※本記事は、株式会社ノースサンド の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ノースサンドは、ITコンサルティング、ビジネスコンサルティング、そしてNotionサービスを提供する総合コンサルティング会社です。「世界をデザインする」というビジョンと「カッコいい会社を増やす」というミッションのもと、お客様の多様なニーズに対応しています。
単体従業員数は1,762名です。事業セグメントはコンサルティング事業の1つです。
ノースサンドは東京本社の他、大阪及び福岡に拠点を構え、コンサルティング事業を単一のセグメントとして展開しています。
同社は第10期に連結子会社であったローレンロス・ジャパンを清算し、以降は連結財務諸表を作成していません。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ノースサンドは、「人」にフォーカスしたコンサルティング会社として、人的資本経営を重視しています。多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、従業員数が大きく増加している傾向が見られます。
従業員一人ひとりの成長と定着を支援する環境づくりに力を入れており、働きがいを重視する方にとって注目すべき企業と言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員数が大幅に増加している成長フェーズにあり、平均年齢は比較的若く、平均勤続年数は短めの傾向が見られます。これは、新しい人材が継続的に加わり、組織が拡大している状況を示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,893,000円 |
| 平均勤続年数 | 1.8年 |
| 平均年齢 | 32.1歳 |
| 単体従業員数 | 1,762人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は確定拠出年金制度を採用しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ノースサンドは、「人」を大切にする価値観を経営理念の中核に据え、人的資本への投資を最重要課題の一つとしています。人間力を高めるための行動指針「8RULES」を掲げ、従業員のエンゲージメント強化を図っています。
人材獲得においては、人間力を重視した採用を徹底し、特定の業界・職種にとらわれない多様な人材を確保しています。独自開発の人間力診断ツール「Northsand Quotient(NQ)」を活用し、入社後のミスマッチを低減しています。リファラル採用や内定者交流イベント、公式YouTubeチャンネルでの情報発信も積極的に行っています。
人材育成では、未経験者でも着実にスキルアップできるよう、コンサルタントに必要なスキルを体系的に学べる研修制度を整備しています。社内提案会や社内クラウドソーシング制度「クエスト制度」を通じて、お客様先以外でもスキルを活用できる機会を提供し、従業員のさらなる成長を支援しています。
人材の定着率向上に向けては、従業員一人ひとりを会社の最も重要な財産と認識し、長期的に安心して働ける環境整備に注力しています。コンサルタントの悩みに寄り添う支援体制として、育成チーム、フォローアップチーム、案件開拓支援チーム、心身の健康サポートチームを構築しています。全社員集会や多様な社内イベントの開催、健康経営の推進にも力を入れ、「健康経営優良法人2026」に認定されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 72.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 73.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 75.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 91.1% |
多様性
2026年1月期のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女比率(男性) | 73.8% |
| 男女比率(女性) | 26.2% |
組織風土
株式会社リンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド」によって算出されるエンゲージメントスコアに基づき、DD~AAAまでの全11段階にランク付けされます。AAAは最上位の評価であり、2026年1月期のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメントレーティング | AAA |
採用・異動・離職
2026年1月期のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 離職率 | 7.6% |
労働力
2026年1月期のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 総従業員数 | 1,762名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ノースサンドは、ITコンサルティングとビジネスコンサルティングを主軸に、お客様の課題解決と持続的な成長を支援する総合コンサルティング会社です。同社は「世界をデザインする」というビジョンのもと、「カッコいい会社を増やす」ことをミッションに掲げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ノースサンドは、コンサルティング事業を単一セグメントとして展開しています。主にITコンサルティング、ビジネスコンサルティング、そしてNotionサービスの提供を行っています。
ITコンサルティングでは、事業戦略の実行をサポートするため、IT中期計画の策定からアーキテクチャのデザイン検討、IT運用コストの削減まで、幅広い領域で支援を提供しています。ビジネスコンサルティングでは、マーケティング、セールス、人事といったNon-IT領域における業務改善、戦略策定、実行支援を行っています。
