0 編集部が注目した重点ポイント
① M&A実施により開発体制を大幅に強化する
2024年12月に、AJ・Flat株式会社を完全子会社化しました。この買収により、グループ全体でのエンジニア数は811名体制となり、開発リソースが大きく拡充されています。人材獲得が困難なIT業界において、外部成長を通じた開発力の強化は、今後の大型案件受注に向けた重要なマイルストーンとなります。
② 活発なDX需要を背景に通期業績を上方修正する
国内製造業のデジタル化投資が好調なことから、2026年5月期の通期連結業績予想を上方修正しました。営業利益は前回予想から1.9%増の1,350百万円、純利益は3.4%増の900百万円を見込みます。不採算プロジェクトの管理高度化も進んでおり、収益性の安定化と中長期的な成長基盤の強化が同時に進行しています。
③ 戦略的協業によるMES領域での提案力を高める
生産管理パッケージ「mcframe」を展開するビジネスエンジニアリング株式会社との協業関係をさらに強化しています。同社の持つ生産管理領域と、自社の強みである設備制御領域を融合させたMES(製造実行システム)ソリューションの展開を加速。スマートファクトリー化の加速に伴う高度なシステムニーズに対応できる体制を整えています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年5月期第3四半期 決算説明資料 P.8
当第3四半期累計の売上高は9,203百万円となり、前年同期の7,652百万円から大きく伸長しました。営業利益についても、一部の不採算プロジェクトの影響を限定的な水準に抑えつつ、前年比18.3%増の二桁成長を達成しています。自己資本比率は前連結会計年度末の53.9%から62.0%へと改善しており、財務基盤の健全性も向上しています。
通期業績予想12,000百万円に対する売上高の進捗率は76.7%に達しており、期初予想を上回るペースで推移していることから、業績の進捗は順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年5月期第3四半期 決算説明資料 P.12
組込み関連事業
事業内容:自動車産業向けの車載組込みソフト開発や、民生・産業機器メーカー向けの次世代製品開発を担います。
業績推移:売上高は3,018百万円となり、前年同期比で16.5%増と二桁の増収を達成しています。
注目ポイント:自動車業界におけるSDV(ソフトウエアで車の機能を更新する考え方)化の加速により、電動化やコネクティッド領域での需要が急拡大しています。エンジニアのスキル高度化やAI活用の推進により、技術面での難易度が高まる顧客ニーズへの対応力を強化。最先端のモビリティ開発に携わりたい技術者にとって魅力的なフィールドです。
製造・流通及び業務システム関連事業
事業内容:生産・倉庫管理を支えるMES、WMS、DX支援ソリューション「PlusFORCE」等の開発・導入支援を行います。
業績推移:売上高は4,771百万円と前年比29.0%増。成長率・売上規模ともにグループ最大です。
注目ポイント:省人化・自動化への投資が極めて活発であり、物流ロボット(AGV等)を活用した構内物流の効率化案件などが拡大中。ビジネスエンジニアリング社との協業による「mcframe」関連開発の体制強化も進んでおり、製造現場のプライム案件(元請け案件)比率向上に伴う上流工程からのキャリア機会が豊富です。
金融・公共関連事業
事業内容:大手SIerとの連携による公共分野のシステム開発や、デジタル庁関連のデジタル化案件に対応します。
業績推移:売上高は1,325百万円で前年並みの推移。大型案件完了後の次期案件獲得に向けた端境期にあります。
注目ポイント:「社会全体のデジタル改革」を掲げるデジタル庁の政策動向に合わせ、公共ヘルスケア領域を重点領域として強化しています。日立グループなどの大手パートナーとの盤石な協力関係を基盤に、安定した環境で社会貢献度の高い大規模プロジェクトに従事できる点が特徴です。
その他事業
事業内容:新子会社のAJ・Flat株式会社における一般事務派遣など、他セグメントに属さない事業を管理します。
業績推移:売上高は88百万円。前年3Q時点(37百万円)から132.5%増と急拡大しています。
注目ポイント:子会社の連結開始により、前年同期とは単純比較できない構造的な変化が生じています。グループ全体の事務機能やオペレーションを支える重要な役割を担っており、M&Aを通じた事業多角化の成果が数値に表れ始めています。※(注:前年同期は一部未連結のため単純比較不可)
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年5月期第3四半期 決算説明資料 P.29
同社は今後もさらなる成長を見据えた積極的なM&Aを追求しており、開発体制の拡充を加速させる方針です。また、従来の労働集約型モデルから「顧客事業協業型」へのシフトを掲げており、AI技術の活用や開発効率の向上を通じた収益性の改善に注力しています。
人的資本経営の一環として、継続的なベースアップの実施や第二新卒採用の拡充、社員のリスキリング支援を強化。優秀なエンジニアの確保と定着に向けた取り組みを本格化させています。不採算プロジェクトの発生という課題に対しても、見積精度向上や生産性改善を通じて中長期的な成長基盤を固める段階にあります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「製造業DX」や「SDV化」といった産業界の構造変化に対し、同社がどのように自社の強み(設備制御、組込み技術)を融合させているかに着目しましょう。「PlusFORCE」によるDX支援や、ビジネスエンジニアリング社との強固なパートナーシップなど、具体的な戦略を志望動機に絡めると説得力が高まります。また、M&Aを通じた急拡大期に自身の専門性をどう貢献させたいかを伝えるのが有効です。
面接での逆質問例
・「労働集約型から顧客事業協業型へのシフトを進める中で、具体的にどのような開発プロセスの変革や役割の変化が求められていますか?」
・「M&Aによるグループ化が進む中、新規参入した組織との技術交流やシナジー創出のために、現場レベルではどのような取り組みが行われていますか?」
・「AI技術の活用による開発効率化について、具体的にどのフェーズでの導入が最も進んでいると感じられますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 東海ソフト株式会社 2026年5月期第3四半期 決算説明資料
- 東海ソフト株式会社 2026年5月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



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