リブ・コンサルティング 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リブ・コンサルティング 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リブ・コンサルティングは東京証券取引所グロース市場に上場し、中堅・中小企業から大企業まで幅広い顧客層に対して経営戦略コンサルティングや実行支援を提供しています。直近の業績トレンドは、新規案件の獲得や外部リソースの活用等が寄与し、売上高および各段階利益ともに大幅な増収増益を達成しています。


※本記事は、リブ・コンサルティングの有価証券報告書(第14期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. リブ・コンサルティングってどんな会社?


同社はベンチャーから大企業まで全国の顧客へ、戦略立案から実行まで伴走する経営コンサルティングを提供しています。

(1) 会社概要


2012年にコンサルティング会社として設立されました。2014年のタイ子会社設立による海外展開や、2021年のクラウドSaaS提供開始などで事業を拡大しています。近年はM&Aを推進し、GoofyやFlow Groupを完全子会社化しました。2025年12月には東京証券取引所グロース市場へ上場を果たしました。

同社の従業員数は連結で345名、単体で261名です。筆頭株主は創業者で代表取締役の関厳氏であり、第2位は常務取締役の権田和士氏、第3位は取締役の加藤有氏となっています。経営陣が上位の株式を保有する体制です。

氏名 持株比率
関厳 56.69%
権田和士 9.65%
加藤有 4.00%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役は関厳氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
関厳 代表取締役 2002年日本エル・シー・エー入社。2009年インタープライズ・コンサルティング取締役を経て、2012年に同社を設立し代表取締役に就任。2018年Impact Venture Capital代表取締役より現職。
権田和士 常務取締役 2003年日本エル・シー・エー入社。2012年に同社へ入社し、2015年取締役を経て、2017年常務取締役に就任。2021年プルーセル代表取締役より現職。
加藤有 取締役 2003年日本エル・シー・エー入社。2013年に同社へ入社し、2017年執行役員を経て、2020年取締役に就任。2024年日本DESIGNBANK理事より現職。
中川貴裕 取締役CFO 2001年みずほ銀行入社。HSBC plc等を経て、2019年SATHAPANA Bank Plc.副頭取。2021年同社に入社し執行役員CFOを経て、2022年取締役CFOより現職。


社外取締役は、御供俊元(ソニーグループ代表執行役CSO)、三宅篤彦(ツクイスタッフ代表取締役社長)、髙原明子(エニグモ社外取締役)、齋藤創(創・佐藤法律事務所代表弁護士)です。

2. 事業内容


同社グループは、「コンサルティング事業」の単一セグメントで事業を展開しています。

(1) 経営戦略コンサルティング


ベンチャー企業から中堅・中小企業、大企業まで幅広い顧客層に対して経営戦略コンサルティングを提供しています。国内にとどまらずタイの現地企業への支援などグローバルにも展開しており、企業の持続可能な成長と付加価値向上を目指した支援を行っています。

顧客企業に対して全社戦略や事業戦略の立案を行い、その対価としてコンサルティングフィーを受け取る収益モデルです。プロジェクトにおいて毎月の稼働時間に応じた準委任契約や、成果物の移転に伴う請負契約などを結んでいます。運営は主にリブ・コンサルティングが行っています。

(2) 実行支援およびグループ連携コンサルティング


戦略の立案にとどまらず、顧客と一体となって現場に入り込み、戦略が実行されて成果が出るまで責任を持って伴走するハンズオン支援を提供しています。また、グループ内に営業代行機能やSFA(セールスフォース)の導入・定着支援などのDX実装機能を持ち、一貫したサポート体制を築いています。

コンサルティングの実行フェーズにおける各種支援業務を通じた役務提供の対価が主な収益源です。運営はリブ・コンサルティングを中心に、SFA導入に特化したGoofy、営業実行フェーズの支援を担うプルーセル、コンサル特化人材事業を展開するFlow Groupなどの各連結子会社が連携して行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は一貫して増加傾向にあり、事業の順調な拡大が見て取れます。2023年12月期には先行投資などの影響で一時的に経常損失を計上しましたが、その後は収益性が大きく改善しています。直近の2025年12月期には過去最高の売上高および経常利益を記録し、利益率も大きく上昇して二桁台に乗るなど、高成長と収益性向上の両立を実現しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 26.5億円 33.6億円 39.6億円 49.8億円 61.1億円
経常利益 3.2億円 2.4億円 -0.2億円 4.9億円 8.3億円
利益率(%) 12.2% 7.2% -0.6% 9.9% 13.6%
当期利益(親会社所有者帰属) 2.4億円 1.5億円 -0.3億円 2.7億円 5.1億円

