※本記事は、株式会社ジュンテンドー の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジュンテンドーは、主にホームセンター事業を展開する一般小売業です。地方都市や中山間地、離島において、地域に不可欠なインフラとなることを目指し、農業・園芸、建築・DIY関連部門の商品力強化とサービス向上に注力しています。
単体従業員数は555名です。同社はホームセンターを主たる事業とする一般小売業の単一セグメントです。
同社グループは、主にホームセンター事業を営むジュンテンドー本体と非連結子会社1社で構成されています。
当事業年度において、ジュンテンドーはブックセンター1店の閉店により、ブックセンター事業を終了しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ジュンテンドーは、地域社会のインフラとなることを目指す企業です。同社では、従業員の安定したキャリア形成と、多様な能力が発揮できる働きやすい環境づくりに注力しています。給与水準や在籍傾向、そして人的資本データから、同社の働く環境の具体的な特徴を探ります。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も一定の水準にあります。これは、従業員が長期にわたってキャリアを築きやすい環境であることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,916,000円 |
| 平均勤続年数 | 19.5年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 555人 |
同社は、確定給付企業年金制度と退職一時金制度を採用しています。確定給付型は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。
退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は24.8億円、年金資産は4.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続的な企業価値向上の源泉を「人財」と捉え、人的資本経営を推進しています。社員のスキルや知識習得を経営における重要な事項と位置づけ、その実現を目指しています。
2026年度からは、従来の年功序列型から「みんないきいき、ジュンテンドー」をスローガンとした新たな人事制度に刷新しました。職務の役割や責任に応じた「ジョブ型等級制度」を導入し、若手層の早期登用や多様な業務経験を通じた経営人材の育成を可能にしています。
評価制度は人財育成を目的とした要素考課方式に変更され、上司と部下による面談を通じてフィードバックの質と頻度を向上させています。報酬制度も評価結果をよりダイレクトに反映する体系へ移行し、貢献度の高い社員には市場競争力のある報酬を提供することで、優秀な人材の確保と定着を強化しています。
人財育成においては、2025年より商品知識系の研修に加え、マネジャー研修、店長研修、バイヤー候補者研修など、階層別の研修・セミナーを大幅に強化しています。社内環境整備では、国籍、性別、学歴、背景にとらわれない多様な人材の採用を推進しており、特に女性活躍推進を喫緊の課題として取り組んでいます。
具体的には、女性の活躍推進に関する行動計画の策定、勤務間インターバル制度や団体長期障害所得補償制度の導入、両立支援制度の整備、障害のある方にも働きやすい施設整備、男性の育児休業取得促進、健康維持増進活動への支援、メンタルヘルス不調対策などを実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 92.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち、正規雇用労働者) | 74.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち、パート・有期労働者) | 99.2% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性正社員採用数(2025年度) | 5人 |
| 女性正社員採用割合(2025年度) | 21% |
| 女性正社員採用目標 | 毎年6名以上または30%以上 |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| DIYアドバイザー取得者数(2025年度) | 27人 |
| DIYアドバイザー取得目標(2026年度) | 30人 |
| グリーンアドバイザー取得者数(2025年度) | 14人 |
| グリーンアドバイザー取得目標(2026年度) | 20人 |
| 自転車安全整備士取得者数(2025年度) | 16人 |
| 自転車安全整備士取得目標(2026年度) | 15人 |
| 毒劇物取扱責任者取得者数(2025年度) | 7人 |
| 毒劇物取扱責任者取得目標(2026年度) | 10人 |
| 危険物取扱乙四類取得者数(2025年度) | 6人 |
| 危険物取扱乙四類取得目標(2026年度) | 15人 |
| 電気工事士取得者数(2025年度) | 3人 |
| 電気工事士取得目標(2026年度) | 5人 |
| 衛生管理者取得者数(2025年度) | - |
| 衛生管理者取得目標(2026年度) | 1人 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ジュンテンドーは、主にホームセンター事業を展開する小売企業です。地域に密着した店舗運営を通じて、人々の暮らしを支えるインフラとしての役割を担っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ホームセンター事業を主軸としています。この事業は、一般小売業の単一セグメントとして運営されており、「地方都市、中山間地、離島のなくてはならないインフラになろう」という経営理念のもと、地域社会の生活インフラとしての役割を果たすことを目指しています。
収益は、農業・園芸用品、建築・DIY関連商品、家庭雑貨・家庭電器、趣味・嗜好品など、幅広い商品ラインナップの販売から得ています。当事業年度においては、農業・園芸部門が堅調に推移した一方で、家庭雑貨・家庭電器や趣味・嗜好部門は減少傾向にあります。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外比率や為替リスクは発生していません。事業はホームセンター事業に集中しており、特定の顧客やセグメントへの収益集中が見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、営業収益、営業利益、経常利益ともに前事業年度を下回る結果となりました。特に経常利益は大幅な減少を示しています。
当事業年度においては、当期純損失を計上しています。これは、店舗の固定資産の減損損失や店舗閉店に伴う固定資産除却損を特別損失に計上したことなどが主な要因となっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社では、賃上げによる人件費や設備投資に伴う減価償却費の増加が販売費及び一般管理費を押し上げ、利益を圧迫する要因となっています。このような状況は、組織全体の効率性や生産性への取り組みの重要性を示唆しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、財務基盤の安定性と手元資金の状況から、現在の経営状況を把握できます。キャッシュフローの動きからは、事業活動による資金の流れと投資への姿勢が見えてきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は前期から減少傾向にあり、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期でマイナスに転じており、プライム市場平均と比較すると低い水準です。手元資金である現金及び預金は前期から増加しています。