また、同社は情報共有ツール「Notion」の世界初の販売代理店として、ライセンス提供から導入設計、運用定着支援まで一貫したNotionサービスを提供しています。これらのサービスを通じて、お客様のビジネス成果を最大化するための戦略を提供し、実行フェーズまでをサポートしています。
同社のコンサルティングサービスは「人にフォーカス」を当てたアプローチが特徴です。お客様の内部事情やカルチャーを踏まえ、高い人間力を持ったコンサルタントが課題解決を進めています。サービス提供と案件開拓は分業体制となっており、コンサルタントはサービス品質向上に専念し、営業要員は案件開拓に集中することで、経営効率を高めています。
収益は、これらのコンサルティングサービスおよびNotionサービスの提供から得ています。2026年1月期においては、株式会社日立製作所への販売実績が全体の一定割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の業績は、直近の事業年度において売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも大幅な増加を示しています。特に、売上高は前期から大きく伸長し、利益もそれに伴い大きく成長する傾向が見られます。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 91.9億円 | - | - |
| 経常利益 | - | - | 10.7億円 | - | - |
| 経常利益率 | - | - | 11.6% | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 7.2億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 11.99 | - | - |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ノースサンドは、財務基盤が堅固であり、事業活動を通じて安定的に資金を生み出している状況です。将来に向けた投資も積極的に行いながら、手元資金を厚くしています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ノースサンドの自己資本比率は、前期から大幅に増加し、高い水準となっています。これは、同社の財務基盤が安定していることを示しています。手元資金である現金及び預金も大きく増加しており、事業運営における十分な流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 30.3億円 | 165億円 |
| 自己資本比率 | 43.3% | 75.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 32.8億円 | 146億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ノースサンドの当期における営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。主な増加要因は税引前当期純利益の計上や未払消費税等の増加であり、事業の収益性が資金の流れに反映されています。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスですが、これは敷金及び保証金の差入による支出が主な要因であり、事業拡大に伴う投資が行われていることを示しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは株式の発行による収入が主な増加要因であり、資金調達を積極的に行っています。結果として、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリーキャッシュ・フローはプラスであり、同社は事業活動で得た資金を投資に回しつつ、余剰資金を確保している優良な状態です。この資金の流れは、同社の事業が安定的に成長し、将来への投資も行われていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる傾向があります。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 19.3億円 | 42.9億円 |
| 投資CF | △3.8億円 | △18.7億円 |
| 財務CF | 1.3億円 | 89.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 15.6億円 | 24.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、売上高上位20社に対する売上高が全体の57.4%を占めており、特定顧客への依存に関するリスクを認識しています。これらの主要顧客の経営方針変更や業績悪化が生じた場合、同社の財務状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社が手掛けるコンサルティングサービス事業は競争が激化しており、競合他社とのサービス競争に適切に対応できない場合には、同社の財務状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、持続的な成長に向けて、カルチャーにマッチした人材の獲得とコンサルタントの育成に注力しています。しかし、コンサルティング業界における激しい人材競争の中で、計画どおりに人材を確保し育成することが困難な場合や、他社に人材が流出するリスクがあることを認識しています。これにより、競争力の低下や事業拡大の制約、顧客へのサービス品質の低下が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ノースサンドは、「世界をデザインする」というビジョンと「カッコいい会社を増やす」というミッションを掲げ、コンサルティングサービスを通じて社会をより良くすることを目指しています。同社は、コンサルタントの「スキル」よりも「人」に焦点を当て、人間力を重視する独自の企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ノースサンドは、「世界をデザインする」というビジョンと「カッコいい会社を増やす」というミッションを掲げています。同社は、世の中にまだない新しい価値を提供するコンサルティング会社を目指しています。これらのビジョンとミッションには、コンサルティングサービスを通じて顧客企業の従業員が活き活きと働くことで、社会全体をより良いものにデザインしていくという想いが込められています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ノースサンドは、コンサルティングの「スキル」よりも「人」に焦点を当てた企業風土を大切にしています。同社は「愛嬌」「素直さ」「しつこさ」といった人間力を重視し、これを磨き上げるための行動指針として「8RULES」を掲げています。この「8RULES」は全従業員の共通言語として浸透が図られています。