(2) 損益計算書


売上高の大幅な伸びに伴い、売上総利益も順調に拡大し、売上総利益率も微増しています。さらに営業利益は前年から倍増以上の成長を達成し、営業利益率も一桁台から大きく上昇して収益力が飛躍的に高まっていることが確認できます。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 49.8億円 61.1億円
売上総利益 24.2億円 30.0億円
売上総利益率(%) 48.7% 49.1%
営業利益 4.1億円 8.4億円
営業利益率(%) 8.2% 13.7%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当が6.3億円(構成比29%)、採用費が2.7億円(同13%)、支払報酬が2.2億円(同10%)を占めています。また、単体の売上原価においては、労務費が17.3億円(構成比75%)、外注費が2.7億円(同12%)となっています。

(3) セグメント収益


同社はコンサルティング事業の単一セグメントで事業を展開しています。既存顧客の継続案件を基盤としつつ、グロース支援やDX導入支援などの新規案件の獲得が堅調に推移した結果、売上高は前年から大きく伸長しています。

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業で利益を出しつつ、新規上場で資金調達を行い、投資を行う状態です。同社の財務CFのプラスは、上場に伴う株式の発行による収入(12.0億円)が主たる要因となっています。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF 5.0億円 6.3億円
投資CF -6.1億円 -0.8億円
財務CF 0.7億円 9.4億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は20.7%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は76.0%であり、いずれも市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は、「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」という経営理念を掲げています。この理念には、コンサルティングという仕事を通して現在および未来の世界にプラスの価値をもたらす企業の発展をサポートし、世の中をより良い方向に変えていくという創業の想いが込められています。目先の業績だけを追求するのではなく、顧客企業の持続可能な成長を最優先に考えたサービス提供の根幹をなす考え方です。

(2) 企業文化


同社は、業績だけでなく、CIS(顧客感動満足)、EIS(社員感動満足)、人財育成、よりよい仕組みづくりの「5つの成果」にこだわる企業文化を持っています。顧客への提案が机上の空論にならないよう、現場に入り込んで実行まで責任を持って伴走する「現場主義」を徹底しており、顧客企業が継続的に発展して世の中にインパクトを与えるためのストーリーを描くことを重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、売上高成長率と営業利益率を重要な経営管理指標(KPI)として位置づけています。継続的な規模拡大による損益分岐点の引き下げを見込み、高い水準での利益改善を目指しています。具体的な数値目標として以下を掲げています。

・2025年度から2028年度までのCAGR(年平均成長率):売上高20%
・2025年度から2028年度までのCAGR(年平均成長率):営業利益40%

(4) 成長戦略と重点施策


今後の成長戦略として、「マーケティング・セールス強化」「IT/DX強化」「M&Aおよび外部連携」の3つを成長の柱に掲げています。グループ内子会社と密接に協働して戦略立案から実行フェーズまでの支援力を強化するほか、生成AIの積極的な活用による業務効率化を図ります。また、厳格な財務規律のもとでM&Aを推進し、新たな事業領域の拡大やサービス提供能力の底上げを目指しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


多様な個性や経験を持つ人材が企業の継続的な成長を支えると考え、性別や国籍等の多様性に配慮した積極的な採用を推進しています。職位に合わせた豊富な育成コンテンツを提供し、変革型リーダーの伴走により早期成長を促すことで、平均4年以下でのマネージャー昇格を実現する環境を整えています。また、人事評価制度に基づく給与改善や多様な勤務体系の導入により、従業員が意欲を発揮できる職場づくりに注力しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 33.7歳 3.2年 8,314,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 9.3%
男性育児休業取得率 60.0%
男女賃金差異(全労働者) 69.7%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 72.4%
男女賃金差異(パート労働者) 80.0%


また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性管理監督者数(7名)、外国国籍者数(22名)、コンサルティング従事社員の平均昇給率(13.5%)、コンサルタント人員の生成AI利用率(100.0%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 技術の進化による代替リスク


生成AIなどの技術が進化することにより、客観的情報の収集や分析といった経営コンサルティングの一部業務が、顧客企業自身によって代替される可能性があります。これに対し同社は、現場での実行支援に注力するとともに、自社内でも生成AIを活用して業務生産性の向上を図り、付加価値の高い支援への転換を進めています。

(2) コンサルタントの確保と育成に関するリスク


企業経営の課題が複雑化しコンサルティングのニーズが高まる中、事業拡大には優秀なコンサルタントの増員が不可欠です。同社は未経験者から早期に一人前になれる教育プログラムを充実させていますが、求める人材の確保や育成が想定通りに進まない場合、人的資本への依存が高い同社の事業成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) M&A推進に伴うリスク


事業拡大と人材確保のスピードを維持するため、同社はM&Aを成長戦略の有効な選択肢と位置づけています。買収前のデューデリジェンスからPMI(統合プロセス)まで、企業風土の融合を含めて慎重に進めていますが、想定通りのシナジーが得られない場合や人材流出が発生した場合には、同社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。