0 編集部が注目した重点ポイント
① 2025年12月期は過去最高益を大幅更新
売上高が233億36百万円(前年比+23.8%)、営業利益が25億92百万円(同+86.0%)と、全ての指標で過去最高を更新しました。関西・大阪万博や世界陸上といった当期固有の特需要因に加え、強みである「体験価値」への評価が高まり、高単価な指名受注が堅調に推移したことが飛躍的な成長に寄与しています。
② 「商環境事業」を新設し常設空間を強化
2025年12月期より、ショールームやオフィスなどの常設空間をプロデュースする「商環境事業」ユニットを新設しました。イベント等の仮設空間だけでなく、企業のブランディングを支える常設施設への領域拡大により、転職者にとっては空間デザインや什器設計など、より専門性を活かせるキャリア機会が広がっています。
③ 人的資本への投資を次期以降の成長基軸に
好調な業績を背景に、2026年12月期は成長基盤の構築を優先し、人材育成や採用、経営基盤の整備に注力する方針を打ち出しました。次期予想では投資拡大により一時的な減益を見込んでいますが、これは将来の持続的な成長を見据えた攻めの姿勢であり、専門性の高いプロフェッショナル人材の受け入れ体制がさらに強化される見通しです。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.6
2025年12月期の業績は、主力のエクスペリエンス・マーケティング事業が絶好調となり、売上高・営業利益ともに当初計画を上回る水準で着地しました。特に関西・大阪万博や世界陸上に関連する大規模案件の獲得が利益を押し上げたほか、指名受注比率の向上が採算性の改善に大きく寄与しています。
通期予想に対する実績は売上高103.7%、営業利益120.6%となっており、業績の進捗は極めて順調です。2024年4月に実施した株式分割後の1株当たり当期純利益(EPS)も122.62円と高い水準を維持しており、株主還元としても特別配当を含む年間30円の配当を決定するなど、強固な財務体質と成長性を両立させています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.18
首都圏・B2B/B2Cマーケティング
事業内容:首都圏の企業を対象としたマーケティング支援およびイベントプロモーション事業を展開。
業績推移:B2C領域が前年比+37.6%の売上増を記録し、利益率も大幅に改善しました。
注目ポイント:Japan Mobility Show 2025等の大規模案件を統合的にデザインする力が評価されています。リアルとデジタルを融合させた「体験価値」の創造が急務であり、企画から実行まで一貫して担えるプロデューサー職の重要性が高まっています。
中部/西日本・全国中小展示会
事業内容:地域拠点での顧客支援および、全国規模の中小展示会出展に特化した支援。
業績推移:中小展示会事業が売上高前年比+49.1%と急成長。拠点の営業力も強化されました。
注目ポイント:地域特有のニーズに応えるきめ細やかなサポートが支持されています。全国的な展示会需要の回復により案件数が増大しており、効率的な制作管理と高いクオリティを両立できる専門人材が各拠点で求められています。
商環境事業
事業内容:ショールームやオフィス、ミュージアムなど「常設空間」のプロデュース(当期新設)。
業績推移:売上高1,158百万円(前年比参考+51.8%)と新設初年度から高い成長を達成。
注目ポイント:企業のファンづくりを目的とした常設施設のニーズが急増中。什器や内装設計などのハード面に加え、そこで行われる「体験コンテンツ」のソフト面も設計できる人材が不可欠です。建築やインテリアデザインの知見を持つ層には絶好の機会です。
子会社(デジタルDX・ニチナン・ヒラミヤ)
事業内容:デジタル体験設計、木工・什器制作、サイン・グラフィック等の専門機能を提供。
業績推移:子会社合算で売上高が前年比+31.7%と大幅増。連結利益への貢献が鮮明に。
注目ポイント:2024年に完全子会社化したヒラミヤを含め、グループ内内製化が加速。制作拠点の「T-BASE」を活用した「ものづくり」の強化が進んでおり、デジタルの最新技術や伝統的な匠の技を活かしたいクリエイターにとって魅力的な環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.23
博展は、2026年12月期を「持続可能な成長基盤を構築する一年」と位置づけています。売上高は237億50百万円(前期比+1.8%)と微増を見込む一方、営業利益は22億48百万円(同-13.3%)と一時的な減益を予想。これは、特需の反動をカバーしつつ、人件費の上昇や人材育成、マーケティング体制の強化といった「攻めの投資」を優先するためです。
経営陣は「足元の業績にとらわれず、将来の環境変化に対応可能な経営体制の構築を重視する」と明言しており、採用市場における競争力向上や働きやすい環境整備にも注力する方針です。体験価値を基点とした事業運営の有効性が証明された今、組織力をさらに一段階引き上げるためのプロフェッショナル人材の獲得が、今期の最優先事項となっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「体験価値」を基点とした一気通貫の提供体制(企画・創造・実現・分析)に共感を示すのが有効です。特に、指名受注が売上を牽引している点に触れ、「価格競争ではなく、クリエイティブと成果へのコミットで選ばれる環境で専門性を発揮したい」という意向は、同社の現在の戦略と合致し高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
「2026年12月期は人的投資を重視する年とのことですが、具体的に中途入社者向けのキャリア開発やスキルアップ支援にどのような変化を予定されていますか?」や、「新設された商環境事業において、イベント等の仮設空間の知見がどのように活かされ、相互シナジーが生まれていますか?」といった、将来の組織成長に紐づく質問は、前向きな姿勢をアピールできます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
サービス提供の継続に不安を感じる面があった
売上拡大とともに社員を増やし部署を増やし続けてきたが、本当に市場から求められているサービスが提供できているのか、今後も提供し続けられるのか、に不安を感じる面があった。
(30代前半・営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社博展 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社博展 2025年12月期 決算説明資料



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