また、同社は「ファンづくりサイクル」を強みとしています。これは採用活動、組織運営、営業・コンサルティングサービスを通じて、関わる人々を同社の理念や考え方に好意を持つ「ファン」にしていく仕組みです。このサイクルを循環させることで、持続的な成長を実現しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ノースサンドは、持続的な成長に向け、カルチャーにマッチする人材の確保と育成強化を重要な課題としています。同社は「愛嬌・素直さ・しつこさ」を持つ人材の採用を重視し、「ファンづくりサイクル」施策を推進しています。また、高度化・複雑化する課題に対応できるコンサルタントの育成も不可欠と認識しています。
具体的には、プロジェクト現場でのコミュニケーション強化やナレッジ共有、OJTの徹底により、個人が組織とともに成長できる環境を整備しています。職位別研修やベーススキル研修、社内クラウドソーシング制度(クエスト制度)を通じて、コンサルタントのスキル向上を支援しています。
さらに、同社は業務運営の効率化とリスク管理の観点から、内部管理体制の強化にも取り組んでいます。コンプライアンスの徹底や内部統制の強化、人的体制の充実、定期的な内部監査の実施を通じて、体制強化に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ノースサンドは、取締役会と監査等委員会を設置し、経営の監督機能と業務執行の迅速性を両立させる体制を構築しています。独立社外取締役が経営の透明性と健全性を高める役割を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ノースサンドの株主構成を見ると、代表取締役社長の資産管理会社が筆頭株主となっています。また、複数の取締役や執行役員の資産管理会社、および個人名義の株式が上位に名を連ねており、経営陣が主要な株主として同社を支える体制であることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| グーニーズ | 43.48% |
| 前田 知紘 | 6.09% |
| UBS AG LONDON A/C IPB SEGREGATED CLIENT ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 3.65% |
| 河野 智晃 | 3.48% |
| ファン | 3.48% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長CEOは前田知紘氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 前田 知紘 | 代表取締役社長CEO | 2002年4月ベルシステム24入社、2006年6月サイベース(現SAPジャパン)入社、2012年3月ベイカレント・コンサルティング(現ベイカレント)入社、2015年8月同社入社、2016年7月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 佐々木 耕平 | 取締役CHRO | 2009年4月ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)入社、2013年11月ベイカレント・コンサルティング(現ベイカレント)入社、2015年12月同社入社、2019年3月同社取締役兼執行役員人事担当就任、2026年1月同社取締役就任より現職。 |
| 河野 智晃 | 取締役CSO | 2009年4月ベイカレント・コンサルティング(現ベイカレント)入社、2015年10月同社入社、2019年2月同社取締役兼執行役員営業担当就任、2026年1月同社取締役就任より現職。 |
| 小久江 省隆 | 取締役CFO | 2001年4月中部電力入社、2012年10月ニューヨーク州弁護士登録、2017年3月デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社入社、2022年4月同社入社、2026年1月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、楠本美砂氏(グロービス パートナーファカルティ)、渡邉迅氏(名川・岡村法律事務所 副所長・監査等委員)、田中俊太氏(シュノリーモ 代表取締役・監査等委員)です。
同社は2026年4月28日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しています。独立社外取締役が過半数を占める監査等委員会を設置し、経営の透明性及び健全性の強化を図る体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ノースサンドの役員報酬は、固定報酬を基本とし、取締役の地位や職責に応じた報酬と、業績を勘案した報酬の2つの要素で構成されています。業績を勘案した報酬は、直近事業年度の営業利益に一定の比率を乗じて算出された額を基本とし、期初予算の達成度に応じて算定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 2.8億円 | 70.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 15百万円 | 5.0百万円 |
同社の役員報酬等の総額は3.09億円であり、対象となる役員の合計は8名です。
個人別報酬が開示されている役員は、前田知紘氏(1.00億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。