0 編集部が注目した重点ポイント
① 三幸メディカルを子会社化し卸機能を内包する
令和8年2月13日付で医薬品卸売の株式会社三幸メディカルの株式を取得しました。これによりグループ内に卸機能を持ち、調剤事業の安定供給と収益性向上を図ります。同時に関東圏で16店舗の薬局を承継し、ドミナント戦略を強化したことで、当該地域でのキャリア機会が大きく拡大する見込みです。
② 調剤薬局事業の利益が前期比222.2%増と急伸する
主力の調剤薬局事業において、売上高が前年同期比12.3%増、セグメント利益が222.2%増と大幅な増益を達成しました。過去のM&Aによる店舗数拡大に加え、地域支援体制加算などの調剤技術料が着実に増加したことが寄与しています。収益構造の改善が進んでおり、現場の薬剤師が専門性を発揮しやすい環境が整っています。
③ 中期経営計画のKPI達成へ向けた教育体制を整備する
2027年5月期を最終年度とする中期経営計画に基づき、かかりつけ薬剤師の育成に向けた独自のオンライン研修プログラムを開始しました。また、「カフェにゃーまらいず」などの健康支援プログラムを全国87店舗へ展開し、目標を上方修正するなど、地域医療の窓口としての機能強化が加速しています。
1 連結業績ハイライト
出典:ファーマライズホールディングス株式会社 令和8年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.3
第3四半期累計期間の業績は、前年度に実施した積極的なM&Aにより店舗数が増加したことや、既存店の利益改善が進んだことで、営業利益が前年比6倍超という驚異的な伸びを見せました。人件費や販管費の削減、本部業務の効率化といった構造改革の成果も利益面を力強く支えています。
通期計画に対する進捗率は、売上高が約75.7%と順調に推移しています。一方で営業利益の進捗率は約53.7%と目標の半分を超えた段階にありますが、三幸メディカルのグループ入りによるシナジー創出を現在精査中であり、最終四半期での追い上げが期待される状況です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:ファーマライズホールディングス株式会社 令和8年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.6
調剤薬局事業
事業内容:処方せんに基づく調剤、在宅・施設調剤、OTC緊急避妊薬の販売など(ファーマライズ株式会社、北海道ファーマライズ株式会社、株式会社ヘルシーワーク等)。
業績推移:売上高43,004百万円(前期比+12.3%)、セグメント利益974百万円(前期比+222.2%)。
注目ポイント:三幸メディカルの株式取得(令和8年2月)により、新たに医薬品卸機能を内包しました。これにより調剤店舗数408店舗(3Q末時点)の薬剤供給体制が安定し、収益性が大幅に向上。DX活用による服薬フォローの充実や公式LINE導入など、デジタル化を推進できる薬剤師やMCS(医療事務職等)への期待が高まっています。
物販事業
事業内容:ドラッグストア(薬のヒグチ等)の運営、OTC医薬品や日用雑貨の販売。
業績推移:売上高6,009百万円(前期比-9.3%)、セグメント損失68百万円(前年は35百万円の損失)。
注目ポイント:不採算店舗の閉店を進めており、店舗数は52店舗(調剤併設含む)となりました。競争激化により厳しい状況が続いていますが、今後は収益性の高い新店舗開発を強化。調剤薬局事業とのシナジーを生かした新しい店舗運営の形を模索しています。
医学資料保管・管理事業
事業内容:医療機関等の医学資料の保管・配送・廃棄管理業務(株式会社寿データバンク)。
業績推移:売上高489百万円(前期比+6.6%)、セグメント利益77百万円(前期比+102.6%)。
注目ポイント:保管料収入が堅調に推移し、人件費などの費用削減が進んだことで大幅な増益を達成しました。ニッチながらも安定した収益基盤となっており、効率的なオペレーション管理のノウハウが蓄積されています。
医療モール経営事業
事業内容:医療モールの賃貸・管理運営、テナント医療機関への事務支援等。
業績推移:売上高383百万円(前期比-0.3%)、セグメント利益68百万円(前期比-15.1%)。
注目ポイント:人件費や医療機器更新による減価償却費の増加により減益となりました。しかし、入居医療機関への事務管理料や賃料の見直しを予定しており、利益の維持・向上に向けた施策が打たれています。
その他事業
事業内容:システムインテグレーション、人材派遣、電子お薬手帳「ポケットファーマシー」の販売等(株式会社ミュートス、株式会社メディカルフロント等)。
業績推移:売上高669百万円(前期比-16.7%)、セグメント損失129百万円(前年は28百万円の損失)。
注目ポイント:新製品開発に伴うコストや人材紹介事業の成約数減少により赤字幅が拡大。しかし、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進はグループ全体の重要戦略であり、電子お薬手帳の登録者数は13.6万人を超えるなど、将来の成長に向けた投資期間と位置づけられています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:ファーマライズホールディングス株式会社 令和8年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.36
中期経営計画では、令和10年5月期に売上高700億円、営業利益16億円という野心的な目標を掲げています。直近の三幸メディカルの取得は、医薬品流通の効率化とドミナントエリアの拡充を同時に実現する一手であり、今後の収益性向上に寄与する見込みです。
採用面では、単に店舗を回す薬剤師だけでなく、地域医療の中心として「相談窓口」を担える人材や、デジタルツールを活用して患者のQOL(生活の質)向上を支援できるITリテラシーの高い人材が強く求められています。PMI(買収後の統合プロセス)を完遂させるためのリーダーシップを持った管理職候補にとっても、多くの挑戦機会がある環境と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
「従来の枠を超えた薬剤師の職能」に興味がある方には最適な環境です。卸機能を内包した供給体制の安定や、デジタルツール(電子お薬手帳、LINE)を活用した継続的な患者フォローなど、同社ならではの強みに着目しましょう。地域住民に寄り添う「カフェにゃーまらいず」のような活動への共感も、強いアピール材料になります。
- 「三幸メディカルの株式取得により、店舗現場での医薬品調達や在庫管理フローはどのように変化していく予定でしょうか?」
- 「かかりつけ薬剤師の同意書枚数が順調に増加していますが、個々の薬剤師の評価制度にはどのような指標が盛り込まれていますか?」
- 「地域連携薬局や専門医療機関連携薬局のさらなる拡充に向け、現場スタッフが挑戦できる具体的なキャリアパスはありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ファーマライズホールディングス株式会社 令和8年5月期 第3四半期 決算説明資料
- ファーマライズホールディングス株式会社 令和8年5月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



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