【平均年収586万円】シャノン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収586万円】シャノン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

シャノンは、統合型マーケティング支援サービスとイベント開催・運営支援を、グループ各社とともに展開しています。連結従業員数は195名です。直近期の売上高は横ばいながら、経常利益は黒字に転換し、純損失も大幅に縮小しました。


目次

※本記事は、株式会社シャノン の有価証券報告書(2025年12月期、2024年11月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


シャノンは、統合型マーケティング支援サービスとイベント開催・運営支援を提供する企業です。MAおよびイベント・テクノロジーを核としたSaaSプロダクトの高度化とAI活用によるマーケティング基盤の提供に注力しています。

単体従業員数は187名、連結従業員数は195名です。セグメントはマーケティングクラウド事業、イベントクラウド事業の2つです。

主な国内グループ会社は、イノベーション(オンラインメディア事業)、ジクウ(メタバース)、Innovation X Solutionsなどです。

同社グループは、2025年12月にInnovation X Solutionsを連結子会社化し、広告事業を譲渡しました。また、不採算事業の整理とセグメント再編を行い、主力製品『シャノンMA』をAI支援型MAとして大幅リニューアルしています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


シャノンは、マーケティング関連ソリューションを提供するSaaS企業として、技術と事業の創造革新を通じて「マーケティングの再現性」を社会に普及させることを目指しています。社員一人ひとりが役割を果たし、市場の成長以上に成長していくことを重視する企業文化が特徴です。多様な職種の人材が集まり、個人の成長と会社の成長を両立させるための様々な取り組みが行われています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、新しい技術や市場の変化に柔軟に対応しながら、従業員がキャリアを築いていく環境があることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 5,860,000円
平均勤続年数 6.4年
平均年齢 36.9歳
単体従業員数 187人
連結従業員数 195人
単体のグループ内比率 95.9%


なお、退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「マーケティングの再現性で世界を変える」というミッションのもと、技術と事業の創造革新を通じて企業の成長を支援しています。市場成長率の高いマーケティングソリューションを提供していることから、経験者採用に加え、未経験者の採用と社内での育成を重視し、組織強化を図っています。

人材育成においては、入社時研修として各事業の説明動画を用意し、全従業員が受講します。主任や課長への昇格時には外部研修を、管理監督者となる課長や部長への昇格時にはマネジメントに関する社内研修を実施しています。業務に必要な専門書籍の購入支援やライブラリー整備も行われています。

また、クラウドサービスの開発からサポートまで一貫して行う多様な職種の人材が集まっているため、職種ごとのJD(職務記述書)整備やコンピテンシー評価項目整備を通じて、役割やミッション、求められるスキルを明確にしています。新卒社員の成長促進のため1on1を導入し、中途社員向けには入社1ヶ月・3ヶ月面談、新卒社員向けにはキャリア面談を設けています。毎年2回の従業員エンゲージメント調査や、半年ごとの目標設定と評価を行う目標管理制度、月次・半期表彰制度を通じて、社員の成長機会と働きがいを創出しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女の賃金差異は、男女それぞれの母数に占める管理職級の比率が男性と比べて女性が若干低いこと、並びに、男女間における専門職種の人数分布の差によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 18.2%
男性労働者の育児休業取得率 200.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 81.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 74.7%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
エンゲージメントスコア 69

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


同社グループは、「マーケティングの再現性で世界を変える」をミッションに掲げ、統合型マーケティング支援サービスを提供する「マーケティングクラウド事業」と、イベントの開催・運営を支援する「イベントクラウド事業」の2つのセグメントを主軸に事業を展開しています。クラウドサービス市場の成長を背景に、マーケティングオートメーション(MA)分野での市場拡大を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、MAおよびイベント・テクノロジーを核としたSaaSプロダクトの高度化とAI活用によるマーケティング基盤の提供に注力しています。特に、MAの導入が進む中で顕在化している「ツールを使いこなせない」という課題に対し、新UIの導入やAI支援機能の実装により「AI支援型MA」への進化を進めています。海外の外部顧客への売上高はなく、国内市場に特化した事業展開となっています。

