0 編集部が注目した重点ポイント
①インバウンド需要を捉え過去最高売上を更新する
旺盛なインバウンド客の流入と、国内実店舗の出店拡大が奏功し、売上高は前年比17.5%増の237.3億円に達しました。特に表参道や銀座といった観光エリアでのドミナント出店(集中出店)が成果を上げており、既存業態の成長に加え、欧米豪の観光客をターゲットとした新業態の成功が収益拡大を力強く牽引しています。
②営業スタッフの全員正社員化を断行し組織を強化する
2026年1月期において、営業スタッフの全員正社員化を実施するという大きな構造改革を断行しました。業界最高水準の初任給40万円設定や、個人売上の10%を還元する「スターセールス制度」の導入により、採用の質の向上と離職率の低下を実現しています。これは、現場の販売力を人的資本として再定義する、同社独自の成長戦略の核となっています。
③次世代の主力となる新業態を戦略的に継続投入する
既存ブランドの安定成長に加え、「KEY TIMEZ」などのセレクトカジュアル業態を新たに立ち上げ、将来的に100億円超の事業規模を目指す方針を掲げています。アメーバ型の出店戦略により、成功事例を多角的に横展開することで、特定の層に依存しない盤石なポートフォリオの構築を急ピッチで進めています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年1月期 通期決算説明資料 P.4
売上高
23,734百万円
(前年比 +17.5%)
営業利益
1,956百万円
(前年比 +32.8%)
当期純利益
1,209百万円
(前年比 +55.6%)
2026年1月期は、国内でのインバウンド需要の継続的な増加と、実店舗の出店拡大が寄与し、大幅な増収増益を達成しました。当初の計画を上回るペースで推移したことから、2025年9月に上方修正を行いましたが、その修正後の目標も100%以上の進捗で無事に達成しています。販管費においては、人件費の上昇があったものの、売上拡大による効率化が進み、利益率の改善に繋がっています。
通期予想に対する進捗状況は、売上・利益ともに「計画達成」という極めて良好な結果となりました。中期経営計画の構造改革フェーズから成長フェーズへの移行が、数値面でも明確に裏付けられた形です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年1月期 通期決算説明資料 P.8
日本単体事業(株式会社TOKYO BASE)
事業内容: STUDIOUS、UNITED TOKYOなどの主要ブランドを国内の実店舗およびECで展開するグループの中核拠点。
業績推移: 売上高は218.9億円(前年比115.0%増)と極めて堅調。国内既存店が+11.1%の二桁成長を維持しています。
注目ポイント: インバウンド客の消費額が過去最高を更新しており、特に表参道や原宿、銀座といった路面旗艦店のプレゼンスが高まっています。「日本発を世界へ」を体現する接客プロフェッショナルとしての活躍機会が拡大しており、営業スタッフの正社員化による処遇改善が、そのまま現場の生産性向上に直結しています。
香港事業(TOKYO BASE H.K. LTD.)
事業内容: 香港・広東ロードエリアを中心としたセレクトショップ・ブランド店舗の運営。
業績推移: 売上高は7.1億円(前年比247.4%)。実質営業利益率は17.9%(※開業費用等を除く指標)と高収益を維持。
注目ポイント: ドミナント戦略が奏功し、地域内でのブランド認知度が急速に向上しています。海外初となるTHE TOKYOの出店など、高級志向の強いマーケットでの成功は、グローバルキャリアを目指す人材にとって非常に魅力的なフィールドとなっています。今後もさらなる多店舗展開を予定しています。
中国事業(東百国際貿易(上海)有限公司)
事業内容: 上海・北京など中国本土におけるSTUDIOUS、CONZ等の店舗運営。
業績推移: 不採算店舗の退店と移転を進め、第4四半期には単月での営業黒字化が定着しています。
注目ポイント: 従来の「ハイリスク・ハイリターン」から、適正賃料の「ミドルリスク型」店舗への移行を完了させました。収益構造の再構築が実を結びつつあり、次期からは本格的な利益回収フェーズに移行します。構造改革を推進できるタフなビジネスリーダーや、中国マーケットに精通した人材への需要が高まっています。
米国・韓国事業(非連結子会社)
事業内容: ニューヨークおよびソウルにおける新拠点の立ち上げと運営。
業績推移: 設立2年目の米国法人が営業利益黒字化を達成し、韓国法人も初年度から営業黒字で着地。
注目ポイント: まだ非連結(2026年1月期時点)ながら、早期の黒字化達成は同社のグローバル展開力の高さを証明しています。特にソウル狎鴎亭洞エリアでの増床成功は大きな手応えとなっており、複数店舗体制を整えた後の連結化を見据えた、ゼロからの拠点立ち上げ経験が積めるフェーズにあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年1月期 通期決算説明資料 P.39
次期(2027年1月期)は、売上高280億円、営業利益25億円というさらなる増収増益を計画しています。国内海外合わせて「15店舗以上の新規出店」を掲げており、特に新業態である「KEY TIMEZ」の多店舗展開が成長の鍵を握ります。同ブランドは、表参道ヒルズや新宿ルミネ2といった一等立地への出店が既に確定しており、セレクトカジュアルという巨大市場への本格参入がキャリアの新たなチャンスを生んでいます。
海外展開においても、5か国目として台湾への進出可能性を研究中であり、ロンドンやパリといったヨーロッパの大都市展開も見据えています。また、中長期的な目標として掲げている「M&Aの実施」についても引き続き模索されており、業界内の構造変化に対応できる柔軟な組織作りが進められています。人的資本への投資、新業態の垂直立ち上げ、そしてグローバル拠点の拡大という三本柱が、転職者にとっての挑戦のフィールドを劇的に広げています。
4 求職者へのアドバイス
TOKYO BASEの最大の魅力は、自らを「ファッションのプロフェッショナル集団」と定義し、それに見合う圧倒的な給与水準と実力主義を導入している点にあります。志望動機では、単なるファッションへの関心に留まらず、「日本のクリエイションを世界へ広める」という同社のミッションへの共感と、数値目標に対して主体的に成果を追求する姿勢を具体化することが重要です。特に、スターセールス制度のように個人の成果がダイレクトに評価される環境を歓迎する方は、非常に高いマッチングが期待できます。
・「全員正社員化という大きな変革を経て、現場のモチベーションや接客スタイルにどのような変化が生まれていますか?」
・「新業態の立ち上げペースが非常に速いですが、エース級の人材が共通して持っている素養や行動指針はどのようなものですか?」
・「海外店舗の黒字化が定着していますが、今後欧州や米国などの未踏エリアに挑戦する人材に最も期待する役割を教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
異なる価値観や発送を学ぶことができ視野が広がる
様々な背景を持つ社員が集まる、異なる価値観や発送を学ぶことができ、視野が広がります。
(30代後半・ショップスタッフ・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社TOKYO BASE 2026年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社TOKYO BASE 2026年1月期 通期決算説明資料



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