※本記事は、株式会社フツパー の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フツパーは「最新テクノロジーを確かな労働力に」をミッションに掲げ、製造業界に特化したAI技術およびIoT技術を活用したサービスを提供しています。日本の製造業界が直面する人手不足やDX化の遅れといった課題に対し、生産性向上のためのソリューションを提供しています。
同社の単体従業員数は68名です。同社は製造業向けAIサービス事業の単一セグメントで事業を展開しています。
フツパーは、外観検査自動化AI「メキキバイト」などの画像認識AIサービス、ビッグデータ分析AIサービス「カスタムHutzperAI」、人材配置最適化システム「スキルパズル」、インターネット接続不要の生成AIソリューション「ラクラグ」といった多様なAIサービスを製造業界向けに提供しています。これらのサービスは直販をメインとし、一部販売代理店を経由して提供されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フツパーは、製造業向けAIサービスを通じて社会課題の解決を目指す企業です。従業員の働き方や育成に関する方針は、事業の成長を支える重要な要素として位置づけられています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い組織であり、平均勤続年数から見ても、成長フェーズにある企業の特徴がうかがえます。従業員の年齢構成も若く、活気のある職場環境が期待されます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,965,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.2年 |
| 平均年齢 | 34.9歳 |
| 単体従業員数 | 68人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フツパーは「最新テクノロジーを確かな労働力に」をミッションに掲げ、製造現場の自動化・効率化を通じて少子高齢化社会における労働者不足への対処に取り組んでいます。事業の拡大がサステナビリティへの貢献に資すると認識しており、多様な人材を競争力の源泉と位置付けています。
個々の能力に応じた適切な登用と育成により、組織の強化を図っています。具体的には、四半期ごとの評価制度を通じてスキル向上とキャリアパス支援を行い、一人ひとりが自己実現を果たせるよう取り組んでいます。
また、多様な人材を確保・活用するため、柔軟な働き方を実現することが重要と考えており、継続した働き方改革を推進しています。リモートワークや時短勤務制度、フレックスタイム制度等を活用し、従業員がワークライフ・バランスを整えながら能力を十分に発揮できる就業環境の整備に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、有価証券報告書では開示されていません。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フツパーは、製造業界に特化し、AI技術やIoT技術を活用したサービスを提供する企業です。日本の製造業界が直面する人手不足やDX化の遅れといった課題に対し、最新テクノロジーを確かな労働力として提供することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、製造現場の生産性向上を支援するAIサービスを幅広く展開しています。主力サービスである画像認識AI「メキキバイト」は、製造ラインにおける外観検査の自動化を一気通貫で支援するものです。光学設計からAIモデル構築、不良品排除機構との連携、導入後の運用管理までを提供しています。このサービスでは、ハードウェアの販売に加えて、AI構築費用とクラウドシステム「Hutzper Insight」のライセンス利用料をサブスクリプション形式で提供しており、継続的な収益モデルを構築しています。
また、顧客が保有するビッグデータを活用した分析AIサービス「カスタムHutzperAI」も提供しています。在庫予測や故障予測などの分析をスポット販売で行い、MLOps構築支援や生成AIの活用支援も手掛けています。さらに、製造工程における最適な人材配置をAIで支援する「スキルパズル」や、インターネット接続不要で社内ナレッジを活用できるローカル生成AIソリューション「ラクラグ」といった、その他のAIサービスも展開しています。これらのサービスは、製造業の多様な課題に対応し、生産性向上と品質維持に貢献しています。同社は製造業向けAIサービス事業の単一セグメントとして事業を展開しており、海外への売上高はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が大きく伸長し、利益面でも改善が見られました。前事業年度と比較して、売上高は大幅に増加しています。これにより、前事業年度に営業損失、経常損失、当期純損失を計上していた状況から、当事業年度には営業利益、経常利益、当期純利益ともに黒字に転換しました。これは、画像認識AIサービスをはじめとする各サービスにおける案件数の増加や大型化が主な要因となっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員一人あたりの収益や利益は、企業の生産性や効率性を示す重要な指標です。これらの指標は、従業員がどれだけの価値を生み出しているかを測る上で役立ちます。同社では、事業の拡大に伴い従業員数が増加しており、期中には14名の採用が行われました。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
フツパーは、財務基盤の強化と事業拡大のための投資を両立させている状況です。本業で安定した資金を生み出しながら、将来に向けた投資も継続しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は、当期に大きく向上し、プライム市場の平均と比較しても高い水準を示しています。手元資金も大幅に増加しており、事業運営の安定性につながる財務基盤が構築されている状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 65.8% | 87.9% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 2.8億円 | 18.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュ・フローは、当期において営業活動によるキャッシュ・フローが収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローの支出を上回っています。これにより、フリーキャッシュ・フローもプラスとなっています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の計上や未払消費税等の増加額により収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出や有形固定資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入が大きく影響しています。この資金の流れは、同社が本業で安定的に資金を稼ぎ出し、成長のための投資も行いつつ、財務活動で資金を調達していることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △0.4億円 | 2.1億円 |
| 投資CF | △0.1億円 | △0.2億円 |
