0 編集部が注目した重点ポイント
① 介護事業のM&Aと決算期変更による経営効率化を推進する
2025年10月に、兵庫県尼崎市を中心に高齢者住宅を展開する株式会社リンクハートを連結子会社化しました。また、2026年2月期より決算期を5月から2月に変更。当期は9カ月の変則決算となりますが、グループ経営のスピードアップと効率化を図っており、介護領域でのキャリア機会が大きく拡大しています。
② 学習塾事業の拠点統廃合と首都圏シフトで収益基盤を強化する
少子化を見据えた「スクラップ&ビルド」を断行し、2026年春に関西の不採算16教室を閉鎖する一方、人口密集地の首都圏(埼玉中心)へ新規出店を進めています。拠点の大型化とデジタル教材の融合により、1拠点あたりの生産性を高める構造改革が初期成果として現れ始めています。
③ 1株あたり5円の下限配当を導入し安定的な還元姿勢を鮮明にする
2026年1月、新たな株主還元方針として「連結配当性向30%」に加え、業績にかかわらず1株あたり5円の下限配当(フロア)を設定しました。社会価値を経済価値に転換する「一生支援企業」としての持続的な成長への自信の表れであり、長期的な視点で安心して働ける経営基盤が整いつつあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.7
2026年2月期は決算期変更の経過期間により、2025年6月から2026年2月までの9カ月間となります。この変則期間において売上高は予想比+1.1%、営業利益は予想を22.1%上回る481百万円を達成しました。不採算拠点の統廃合によるコスト構造の最適化が、利益面で大きく寄与しています。
当期純利益については、将来の回収可能性を検討し、不採算拠点の統廃合に伴う減損損失229百万円を特別損失として計上したため69百万円に留まりましたが、これは来期以降の収益性向上に向けた「攻めの構造改革」の一環です。
当期は全社的な効率化が進み、通期(9カ月)予想に対して売上高、利益項目ともに超過達成しており、業績は極めて順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.10
学習塾事業
事業内容:小学生から高校生を対象とした集合・個別指導塾の運営。国内および海外(NY、広州等)で展開。
業績推移:売上高7,710百万円(前年同期比1.0%減)ながら、セグメント利益は1,326百万円(同6.0%増)と増益。
注目ポイント:少子化の中でも、高校授業料の実質無償化を追い風に高付加価値サービスへのシフトを加速。不採算教室16拠点の閉鎖と首都圏での新規開設という大胆なスクラップ&ビルドを完遂しました。対面指導とデジタル教材を融合したハイブリッド型教育への変革が進んでおり、現場での指導スキルに加え、デジタル教育サービスの企画・運営人材のニーズが高まっています。
語学関連事業
事業内容:英会話「ユニバーサルキャンパス」、日本語学校「京進ランゲージアカデミー」、外国人就業支援など。
業績推移:売上高3,336百万円(前年同期比2.5%増)。海外拠点の渡航制限影響により利益は苦戦。
注目ポイント:国内の日本語学校は新規留学生の受け入れが好調。2026年4月には日本語教育関係の子会社4社を統合し、経営資源の最適化を図っています。文部科学省の「認定日本語教育機関」制度移行を市場シェア拡大の好機と捉えており、コンプライアンス管理や教務品質の高度化が急務です。グローバルな教育現場と、組織統合によるバックオフィス機能の強化に携わるチャンスがあります。
保育・介護事業
事業内容:保育園「HOPPA」、高齢者住宅「ライフパートナー」、訪問介護、配食サービス等。(注:株式会社リンクハートは2025年10月より連結)
業績推移:売上高9,274百万円(前年同期比6.0%増)、利益同10.1%増と成長を牽引。
注目ポイント:グループ最大の売上規模に成長。2026年4月には「小1の壁」に応える民間学童保育「HOPPA長岡京校」を開校し、幼児から小学生、高齢者までを支えるシナジーを具体化しています。DXによる生産性向上が算定要件となる介護報酬改定を見据え、ICT活用を推進中。現場のホスピタリティとテクノロジーを融合させる、新しい福祉モデルの構築に参画できる魅力的なフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.31
来期(2027年2月期)は、9カ月決算から12カ月決算へ戻ることに加え、構造改革の成果がフルに寄与するフェーズとなります。売上高は調整後通期比較で5.6%増の28,505百万円、営業利益はコスト構造の最適化を継続し、46.7%増の785百万円を見込んでいます。
特筆すべきは「自立型採用基盤」の強化です。学習塾のアルバイト講師が新入社員の30%以上を占める独自の採用力に加え、今後は日本語教育事業や国際人材交流事業を通じて、外国人材を自社の介護拠点へ供給するモデルを拡充します。人手不足という社会課題をグループ内のシナジーで解決するこの仕組みは、持続的な成長を支える強力な武器となります。2026年7月には「中長期のありたい姿」の公開も予定されており、ビジョンに共感する人材にとって大きなチャンスが開かれています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「塾の京進」から「一生支援企業」への変革期にあるため、事業間シナジーへの関心を示すことが有効です。例えば、教育事業での知見を学童保育や介護現場でのリハビリ・学びにどう活かせるか、といった具体的な提案を織り交ぜると、同社が推進する「ステキな大人が増える未来をつくる」というビジョンへの理解度をアピールできます。
面接での逆質問例
「介護事業において2026年度の報酬改定でICT活用による生産性向上が求められますが、現場でのDX推進において最も大きな課題は何だと認識されていますか?」や、「日本語教育事業の会社統合により、国内シェア拡大に向けた人員配置や人事交流はどう変化していく予定でしょうか?」など、経営戦略の足元の進捗に踏み込んだ質問が好印象です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自分のペースで仕事を進められる
個別指導の業務では一人での作業が多く、自分のペースで仕事を進められるのは魅力的です。残業はほとんどなく、プライベートの時間を確保しやすい環境です。
(20代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]教える時間を確保するのが難しい
入社前は教育に専念できると思っていましたが、実際には生徒募集や事務作業が多く、教える時間を確保するのが難しいです。
(20代後半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年2月期 決算説明資料



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