0 編集部が注目した重点ポイント
① ブックセンター事業から撤退しホームセンターへ経営資源を集中する
当事業年度中に最後の1店舗を閉店したことで、ブックセンター事業をすべて終了しました 。2026年2月期末をもって同事業から完全に撤退し、今後は強みであるホームセンター事業の専門部門へ資源を集中します。これにより、中核事業でのキャリア機会が拡大する一方、関連事業売上高の減少といった前年同期比データへの影響には留意が必要です。
② 新店の計画乖離で減損損失507百万円を計上し赤字転落となる
新店の事業計画が実績と乖離したことを主要因として、店舗の固定資産について507百万円の減損損失を特別損失に計上しました 。店舗閉店に伴う固定資産除却損63百万円なども重なり、当期純利益は361百万円の赤字を記録しています。現在は不採算店舗の計画的な閉鎖を進め、収益構造の改革を推進中です。
③ JAとの協業店舗を13店へ拡大し農業部門の営業力を強化する
島根県・広島県の両県においてJAとの業務提携や包括連携を推し進め、JA商品の取扱店舗を現在13店舗まで拡大しました 。一般流通では扱えないプロ農家向けJAブランド商品の展開を強化することで他社との差別化を図り、農業・園芸部門を起点とした確実な売上回復と顧客ロイヤリティ向上を実現しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.11
営業収益
43,040百万円
前年比:-3.0%
営業利益
238百万円
前年比:-49.6%
経常利益
208百万円
前年比:-54.4%
当期純損失
▲361百万円
前年:152百万円(黒字)
※本決算の数値はすべて非連結(個別)業績となります。
当事業年度の営業収益は43,040百万円(前年比3.0%減)、営業利益は238百万円(同49.6%減)と、断続的な物価高に伴う買い控えが客数減少を招き、減収減益の厳しい決算となりました。さらに新店計画が乖離した店舗の固定資産について減損損失507百万円などの特別損失を計上したことで、当期純損失は361百万円の赤字を計上しています。
なお、本資料は通期決算の実績報告であるため、当初の通期計画に対する進捗状況は100%(確定)となりますが、次期(2027年2月期)の通期業績予想では、営業利益420百万円(76.4%増)と大幅な黒字化回復を見込んでいます。新物流センターの本格稼働によるコスト抑制効果などを背景に、着実な業績改善のフェーズへ入ることが示されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.17
農業・園芸部門
事業内容:園芸・農業用品、園芸植物、農業資材、切り花、農業機械などの販売を行う、同社の強みが最も発揮される最注力部門です。
業績推移:当事業年度の売上高は11,902百万円(前年度比194百万円増)と、主要商品部門の中で唯一の増収を達成し底堅く推移しています。
注目ポイント:酷暑による秋口の需要停滞はあったものの、米価格の高騰を背景に農家向けの資材や刈払機が好調でした。JAとの包括提携による他社との圧倒的な差別化を進めており、プロ農家の課題を解決できるグリーンアドバイザー等の専門人材の育成と、同部門を起点とした営業力の強化が最優先で求められています。
建築・DIY部門
事業内容:工具、補修・塗装用品、作業衣料、住設・エクステリア用品、建築金物、木材・建材など、プロやDIY層向けのハード商品を扱います。
業績推移:当事業年度の売上高は11,537百万円(前年度比207百万円減)となり、建築業界全体の低迷を背景に販売数が伸び悩みました。
注目ポイント:新築着工数減少や暖冬による冬物作業衣料の減少に直面した一方、酷暑によるファン付き衣料等の夏物作業衣料は大きく伸長しました 。島民やプロ顧客へのサービス向上を実践するため、有資格者による課題解決型営業が重要視されており、DIYアドバイザーなどの専門人材の価値が高まっています。
家庭雑貨・家庭電器部門
事業内容:台所用品、家庭用品、日用消耗品、食料品、電器パーツ、家電製品、収納・インテリアなど、地域の生活必需品を広くカバーしています。
業績推移:当事業年度の売上高は11,428百万円(前年度比565百万円減)となり、継続的な値上げに伴う生活必需品の節約志向から苦戦を強いられました。
注目ポイント:防災商品の反動減や買い控えによる客数減少が売上を押し下げており、客数の回復が急務です。同社は店舗業務を抜本的に見直し、少人数でも質の高いサービスを提供できる業務改革の推進を進めており、AIの活用や全社的な生産性の向上を店舗現場から支える効率化推進人材が求められています。
趣味・嗜好部門
事業内容:ペット用品、カー・レジャー用品、オフィス用品・文具などを取り扱い、多角的なライフスタイル需要に応える部門です。
業績推移:当事業年度の売上高は5,972百万円(前年度比377百万円減)となり、消費者の買い控え意識が住居・生活のあらゆる分野に波及し減少しました。