| 財務CF | 0.6億円 | 14.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △0.5億円 | 1.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が事業を展開するAI関連市場は、技術革新のスピードが急速に進んでいます。予想以上の技術革新や非連続的な代替技術の出現により、同社が十分な技術的優位性を維持できない場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、AI関連市場の今後の成長率は、新たな法規制・政策の導入や景気変動による顧客企業のAI関連投資の縮小等の外的要因による影響を受ける可能性があります。これらの影響による市場成長率の鈍化により、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社が継続的に顧客に支持されるサービスを提供していくためには、優秀な人材の確保及び育成が極めて重要な要素であると考えています。必要な人材を適時に十分確保できない場合や優秀な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約が加えられ、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フツパーは、日本の製造業が抱える課題解決に貢献するため、AI技術を駆使したサービスを展開しています。同社は、持続可能な社会の実現と事業成長を両立させることを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりにも注力しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「最新テクノロジーを確かな労働力に」をミッションとして掲げています。深刻な人手不足やDX化といった大きな課題に直面している日本の製造業に向けて、AIを利用したサービスの開発・販売を展開している会社です。
最新技術を用いて製造業の生産性や効率性を改善し、日本のモノづくりの発展に貢献していくことを目指しています。中長期的には、単なる一部工程の自動化にとどまらず、製造工程や生産計画全体の最適化といった工場全体の最適化に取り組みます。
最終的には、モノづくりサプライチェーン全体の最適化・持続化に貢献できるサービスを提供できる企業への成長を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、人類、社会、経済が持続的に発展していくためには、地球環境等に係るグローバルな課題への真剣な取り組みが極めて重要であると認識しています。また、そうした取り組みが同社のリスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると考えています。
事業の推進には性別や年齢にとらわれない多様な人材が必要不可欠であり、競争力の源泉であると考えています。そのため、個々の能力に応じた適切な登用と育成により、組織の強化を図っています。
四半期ごとの評価制度を通じて、スキル向上とキャリアパス支援を行い、一人ひとりが自己実現を果たせるよう取り組んでいます。また、多様な人材を確保・活用するため、リモートワークや時短勤務制度、フレックスタイム制度等を活用し、ワークスタイルの柔軟化を図っています。従業員がワークライフ・バランスを整えながら能力を十分に発揮できる就業環境の整備に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、今後のさらなる成長を実現する上で、収益基盤の構築・強化への取り組みを重視しています。製造業のDX化を推進し顧客課題を解決するとともに、幅広い業界の企業へのサービス展開を目指すべく、営業体制の強化を図っています。
安定的かつ着実な事業拡大のため、優秀な人材を積極的に採用し、開発プロセスの継続的な見直しや社内におけるノウハウの共有、教育訓練等を実施することで、より強固な開発体制の構築に努めています。
また、効率的なオペレーション体制を基盤としながら、内部管理体制を強化していくことも重要な課題です。社内研修の実施等を通じて、コンプライアンス体制及び内部統制の充実・強化を図っています。アジア諸国をはじめとした海外展開も検討しており、迅速な情報収集と適切な対応を検討する体制の構築に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フツパーは監査等委員会設置会社であり、取締役会を通じて経営の監督と意思決定を行っています。社外取締役も複数名参加し、ガバナンス体制の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長の大西洋氏です。上位株主には、同社の他の取締役も名を連ねており、経営陣が主要な株式を保有していることが特徴です。また、投資事業有限責任組合や証券会社、従業員持株会なども上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 大西 洋 | 22.77% |
| 黒瀬 康太 | 7.58% |
| ANRI4号投資事業有限責任組合 | 6.93% |
| 弓場 一輝 | 5.34% |
| SBI証券 | 3.68% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は大西洋氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大西 洋 | 代表取締役社長 | 2017年日東電工株式会社入社、2018年AIエンジニアリング株式会社入社。2020年同社共同設立、代表取締役社長より現職。 |
| 黒瀬 康太 | 取締役 ビジネス開発本部長 | 2018年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。2020年同社共同設立、同年同社入社、取締役ビジネス開発本部長より現職。 |
| 弓場 一輝 | 取締役 研究開発本部長 | 2020年同社共同設立、取締役研究開発本部長より現職。 |
| 髙木 真一郎 | 取締役 管理本部長 | 2010年あずさ監査法人入所、2018年株式会社デコルテ入社。2022年同社入社、取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、渋谷順氏(株式会社スマートバリュー 代表取締役社長)、釜谷芳充氏(EY新日本有限責任監査法人在籍・常勤監査等委員)、廣瀬雄二郎氏(日本情報通信 代表取締役社長・監査等委員)、氏家真紀子氏(弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所 パートナー弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会の議決権を持つことで、経営の監督機能を強化しています。社外取締役は独立役員要件を勘案して選任され、一般株主の利益保護に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業業績と企業価値の持続的な向上に資することを基本方針としています。報酬の種類は、月例の固定報酬と業績連動金銭報酬で構成されています。業績連動金銭報酬は、同社の営業利益を指標として目標達成度に基づき算定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 25百万円 | 6.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 13百万円 | 3.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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