0編集部が注目した重点ポイント
①リーン・ニシカタ社の株式取得により「データ分析事業」を立ち上げる
2026年1月にデータ分析に強みを持つ株式会社リーン・ニシカタの株式を取得し、子会社化を完了しました。これにより、従来の調査データの納品に留まらず、AI(人工知能)を活用して顧客の課題解決を能動的に代行する「データ分析事業」を新たな経営の柱に据えています。専門人材の採用と体制構築が進んでおり、コンサルティング領域でのキャリア機会が大きく拡大しています。
②2026年11月期を再成長に向けた「人的資本投資」の期間と位置づける
当期を2027年以降の飛躍的成長に向けた投資期間と定義し、計画的な増員と採用を継続しています。第1四半期は人的資本投資による人件費増加(前年同期比26百万円増)等で減益となりましたが、これは中長期的な構造変革を優先した戦略的な判断です。人的資本やデジタル領域への積極投資により、2027年以降の「V字回復」を目指す組織基盤を構築しています。
③HRテック事業が前年同期比118.1%と二桁成長を継続する
在席管理ツール「せきなび」や従業員満足度調査「ASQ(アスク)」を展開するHRテック事業が、前年比18.1%増と順調に推移しています。セミナーやイベント活動を通じた顧客層の拡大が奏功しており、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)モデルによる安定的な収益基盤の構築が加速しています。リサーチ事業に次ぐ第2の収益源として、さらなる認知度向上に向けた広告投資も強化されています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年11月期 第1四半期決算説明資料 P.4
売上高
1,199百万円
(前年比 △1.3%)
営業利益
54百万円
(前年比 △52.4%)
親会社株主に帰属する四半期純利益
35百万円
(前年比 △55.0%)
売上高は、営業体制見直しに伴う一時的な影響により前年同期比1.3%減となりましたが、主力である調査会社向けの売上は14%伸長と復調傾向にあります。利益面では、外注比率の上昇に加え、計画通りの人的資本投資(増員)を優先した結果、営業利益は54百万円となりました。前年比では減益ですが、これは将来の再成長を見据えた意図的な「かがむ期間」におけるコスト増を反映したものです。
通期業績予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が25.5%、営業利益が27.0%に達しており、第1四半期の実績としては順調な進移です。第2四半期以降の挽回により、通期計画の達成は十分に可能であるとの見通しが示されています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年11月期 第1四半期決算説明資料 P.7
MR(マーケティング・リサーチ)事業
【事業内容】
オンライン・オフラインを網羅する総合リサーチサービス。主力はネットリサーチやリクルーティング(調査対象者の選定・確保)業務です。
【業績推移】
第1四半期売上高は1,092百万円。前年同期比0.6%減。一部業界の調整局面があるものの、主力顧客である調査会社向けが伸長しました。
【注目ポイント】
業界別組織への体制移行が奏功し、調査会社からの受注が前年比114.1%と大幅に伸びています。一方で、事業会社向けの直接受注拡大が課題となっており、コンサルティング型営業の強化に向けた人材募集を加速させています。
HRテック事業
【事業内容】
在席管理ツール「せきなび」、従業員満足度調査、ハラスメント防止ツール等の提供を通じ、従業員の総活躍を支援するプロダクト群です。
【業績推移】
第1四半期売上高は48百万円。前年同期比18.1%増と高い成長率を維持しており、ストック収益の積み上げが進んでいます。
【注目ポイント】
リサーチ事業で培ったシステム設計ノウハウと強固な顧客基盤を武器に、新規顧客を安定的に増やしています。現在は「売上構成比10%」の主力プロダクト化を目指しており、リード(見込み客)獲得から受注確度を高める営業体制の構築が進められています。
データ分析事業
【事業内容】
(注:当四半期より新規連結開始) 顧客の保有するデータとリサーチデータを統合し、AIを用いて経営課題の解決を能動的に支援する事業です。
【業績推移】
2026年1月に買収したリーン・ニシカタ社を中心に本格始動。通期では売上高150百万円の貢献を見込んでいます。
【注目ポイント】
労働集約型から「AI活用による知識集約型モデル」への転換を象徴するセグメントです。専門アナリスト集団の構築を急いでおり、高度な分析スキルを持つDX(デジタルトランスフォーメーション)人材にとって、立ち上げフェーズから関われる絶好の機会となっています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年11月期 第1四半期決算説明資料 P.48
アスマークは2026年を「投資期間(かがむ期間)」、2027年を「回収期間」、2028年を「飛躍期間」とする成長ロードマップを掲げています。最大の注目点は、従来のマーケティングリサーチの枠を超え、「AIデータエージェント」としてのポジションを確立しようとしている点です。AI技術を活用してリサーチ業務を徹底的に自動化し、浮いたリソースを高付加価値な分析業務へシフトさせる戦略です。
人的資本投資を加速させている背景には、日本発のアジア市場調査パートナーを目指す海外戦略の強化もあります。アジア・太平洋地域を中心とした体制強化を進めており、グローバルな活躍を志向する人材への需要も高まっています。M&Aやアライアンスも水面下で継続検討中であり、非連続な成長(ジャンプアップ)を実現するための起爆剤として期待されています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「リサーチデータの提供だけでなく、AIとデータを駆使した能動的な経営課題解決に挑戦したい」という姿勢が強力なアピールになります。また、同社が推進する「人的資本投資」への共感を示し、自身の専門性を活かして「2027年以降のV字回復に貢献したい」という未来志向のナラティブを構築するのが有効です。
面接での逆質問例
- 「リーン・ニシカタ社とのPMI(統合プロセス)において、現場の営業職やリサーチャーには具体的にどのようなスキルの拡張が求められていますか?」
- 「2028年の飛躍期間に向けたエンジニア採用において、どのような技術スタックや開発マインドを持つ人材が最もコアとなるとお考えですか?」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
世の中のいろんなサービスや製品に関われる
世の中のいろんなサービスや製品に関われます。みんながよく利用しているものや、これから世に出るものの調査に携わることができます。
(30代前半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]残業は当たり前にある
残業は当たり前にあります。定時退社ができるのは閑散期のみ。しかし、いつが閑散期なんだ?というほど常に忙しいです。受け皿の方が足りていない、設備不足などあるようです。
(30代前半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年11月期 第1四半期決算説明資料
- 2026年11月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



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