注目ポイント:客数が落ち込む中、店舗への目的来店性と来店頻度を高めるためのサービス拡充が進められています。業務改革によって創出された人員を法人営業や配達・取付サービスへ再配置しており、自転車安全整備士を配置した修理対応店舗の拡大など、付加価値の提供による収益拡大を目指すフィールドです 。
その他(灯油等)
事業内容:灯油をはじめとした、地域社会のインフラに欠かせないエネルギー生活必需商品を安定供給する部門です。
業績推移:当事業年度の売上高は1,244百万円(前年度比165百万円減)となり、主に暖冬による季節商品の需要減少が響き減収となりました。
注目ポイント:不安定な気象条件やエネルギー価格の高止まりなど、外部環境の影響を大きく受ける特徴があります。収益構造を安定化させるため、新設された小野センターを核とした物流拠点の再編、最適化が進められています。効率的な配送管理やコスト削減の実現に貢献できるサプライチェーン管理人材の活躍が期待されています。
関連事業
事業内容:書籍・CD・DVDなどの販売を行うブックセンター事業を展開していた部門です 。
業績推移:当事業年度の売上高は26百万円(前年度比250百万円減)となり、事業終了に伴う店舗閉鎖の進展により大幅な減収となりました。
注目ポイント:当事業年度のブックセンター1店の閉店をもって、同事業は完全に終了しました。不採算の非中核事業を整理し、成長ドライバーであるホームセンター事業へ注力するための抜本的な構造改革が完了しています。この変化に伴い、関連人員の中核事業へのシフトが推進されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.23
今後の経営環境は、国際情勢の緊迫化に伴うエネルギー高騰や円安によるコスト高、生活必需品の節約志向継続など、先行き不透明な状況が続くと予想されています。また中長期的には人口減少や労働力不足が大きな課題となる見通しです。これに対し同社は、持続的な成長を果たすための構造改革を強力に推し進めています。具体的には、新設した小野センターをはじめとする物流拠点の最適化によるコスト削減や、プライベートブランド商品の売上構成比を10%まで高める仕入強化を推進します。
採用および組織面の注目点として、2026年3月より「若年層の定着とシニア層の活用」および「育成目的の評価」を軸とした新人事制度を施行した点が挙げられます。10年先の経営を見据えた人的資本の量と質を高める動きが本格化しており、有資格者の育成や、業務改革で創出された人員の法人営業・各種サービスへの再配置を加速しています。また、JAとの強固な連携メリットを活かした新フォーマットである農業資材専門店「ジュンテンドーアグリ」の出店も予定しており、専門人材から次世代の店舗運営を担うマネジメント層まで、変革期を共に牽引できる人材の採用活動に注目が集まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は「地方都市、中山間地、離島のなくてはならないインフラになろう」という非常に明確で社会貢献度の高い経営理念を掲げています。面接では、地域社会を支える小売インフラとしての役割に共感を示すとともに、他社との圧倒的な差別化要因であるJA(島根・全農など)との包括的な協業展開や、新業態である農業資材専門店「ジュンテンドーアグリ」の立ち上げなど、地域農業の発展に貢献する戦略的な動きに対して自身の経験がどう活かせるかをアピールするのが極めて効果的です。さらに、2026年3月から導入された社員の成長を重視する新人事制度のもとで、長期的にキャリアを形成し、専門性を磨いていきたいという熱意を伝えることで高い評価に繋がります。
面接での逆質問例
- 「御社が強みとする農業・園芸部門において、JAブランド商品の取扱拡大が進む中、店舗スタッフには今後どのような新しい課題解決型の提案力が求められますか?」
- 「新設された小野センターなどの物流体制の機能拡張と再編により、店舗現場での作業効率や品揃えにおいて、具体的にどのようなメリットが生まれ始めていますでしょうか?」
- 「2026年3月にスタートした若年層の定着とシニア層の活用を促す新人事制度において、中途採用者が早期に活躍し評価されるための期待される役割について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
魅力を感じない職場になりつつある
移動、転勤、昇給が行き当たりばったりで有る。以前よりは改善されたが、転勤有り、昇給少ない、では魅力を感じない職場になりつつある。
(36歳・販売系/管理職・男性) [キャリコネで給与明細を見る]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ジュンテンドー 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
- 株式会社ジュンテンドー 2026年2月期 決算説明会資料



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