0 編集部が注目した重点ポイント
① 連結決算へ移行しAI歌声合成セグメントを新設する
2025年12月期より連結財務諸表の作成を開始し、本格的なグループ経営体制へ移行しました。2025年1月に完全子会社化した株式会社テクノスピーチの合流に伴い、「AI歌声合成セグメント」を新設しています。新領域でのキャリア機会が創出されており、技術の多角化による成長フェーズへ突入したことが鮮明となっています。
② 収益の主軸が広告からサブスクリプションへ逆転する
主力アプリ「ibisPaint」において、サブスクリプション売上がアプリ広告売上を上回る構造的変化が起きています。2025年12月期の累計で、アプリ課金売上が広告収益を突破し、ストック型の安定収益基盤が確立されました。市場環境に左右されにくい経営への転換は、中長期的な開発投資の安定化につながるポジティブな要素です。
③ 子会社の吸収合併によりSIerとしての体制を強化する
2025年11月に子会社化した株式会社ゼロイチスタートを、2026年4月1日付で吸収合併することを決定しました。同社が持つノーコード開発の知見やSEOノウハウを統合し、高付加価値な受託開発モデル(SIer化)への進化を加速させます。エンジニアにとっては、最新ツールを活用した生産性の高い開発環境での活躍が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.17
2025年12月期の業績は、売上高が前期の個別実績比で8.2%増となり、連結初年度として着実な成長を遂げました。特に主力のモバイル事業におけるプレミアム会員数が39.7万人に達し、サブスクリプション売上が前年比で大幅に伸長したことが寄与しています。営業利益率も24.0%と高い水準を維持しており、効率的な事業運営が継続されています。
通期予想に対する進捗については、売上高・各利益ともに公表数値を達成しており、業績は極めて順調に推移しました。2025年10月に実施した1株から5株への株式分割を経て、投資家層の拡大と還元強化も図られており、攻守のバランスが取れた決算内容といえます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.11
モバイルセグメント
事業内容:世界累計5.2億DLを誇るペイントアプリ「ibisPaint」の開発・運営を中心とした自社製品事業。
業績推移:売上高2,830百万円。サブスクリプション売上が1,202百万円(構成比42.5%)まで急拡大。
注目ポイント:海外売上比率が75.9%と非常に高く、グローバルなプロダクト開発に携われます。「スマートクレジット(従量制課金)」などAIを駆使した新機能の実装を予定しており、技術的な挑戦機会が豊富です。Z世代の創作活動を支える最前線で、大規模トラフィックを扱う経験が積めるでしょう。
ソリューションセグメント
事業内容:国内企業向けWebアプリケーションの受託開発およびIT技術者派遣。エンドユーザーとの直接取引に強み。
業績推移:売上高2,055百万円。第4四半期には四半期ベースで過去最高の受託開発売上を記録。
注目ポイント:従来の派遣・請負型から、より上流工程に深く関わるSIer型へのシフトを鮮明にしています。ノーコード開発とAIツール(Copilot等)の活用により、残業時間の削減と生産性向上を両立。子会社ゼロイチスタートとの統合により、事業コンサルティングから実装までを一貫して担う体制へ進化します。
AI歌声合成セグメント
事業内容:(注:2025年4月より連結開始)AI歌声合成アプリ「VoiSona」の開発・運営およびBtoBライセンス提供。
業績推移:売上高118百万円(9ヶ月分)。先行投資によりセグメント損失62百万円を計上。
注目ポイント:名古屋工業大学発ベンチャーの高度な音声合成技術をベースとした、グループの新たな成長エンジンです。著名クリエイターとのコラボレーションも活発で、「日本発のカルチャー」を世界へ届けるやりがいがあります。5年以内の黒字化を目指しており、スタートアップ的なスピード感で事業を立ち上げるフェーズにあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.18
2026年12月期の連結業績予想は、売上高5,454百万円(前期比9.0%増)、営業利益1,355百万円(同12.8%増)と、増収増益の継続を計画しています。注目すべきは、モバイルセグメントにおける「サブスクリプション比率のさらなる上昇」です。広告単価の変動リスクに対し、ユーザー課金主体の盤石な収益構造を確立することで、エンジニアの継続的な採用と研究開発への安定投資を可能にしています。
成長戦略の核として、M&A(合併・買収)の再開も示唆されています。モバイルセグメントでは2026年第2四半期以降、さらなる付加価値向上を目指した調査を再開する予定です。また、2035年度までの長期目標として連結売上高150億円、サブスク課金率5.0%を掲げており、現在のユーザー規模(MAU4,000万人超)を収益に結実させる「収穫期」のリーダーシップを担える人材が、全方位で求められています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
アイビスは「技術者集団」としての誇りが高く、経営トップもエンジニア出身です。志望動機では、単にアプリが好きというだけでなく、「5億DL超のプロダクトをさらに進化させる技術的好奇心」や、「AI活用による開発効率の追求」といった、エンジニアリングへの純粋な情熱を軸にすると響きやすいでしょう。また、グローバル比率の高さから、日本発の技術を世界へ広めるというビジョンへの共感も強力なポイントになります。
面接での逆質問例
「2035年に向けた長期目標の中で、私の担当する技術領域はどのように収益貢献(サブスク課金率向上等)に紐づくと期待されていますか?」といった質問は、経営視点を持ったエンジニアとして高く評価される可能性があります。また、「ゼロイチスタートの吸収合併により、既存のソリューション事業部との技術交流やシナジーをどう生み出していく予定ですか?」という、一歩踏み込んだ組織体制への質問も有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
客先によって残業が多い現場もある
SES(社員派遣)が中心であり、客先によって勤務時間・残業時間は異なるため、残業がない現場もあれば残業が多い現場もある。
(34歳・技術 / 非管理職・男性) [キャリコネの給与明細を読む]未経験でもいきなり常駐させられる体育会系の会社
いざ入社してみると未経験でもどんな人でも入社できるのだと、未経験でもいきなり常駐させられる体育会系の会社だなと思いました。
(30代前半・プログラマ・女性) [キャリコネの面接事例を読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年12月期 決算説明資料(Investor Digest / February 18, 2026)



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