※本記事は、株式会社アスマーク の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、マーケティング・リサーチ事業を基軸に、労働人口減少という日本の課題解決に貢献するサービスを展開しています。国内外で独創的かつ高品質なマーケティング・リサーチサービスを提供し、顧客の発展に貢献しています。
単体従業員数は316名、連結従業員数は328名です。セグメントはマーケティング・リサーチ事業の単一です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)販売促進研究所、HSK-labなどです。
また、同社は2020年6月にHRテック事業を開始し、従業員のエンゲージメント向上や組織の働き方改革を支援するサービス「Humap(ヒューマップ)」を提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アスマークは、マーケティング・リサーチ事業を展開する企業です。同社グループでは、人材を重要な経営資源と位置づけ、社員一人ひとりの成長を支援する環境づくりに注力しています。柔軟な働き方を推進し、多様な人材が活躍できる職場を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
アスマークでは、比較的若い年齢層の従業員が中心となって活躍しており、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、若手社員がキャリアを築きながら成長していく環境があることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,672,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.1年 |
| 平均年齢 | 33.5歳 |
| 単体従業員数 | 316人 |
| 連結従業員数 | 328人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.3% |
アスマークは、従業員の退職給付制度として、確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度であり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
同社は非積立型の確定給付制度を採用しており、退職一時金制度では給与と勤務期間に基づいた一時金を支給しています。一部の連結子会社では、確定拠出型の制度として中小企業退職金共済制度を採用しています。
退職給付債務は63百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アスマークは、「同業他社には真似できない自社独自の価値を創造し続け独創的で高品質なサービスを提供する唯一無二のマーケティングリサーチ企業として成長し続けます」というミッションを掲げており、その達成には人材が最も重要な経営資源であると捉えています。そのため、人的資本を特に重視し、社員一人ひとりの可能性を引き出し、個人のビジョンと会社のビジョンが繋がることで共に成長していくという考えのもと、人材採用・育成および社内環境の整備を行っています。
具体的には、多様な人材の維持と育成、働きやすい職場づくりのため、リモートワークやフレックス制度などの柔軟な勤務制度を導入しています。また、リファラル採用を促進するための社員紹介制度や、社内研修の仕組みを設けることで、従業員のスキルアップとキャリア形成を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 36.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 83.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 58.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アスマークは、マーケティング・リサーチ事業を基盤とし、多様な顧客ニーズに応えるサービスを提供しています。労働人口減少という社会課題に対し、具体的な解決策とノウハウを提供することで貢献を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、マーケティング・リサーチ事業を単一セグメントとして展開しています。企業や公共機関が消費者のニーズを把握し、商品計画等に反映させるための情報を科学的に収集・分析するサービスを提供しています。オンライン・リサーチとオフライン・リサーチの両手法を網羅し、調査企画からレポート作成まで、マーケティング・プロセス全体をサポートしています。
具体的には、ウェブ調査表作成からデータ収集、集計、レポート作成までを行うオンライン・リサーチサービス、調査対象者のリクルーティングからオフラインでの実査、集計、レポート作成までを行うオフライン・リサーチサービス、そしてクライアントがオフライン調査を行う際に調査対象者を募集し会場へ誘導するパネル・リクルーティングサービスを提供しています。同社は、仮想バックルームを実装したオンラインインタビューツール「i-PORT voice」を独自開発し、高品質な定性調査を実現しています。また、マーケット・リサーチサービスに関する国際規格「ISO 20252」を取得しており、信頼性の高いサービス提供に努めています。
同社のリサーチは、調査会社、広告代理店、一般消費財メーカー、マスコミ関連企業など多岐にわたる顧客に利用されており、2025年11月末時点のクライアント社数は1,119社に上ります。事業の重要な要素であるリサーチ・パネルは、100万人を超える有効パネル数を有し、国内でも大規模な自社パネル基盤を構築しています。パネルの質向上にも注力しており、パネルポイント制度の導入やグレーパネルの排除といった対策を講じています。
また、同社グループはHRテック事業も展開しており、従業員のエンゲージメントやモチベーションを把握し、組織の働き方改革を支援するサービス「Humap」を提供しています。これは、労働人口減少という社会課題に対し、自社の経験とマーケティングノウハウを融合させたものです。同社グループの売上高は主に国内の外部顧客からのものであり、特定の主要顧客に依存することなく、幅広い顧客基盤を形成しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、2025年11月期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の連結業績推移は開示されていません。当連結会計年度の売上高は44.2億円、経常利益は2.9億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2.0億円となりました。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 44.2億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 2.9億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 6.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 2.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 174.91 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの稼ぐ力を見ると、2025年11月期における従業員1人あたり売上高は13.5百万円、従業員1人あたり営業利益は0.9百万円となっています。これらの数値は、同社グループの従業員が創出する収益と利益の規模を示しています。連結財務諸表の作成が当期からであるため、前期との比較によるトレンドは確認できません。
| 指標 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 13.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 0.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、財務基盤を堅固に維持しています。これにより、事業の持続的な成長と安定性が期待できる状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定しています。自己資本比率は62.6%と、プライム市場の平均と比較しても高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も12.7%と、プライム市場平均を上回る水準を示しています。