マーケティングクラウド事業

この事業では、『SHANON MARKETING PLATFORM(シャノンMA)』、『List Finder(LF)』、および『SHANON vibit CMS cloud』といった製品を提供しています。主にBtoB企業に対し、マーケティング業務の効率化・自動化支援、コンサルティングサービス、運用代行などを行っています。収益は、これらのシステム年間利用契約に関するストック型売上と、初期導入やコンサルティングサービス等のフロー型売上から得ています。運営は、株式会社Innovation X Solutionsが『List Finder』を、株式会社ジクウがメタバースイベントプラットフォーム『ZIKU』をそれぞれ提供しており、これらも本事業に含まれています。当連結会計年度における売上高は、ストック型売上が順調に推移した一方で、フロー型売上は広告事業の一部売却や譲渡、大型コンサルティング案件の収束により減少しました。

イベントクラウド事業

この事業は、大規模なイベントや展示会、企業のプライベートショーにおいて、『SHANON MARKETING PLATFORM』を活用した申込受付管理、来場者認証、各種デジタルデバイスを用いた開催・運営支援を提供しています。収益は、イベント・展示会ごとに必要なシステム提供、コンサルティングサービス、会期当日の運営支援業務に伴うアウトソーシング売上が主となっています。コロナ禍以降のリアルイベント回帰傾向が鮮明となり、当連結会計年度では大型イベントの会期が多く、売上高は前期から増加しました。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
マーケティングクラウド事業 27.2億円 26.0億円
イベントクラウド事業 4.8億円 6.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5期間で増加傾向にありましたが、直近の当連結会計年度は前期からほぼ横ばいとなりました。経常利益は、過去数期間にわたり損失を計上していましたが、当連結会計年度では黒字に転換しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、過去数期間にわたり損失が続いていましたが、当連結会計年度では損失額が大幅に縮小しました。これは、採用抑制や人件費の有効活用、広告宣伝施策の見直しによるコスト管理の徹底、不採算事業の整理、のれん償却費の減少などが主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において大幅な増加を示しており、本業での資金創出力が改善していることがうかがえます。なお、当連結会計年度は決算期変更により14ヶ月間の変則決算となっています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 22.0億円 24.6億円 29.3億円 32.1億円 32.1億円
経常利益 52百万円 △3.3億円 △2.7億円 △53百万円 65百万円
経常利益率 2.4% △13.2% △9.3% △1.7% 2.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.1億円 △3.7億円 △4.5億円 △1.0億円 △28百万円
1株当たり当期純利益(円) 36.83 △124.76 △145.68 △31.97 △5.18

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しており、組織全体の効率性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益は、前期のマイナスから当期にはプラスに転じており、従業員一人ひとりが生み出す利益が改善していることを示しています。これらの指標の改善は、経営資源の最適化やコスト管理の徹底といった、同社グループが取り組んできた収益性重視の経営へのシフトが反映されたものと考えられます。

指標 2024年10月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 12.6百万円 16.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △0.2百万円 0.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出し、手元資金も厚みを増しています。当期は純資産が大幅に改善し、財務基盤の強化が進んでいます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、当期において大きく改善しました。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回る水準となり、手元資金も増加傾向を示しています。

指標 2024年10月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 △53百万円 9.9億円
自己資本比率 △2.7% 49.2%
ROE(自己資本利益率) - △5.9%
現金及び預金 7.6億円 10.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループは、営業活動により安定的に資金を生み出しています。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増減額や減価償却費などを主な要因として、資金の増加を示しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出や有形固定資産の取得による支出があった一方で、保険積立金の解約による収入などがあり、資金の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出や長期借入金の返済による支出があったものの、株式の発行による収入もあり、資金の支出となっています。

本業で得た資金で投資活動を賄い、さらに余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、事業の成長に向けた投資を継続しつつ、財務的な安定性も維持していることを示しており、今後の事業展開や雇用安定性にもつながる傾向が見られます。

項目 2024年10月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 2.3億円 5.9億円
投資CF △1.6億円 △0.6億円
財務CF 3.0億円 △2.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 0.7億円 5.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

国内マーケティングオートメーション(MA)市場は成長率が鈍化傾向にあり、競合他社による価格競争や大規模なプロモーションが行われた場合、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新規アカウント獲得のためのマーケティング費用が想定を超えて増大した場合や、低価格プランへの移行が進み顧客単価が著しく低下した場合には、目標とする利益率を達成できない可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人員の単純増を前提とせず、テクノロジー活用による少数精鋭の組織構築を掲げています。しかし、既存戦力の育成が計画通り進まない場合や、高度な専門性を持つ中核人材が流出した場合、業務運営の停滞や生産性の低下を招き、事業拡大に支障をきたす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


