜2025年12月の14ヶ月間)の連結業績は、売上高3,208百万円、営業利益120百万円となりました。前年比で営業利益は172百万円改善し、4期ぶりの経常黒字化を果たしています。不採算事業の整理や、広告宣伝費の見直しによる販管費のコントロールが奏功し、収益性が大幅に向上しました。特にストック型売上比率は64.0%にまで上昇し、安定した経営基盤が構築されています。
決算期変更による変則期間のため単純比較は困難ですが、当初の業績予想に対して営業利益は146%増益で着地しており、通期計画に対して進捗は順調と評価できます。財務基盤の健全化が進み、次期の大規模な投資に向けた準備が整った形です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期通期 決算説明資料 P.12
マーケティングクラウド事業
【事業内容】 BtoB企業向けMAツール「SHANON MARKETING PLATFORM」の提供を中心に、導入支援やコンサルティングを展開。広告・メタバース事業も包含。
【業績推移】 売上高2,598百万円、セグメント利益439百万円。最重点のサブスク売上は2,054百万円と順調に推移。(注:当期よりセグメント統合のため前年単純比較不可)
【注目ポイント】 IX社の買収により「List Finder」アカウントを統合。今後は中堅・中小企業向けの「デジタルプラン」の販売を加速させ、アカウント数の非連続な増加を狙います。UI/UXの刷新やAI実装による製品力強化が進んでおり、最先端のプロダクト開発に携わる機会があります。
イベントクラウド事業
【事業内容】 大型展示会や企業セミナーの来場者管理、分析、レポーティングを行うイベントDX支援プラットフォームを提供。
【業績推移】 売上高609百万円、セグメント利益97百万円。リアルイベントへの回帰需要を確実に捉え、増収増益を達成しました。
【注目ポイント】 コロナ禍以降の停滞から一転、リアルイベントの開催が鮮明に回復しています。生産性の向上により安定した収益源となっており、大規模案件の運営支援やイベントデータのマーケティング活用など、イベントDXという独自のキャリアパスが魅力です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期通期 決算説明資料 P.16
2026年12月期の業績予想は、売上高3,000百万円、営業利益350百万円を見込んでいます。売上高は変則決算(14ヶ月)だった前期に対し12ヶ月ベースで実質成長を目指し、営業利益は前期比2.9倍の劇的な成長を計画しています。この強気な予測の背景には、IX社事業のフル寄与と、徹底したコスト構造の改善があります。
戦略の柱は「TAM(獲得可能な市場)の拡大」です。月額6万円から導入できる「デジタルプラン」のリリースにより、これまでIT化が完了していなかったSMB領域へ攻勢をかけます。また、プロダクト面では「AIコンシェルジュ」の実装によるUI/UXアップデートを推進しており、専門知識がなくても使いこなせるMAへと進化させています。組織としては、これまでの効率重視から「アカウント獲得最大化」へとマインドセットを切り替えており、攻めの姿勢に共感できる人材を求めています。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
不採算事業の整理を終え、過去最高益を達成した「再生完了」のタイミングであることを理解しましょう。今後はIX社の顧客基盤を活かしたSMB市場への進出や、AIコンシェルジュなどの新技術投入にリソースが注がれます。「安定した収益基盤の上で、新しい市場や技術に挑戦したい」という軸で構成するのが効果的です。
Q&A 面接での逆質問例
・「デジタルプラン」の投入によりSMB顧客が急増する見込みですが、カスタマーサクセスの体制はどのように強化される予定ですか?
・AIコンシェルジュの実装にあたり、エンジニアチームにはどのような新技術の導入や役割の変更が期待されていますか?
・IX社の統合(ロールアップ)において、組織文化や業務プロセスの融合で現在感じている課題は何ですか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社シャノン 2025年12月期 通期 決算説明資料(2026年2月13日発表)
- 株式会社シャノン 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日発表)



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