手元資金である現金及び預金も14.1億円を確保しており、事業運営における資金的な余裕がある状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を持ち、将来にわたる事業継続性や雇用・給与の安定性につながる要素であると言えます。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 14.5億円 | 15.9億円 |
| 自己資本比率 | - | 62.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 12.7% |
| 現金及び預金 | 13.4億円 | 14.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、将来への投資も行いつつ、余剰資金を確保している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは2.9億円の収入となっており、主に税金等調整前当期純利益や売上債権の減少が資金増加に寄与しています。投資活動によるキャッシュフローは1.4億円の支出であり、無形固定資産の取得や子会社株式の取得に資金を投じています。
これにより、事業拡大に向けた積極的な投資を行っていることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは1.0億円の支出となり、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な要因です。結果として、フリーキャッシュフローは1.4億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出す優良な資金循環が確立されています。これは、同社グループの事業が安定しており、将来の成長に向けた基盤が整っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 2.9億円 |
| 投資CF | - | △1.4億円 |
| 財務CF | - | △1.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 1.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、マーケティング・リサーチ事業およびHRテック事業において、業界競争の激化や大手企業による価格ダンピング、新規参入企業の増加による競争激化のリスクを認識しています。また、顧客企業のニーズが多様化する中で、顧客志向に立ったサービスを持続的に提供できない場合、顧客離れが生じる可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大のために優秀な人材の確保と育成が重要であると考えています。人材採用競争の激化などにより、期待する技能を持つ人材を確保できない場合や採用コストが増加するリスクがあることを認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アスマークは、独自の価値創造と高品質なサービス提供を通じて、顧客の市場での成功を支援することを目指しています。持続可能な社会づくりと課題解決に貢献する企業としての成長を追求する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なサービスを顧客に提供する」ことを経営理念として掲げています。ミッションとしては、「同業他社には真似できない自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なサービスを提供する唯一無二のマーケティング・リサーチ企業として成長し続ける」ことを目指しています。
そして、クライアントが市場で成功を収めるための支援を提供することで、持続可能な社会づくりと課題解決を目指しています。中長期的には、システム、人材、新規事業開発への積極的な投資を通じて、マーケティング・リサーチ事業の強化と事業展開の加速に努める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念とミッションの実現において、人材を最も重要な経営資源と捉え、特に人的資本を重視しています。社員一人ひとりの可能性を引き出し、個人のビジョンと会社のビジョンが繋がり、ともに成長していくことを大切にしています。
この考えのもと、人材採用・育成及び社内環境の整備を進めています。具体的には、多様な人材の維持・育成と働きやすい職場づくりのため、リモートワークやフレックス制度といった柔軟な勤務制度を導入しています。また、リファラル採用を促進する社員紹介制度や、社内研修の仕組みも設けています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長に向けた優先課題として、組織力の強化を挙げています。多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、社員全体のスキルアップを目的とした研修プログラムを充実させる方針です。
また、働きがいのある職場環境づくりを推進し、社員のエンゲージメントを高める施策を講じることで、社員が主体的に行動し、協力しながら成果を生み出せる組織風土の構築を目指しています。さらに、内部管理体制の強化も進め、リスク管理やコンプライアンス体制の整備、デジタル技術を活用した業務効率化を通じて、透明性と迅速性を兼ね備えた経営体制を構築するとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アスマークは取締役会設置会社であり、監査等委員会設置会社です。取締役会は6名の取締役で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アスマークの株主構成を見ると、代表取締役である町田正一氏が筆頭株主であり、創業家が上位に名を連ねています。また、事業会社であるビデオリサーチも主要な株主の一つとなっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 町田 正一 | 39.75% |
| ビデオリサーチ | 4.32% |
| 町田 香織 | 2.59% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は町田正一氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 町田 正一 | 代表取締役 | 1989年シンガポール株式会社入社後、複数の企業を経て、2001年12月に同社設立代表取締役に就任。日本マーケティング・リサーチ協会理事や八戸IT・テレマーケティング未来創造協議会会長も務め、2024年12月には株式会社販売促進研究所代表取締役に就任より現職。 |
| 飯田 恭介 | 取締役 管理部長 | 2002年海老公認会計士事務所入所後、株式会社マクロミル等を経て、2018年10月に同社入社し管理部長に就任。2019年2月より同社取締役に就任。2024年12月には株式会社販売促進研究所取締役に就任より現職。 |
社外取締役は、木原康博氏(MAM代表取締役)、鈴木親氏(元アマガサ取締役内部監査室長)、大内智氏(ベンチャー支援税理士法人代表社員)、塩月潤道氏(サニクリーン顧問)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が経営の監視・監督機能と経営への助言を通じて取締役会の透明性を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アスマークの役員報酬は、業績向上と企業価値向上へのモチベーションを高めることを目的としています。社外取締役および監査等委員である取締役には固定報酬のみが支給され、それ以外の取締役は固定報酬とストックオプションによる変動報酬で構成されています。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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