0 編集部が注目した重点ポイント
① M&Aによる非連続成長を本格化させる
2026年1月、静岡県で強固な集客力を持つエス・ティー・エヌ伊豆の買収を完了しました。これにより従来の和小物物販に加え、市場規模の大きい「食物販」分野へ進出します。今後は「戦略的M&A」と独自の「型によるPMI」を成長の両輪とし、爆発的な利益拡大を狙うフェーズに突入しています。
② プライム市場移行を目指す中期計画を始動する
2028年までに売上高70億円、営業利益16億円を目指す野心的な中期経営計画を策定しました。「プライムへ行くぞっ」というスローガンの下、2027年までを先行投資期間とし、新規出店とM&Aに注力します。既存事業の積み上げに加え、M&Aによる利益上乗せを確実に行う体制が整っています。
③ 連結範囲の拡大で多角的な収益基盤を築く
2025年9月にマイグレを完全子会社化したことで、サウナ&バケーションレンタル事業が連結に加わりました。前年は未連結のため単純比較はできませんが、観光MD事業とのシナジーが期待されます。主要観光地への出店力と宿泊運営ノウハウを融合させ、特定事業に依存しない収益モデルへの構造転換が進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 第4四半期 決算説明資料 P.12
2025年12月期は、訪日外国人数の過去最高更新を背景に、インバウンドMD事業の来店客数が前年同期比28.1%増と大幅に伸び、増収増益を達成しました。営業利益は当初予想に対し109.0%の進捗、純利益は欠損金に関する会計処理の影響もあり141.2%と大きく上振れました。
通期予想に対する進捗状況は、営業利益・純利益ともに100%を超えており、極めて順調な着地といえます。財務基盤も純資産が約7億円増加し、自己資本比率は66.4%にまで向上。攻めの投資に向けたキャッシュが十分に確保されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 第4四半期 決算説明資料 P.40
インバウンドMD事業
事業内容:かんざし専門店「wargo」や箸専門店「箸や万作」など、日本文化を感じる和小物の企画・製造・店舗販売を展開。
業績推移:売上高2,587百万円(前年同期比30.7%増)、セグメント利益786百万円(同36.0%増)と圧倒的な稼ぎ頭。
注目ポイント:企画から店舗設計、Web集客までを内製化する「超SPA」モデルを構築。出店投資を約7.5ヶ月という短期間で回収する驚異的な高効率経営を実現しています。2026年も積極的な新規出店を予定しており、店舗運営から商品企画まで幅広い領域で増員が期待されます。
アニメ・ゲームMD事業
事業内容:人気キャラクター商品のOEM制作やノベルティ配布、販売支援を包括的にサポートするBtoB事業。
業績推移:納品案件数が333件と前年比約13%増。セグメント単体で過去最高益を更新しています。
注目ポイント:競合が少ない「和雑貨×キャラクター」という独自ポジションを確立。大手アニメ会社やゲームメーカーとの直接取引が多く、営業力の強化により2027年以降の更なる成長を見込んでいます。IP(知的財産)をビジネスに繋げる企画提案型の営業スキルが強く求められています。
サウナ&バケーションレンタル事業
事業内容:空き家をリノベーションしたサウナ・露天風呂付きの高品質な宿泊施設「マイグレ」の運営。
業績推移:(注:前年同期は未連結のため単純比較不可)2025年9月の完全子会社化以降、南青山などの都心部へも展開を加速。
注目ポイント:フィンランド直輸入のサウナストーブ導入など、競合が追随しづらい高付加価値戦略を展開。物件リサーチから運営管理までを体系化しており、早期の黒字化モデルを確立しています。不動産再生やウェルネス、観光を掛け合わせた新しいホスピタリティの専門人材を必要としています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 第4四半期 決算説明資料 P.31
今後の成長戦略の目玉は、2026年1月のM&Aによって手に入れた「食物販(お土産の本丸)」のノウハウです。これまでの和小物物販は市場全体の10%に過ぎませんでしたが、今後は市場の90%を占める食物販領域へ進出することで、出店戦略を「点から面」へ広げます。
経営陣のコメントによると、2026年に向けてCFOを中心に「M&A特設部署」を設置・始動し、機能を本格強化するとしています。また、2028年の営業利益16億円達成のため、約30億円の投資余力を活用し、PMI(買収後の統合プロセス)を通じて利益を大きく引き上げる計画です。M&Aの目利きから、買収後のオペレーション改善、食物販のMD構築など、専門性の高いプロフェッショナル人材の採用が重要課題となっています。
4 求職者へのアドバイス
「日本のカルチャーを世界へ」という理念に加え、足元で加速している「非連続成長(M&A)」への貢献を強調するのが有効です。特に2026年からの「食物販」進出や、道の駅など郊外拠点の開発といった新領域に、自身のどのような経験(小売、MD、不動産、経営企画等)が寄与できるかを具体化してください。
・「食物販分野への進出において、既存の和小物物販で培った『超SPA』のノウハウをどのように横展開・適用していく計画ですか?」
・「M&Aによる非連続成長を目指す中で、買収後のPMI(統合プロセス)を主導するチームにはどのような役割が期待されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年12月期 第4四半期 決算説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。