0 編集部が注目した重点ポイント
① SOMPOホールディングスと資本業務提携を締結
2025年12月にSOMPOホールディングスとの資本業務提携を発表しました。同社が鎌倉新書の株式10%を取得し、介護・保険・職域の各領域で強力な送客シナジーを創出します。巨大な顧客基盤を持つパートナーとの連携により、「終活インフラ」の構築が加速し、事業規模の飛躍的な拡大が期待されるフェーズに突入しています。
② 5期連続の過去最高益を更新し成長を継続
2026年1月期は売上高が前期比18.0%増、営業利益が同27.6%増となり、主要指標すべてで5期連続の過去最高更新を達成しました。株式報酬費用1.9億円を除いた実質的な営業利益は前期比48.4%増と極めて高い収益性を示しており、強固なビジネスモデルを背景に積極的な先行投資を継続できる財務体質を確立しています。
③ 官民協働と介護事業が次なる成長柱へ成長
地方自治体との連携を進める官民協働事業が売上高前期比33.7%増、介護事業が同24.8%増と大きく伸長しました。提携自治体数は500を超え、人口カバー率は約6割に達しています。従来の葬儀・お墓領域から、生前・介護領域へとビジネスの裾野が確実に広がっており、ITとオフラインを融合させた新たなキャリア機会が拡大しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年1月期 決算説明資料 P.4
売上高
8,335百万円
+18.0%
営業利益
1,161百万円
+27.6%
調整後EBITDA
1,653百万円
+44.5%
※調整後EBITDA = 営業利益 + 減価償却費等の非現金支出費用(事業の真のキャッシュ創出力を示す指標)
当期の連結業績は、売上高83.3億円(前期比18.0%増)、営業利益11.6億円(同27.6%増)と、全ての主要指標で過去最高を更新しました。特筆すべきは、事業成長の加速に伴い業績連動型新株予約権の行使条件を前倒しで達成し、株式報酬費用1.9億円を計上したことです。これを除いた実質的な営業利益率は16.2%に達しており、極めて強固な収益基盤を構築しています。
通期予想に対する進捗評価については、売上高が達成率96.9%となった一方、営業利益は101.0%、EBITDAは114.8%と、利益面では計画を上回る達成となりました。広告獲得効率の向上を優先した戦略が奏功しており、2027年1月期に向けても「順調」な進捗と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年1月期 決算説明資料 P.11
お墓事業
事業内容:ポータルサイト「いいお墓」を通じた霊園・墓石の紹介および斡旋サービスを提供。
業績推移:売上高2,545百万円(前期比+9.0%)、事業利益1,382百万円(同+11.1%)と安定成長。
注目ポイント:広告獲得効率の向上と、事業譲受した「ライフドット」の統合(PMI)が順調に進んでいます。高い利益率を維持しており、全社の成長投資を支えるキャッシュカウとして、さらなるシェア拡大を推進しています。
葬祭事業
事業内容:「いい葬儀」による葬儀社の紹介、および宗教者手配などの周辺サービスを提供。
業績推移:売上高1,520百万円(前期比+12.8%)、事業利益762百万円(同+58.2%)の大幅増益。
注目ポイント:コールセンターの自社運営(内製化)によるコスト削減と集客効率の改善が、利益率の大幅な向上をもたらしました。提携会館数が約400増加するなど、供給網の拡充も加速しています。
官民協働事業
事業内容:自治体と連携し、エンディングノート配布や「おくやみコーナー」設置などの住民支援を展開。
業績推移:売上高1,063百万円(前期比+33.7%)、営業利益295百万円(同+78.1%)と爆発的に成長。
注目ポイント:提携自治体数は508に達し、人口カバー率は約60%を突破しました。AI活用によるオペレーション改善で広告受注生産性が約2.2倍に向上しており、自治体ビジネスの成功モデルを確立しています。
介護事業
事業内容:「いい介護」を通じた介護施設の紹介。対面型の紹介事業を担う「ユウテル」を統合。
業績推移:売上高802百万円(前期比+24.8%)、営業利益83百万円(前期は△9百万円から黒字化)。
注目ポイント:オンライン集客に加え、オフライン営業人材を強化したことで成約数・単価ともに大幅伸長しました。子会社「エイジプラス」による孫会社の吸収合併(2026年2月)により、経営資源の集約と効率化を推進しています。
アセットマネジメント事業
事業内容:「いい相続」による相続手続き支援、および不動産関連の相談サービスを提供。
業績推移:売上高749百万円(前期比-16.3%)と、大手競合の台頭によりWeb集客が苦戦。
注目ポイント:Web集客は苦戦したものの、クロスユースの強化により回復の兆しが見えています。2025年12月には「株式会社KS不動産パートナーズ」を新設し、不動産関連の課題解決を内製化するなど、収益モデルの再構築を急いでいます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年1月期 決算説明資料 P.19
次期(2027年1月期)の連結業績予想は、売上高105億円(前期比26.0%増)、営業利益17億円(同46.3%増)と、利益成長をさらに加速させる強気な計画を掲げています。戦略の柱は「クロスユースの強化」「集客チャネルの多様化」「サービスの拡充」の3点です。
特に、SOMPOホールディングスとの提携は決定的な意味を持ちます。約8.6万人の利用者を抱えるSOMPOケアや、500万件超の契約を持つSOMPOひまわり生命との連携により、これまでリーチできていなかった巨大な層へのアプローチが可能になります。また、年間20万件の紹介データと63万件の音声データを活用したAI解析によるニーズ予測など、テクノロジーへの投資も積極的に継続する方針であり、データサイエンティストやAIエンジニアの需要も高まっています。
4 求職者へのアドバイス
鎌倉新書は現在、単なる「葬儀・お墓の紹介会社」から、高齢社会のあらゆる課題を解決する「終活インフラ企業」へと進化しています。SOMPOグループとの提携や自治体連携の拡大など、社会的インパクトの大きいフィールドで自身の専門性を発揮したいという想いを軸にすると、同社の戦略と強く合致するでしょう。
・「SOMPOグループとの資本業務提携において、私の担当領域では具体的にどのような連携シナジーを期待されていますか?」
・「クロスユース元年として掲げられていますが、サービス間送客を加速させるために現場で最も重視しているデータや指標は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
対応もよく丁寧に話を聞いてもらえた
古い業界に新しい技術を取り入れているのが斬新に見えたから。対応もよく丁寧に話を聞いてもらったと思います。不採用でしたがいい経験ができこの業界のことも勉強できました。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネで面接事例を見る]個々のキャリアプランに寄り添っていない
人を育成する視点がない。短期的な結果を求められるため異動が多く個々のキャリアプランに寄り添っていないように感じた。マニュアルや教育体制は皆無なので主体的に学べる人でないと厳しい。仕事のやりがいは特に感じなかった。
(20代後半・コールセンタースーパーバイザー・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社鎌倉新書 2026年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社鎌倉新書 2026年1月期 決算説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。