シャノンは、「マーケティングの再現性で世界を変える」というミッションを掲げ、日本を代表するマーケティングクラウドになることを目指しています。お客様の成長と社会への貢献を追求する、プロフェッショナル集団としての企業文化を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「マーケティングの再現性で世界を変える」というミッションを掲げています。そして、「日本を代表するマーケティングクラウドになる」というビジョンの実現を目指しています。

プロフェッショナルとして考え行動することで、マーケティングの再現性によって付加価値を社会に早く届け、人々の暮らしに貢献し、次世代に誇れる豊かな世界を実現することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、ミッションとビジョンの実現に向けた行動指針として、5つのバリューを掲げています。具体的には、「お客様の立場に立つ」「個人と会社の成長」「チームファースト」「創造思考」「サイエンス」です。

これらのバリューは、採用時の説明や入社後の月次表彰、研修、評価を通じて浸透を図られています。同社グループは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)への理解と、社風や組織文化とのマッチングを重視した採用方針をとっています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、今後の成長において、人材の少数精鋭化と業務効率の徹底追求を課題としています。人員の単純増を前提とせず、現有戦力の底上げとテクノロジー活用による業務効率化を推進しています。

また、システムの安定性とセキュリティの確保にも継続的に取り組んでいます。インフラ投資や運用管理体制の強化、災害対策、ISMS・PMS等の管理体制強化を通じて、安定稼働と情報セキュリティリスクの低減を図っています。

さらに、親会社を有する上場会社として、経営の独立性確保と少数株主の利益保護を最重要課題と位置づけています。公正かつ透明性の高い意思決定プロセスを維持し、実効性あるガバナンス体制のさらなる強化に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


シャノンは監査等委員会設置会社を採用しており、監督機能と執行機能の分離を徹底しています。親会社を有する上場企業として、少数株主の保護と経営の透明性確保を最優先課題と捉え、社外取締役を中心とした透明性の高い議論を重視するガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


シャノンの筆頭株主は事業会社であるイノベーションです。同社は過半数を超える株式を保有しており、同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。また、個人株主も上位に名を連ねています。

株主名 持株比率
イノベーション 56.71%
中村 健一郎 5.88%
永島 毅一郎 4.69%
SBI証券 1.97%
引字 圭祐 1.75%


なお、中村健一郎氏は2026年2月6日現在で所有株式数が208,600株(株券等保有割合3.50%)となっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは山﨑浩史氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
山﨑 浩史 代表取締役CEO 1990年4月クラレ入社、トランス・コスモス、ザッパラス、バロックジャパンリミテッドを経て、2018年6月イノベーション取締役CFO。2023年10月同社取締役会長、2025年4月同社代表取締役CEOより現職。
大江 翔 取締役COO 2008年4月パシフィックマネジメント入社、ADインベストメント・マネジメント、ALBERT、アクセンチュア、ウィズ・パートナーズを経て、2025年2月同社入社経営企画室長。2026年1月同社COO就任より現職。


社外取締役は、松原由高氏(インターコム代表取締役社長・監査等委員)、岡田英明氏(ピットデザイン代表取締役社長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社を採用しており、監督機能と執行機能の分離を徹底しています。社外取締役は、親会社役員を兼務する代表取締役の業務執行に対し、独立した視点から実効性のある監査を実施し、少数株主の利益保護に努める役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


シャノンの取締役(監査等委員を除く)の報酬は、基本報酬としての固定報酬のみで構成されています。中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、有償の新株予約権(有償ストック・オプション)を発行し、株主との利益意識の共有を図っています。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決議された限度額内で監査等委員の協議により決定されています。

役員区分 報酬等の総額(千円) 報酬等の種類別の総額(千円)
(基本報酬)
報酬等の種類別の総額(千円)
(譲渡制限付株式報酬)
対象となる役員の員数(人)
取締役(監査等委員及び社外除く) 22,400 22,400 - 5
監査役(社外除く) 60 60 - 1
社外役員 8,250 8,250 - 5


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 22百万円 4.5百万円
監査役(社外除く) 1名 0百万円 0.1百万円
社外役員 5名 8百万円 1.6百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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