これらの財務状況は、同社の事業運営における安定性や将来の成長投資の余力に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 129.2億円 | 125.9億円 |
| 自己資本比率 | 33.3% | 30.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.2% | △2.9% |
| 現金及び預金 | 12.8億円 | 18.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当事業年度におけるキャッシュフローは、営業活動による資金が増加となりました。これは主に棚卸資産の減少や減価償却費によるものです。投資活動による資金は減少しており、有形及び無形固定資産の取得や建設協力金の支払いが主な要因です。
新規出店や既存店舗の土地購入、物流設備設置など、将来に向けた投資が活発に行われていることを示しています。財務活動による資金は増加となっており、短期借入金の純増額や長期借入金の調達が主な要因です。営業活動で得た資金を上回る投資活動を行っているため、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。
これは同社が事業拡大のための投資を積極的に行っている成長投資フェーズにあることを示しており、今後の事業成長とそれに伴う雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 20.3億円 | 16.6億円 |
| 投資CF | △19.1億円 | △30.2億円 |
| 財務CF | △49百万円 | 19.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.2億円 | △13.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、ホームセンター業界における同業他社及び他業態との競争激化をリスクとして認識しています。営業エリアでの多店舗展開やオーバーストア化により、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、農業・園芸用品や季節家電など季節性の高い商品を取り扱っているため、天候不順による販売高の未達や余剰在庫の発生も業績に影響を与えるリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、商品販売に係る法的規制を受ける商品を取り扱っており、許認可の状況や有資格者の確保が営業に影響を及ぼすリスクを認識しています。有資格者数を増やすための研修強化に努めていることが記載されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジュンテンドーは、地域社会への貢献と持続的な成長を追求し、人財を重視した組織風土の構築を目指している会社です。専門性の強化と業務効率化を通じて、地域になくてはならない存在となることを志向しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「関わる人々の幸せに貢献できる会社を創造しよう」を社是としています。
「地方都市、中山間地、離島のなくてはならないインフラになろう」という経営理念を掲げています。
この理念のもと、地域社会への貢献と持続的な成長を目指している会社です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、組織風土を刷新し生産性を高めることを好機と捉えています。
「ホームセンターは、農業、園芸、資材、金物、工具、ワーキングの専門店である」という基軸を再確認し、専門性を重視する姿勢を示しています。
持続可能な社会の実現に貢献するため、SDGs宣言を基本方針としています。
また、同社は持続的な企業価値向上の源泉を「人財」と捉え、人的資本経営を推進しています。
「みんないきいき、ジュンテンドー」をスローガンに、社員の多様性が能力を最大限に発揮し、主体的に挑戦し続けることで現場力を強化する組織風土の構築を目指しています。
国籍、性別、学歴、背景などで限定せず多様な人材を採用し、成果に応じた評価と処遇向上を行う方針です。
特に女性活躍推進を重要課題として取り組んでいます。
コンプライアンスを徹底し、健全で透明性の高い経営体制を確立し、ステークホルダーから信頼される事業活動を実践しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、中長期的な課題として人口減少による市場規模の縮小や人材・労働力の確保を認識しています。
この厳しい外部環境を組織風土を刷新し生産性を高める好機と捉え、様々な施策に取り組んでいます。
具体的には、研修を強化し「DIYアドバイザー」や「グリーンアドバイザー」等の有資格者を育成し、専門性の高いスタッフによる課題解決型営業を実践しています。
また、店舗の業務を抜本的に見直し効率化を進めることで、少人数でも質の高いサービスを提供できる体制を構築しています。
AIの活用や基幹システムの刷新に着手し、全社的な生産性の向上を推進しています。
効率化により創出した余力を法人営業や配達・取付サービス等の高付加価値分野へ再配置し、収益基盤の強化に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ジュンテンドーは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を中心に企業統治体制を構築しています。経営の透明性・健全性の向上と、経営環境の変化への迅速な対応を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、代表取締役社長である飯塚正氏が筆頭株主となっています。これに続き、有限会社サンデーズや山陰合同銀行、ジュンテンドー社員持株会などが上位株主として名を連ねています。特定の事業会社や金融機関、社員持株会が上位に位置する構成です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 飯 塚 正 | 27.76% |
| 有限会社サンデーズ | 13.21% |
| 山陰合同銀行 | 4.50% |
| ジュンテンドー社員持株会 | 4.48% |
| アイリスオーヤマ | 2.75% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.0%です。代表取締役社長は飯塚正氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 飯 塚 正 | 代表取締役社長 | 1987年3月同社入社、1994年11月取締役、1997年11月常務取締役、2005年5月代表取締役社長より現職。 |
| 重 白 定 之 | 常務取締役 営業本部長 | 1984年12月同社入社、2020年5月取締役、2023年3月営業本部長、2024年5月常務取締役より現職。 |
| 尾 原 司 | 常務取締役 管理本部長 | 2021年4月同社入社、2021年5月取締役、2024年3月管理本部長兼ブックセンター営業部長、2024年5月常務取締役より現職。 |
| 松 浦 誠 | 取締役 開発本部長 | 2015年10月山陰合同銀行から同社へ出向、2018年5月取締役より現職、2025年3月開発本部長より現職。 |
| 藤 井 恭 司 | 取締役 販売事業部長 | 1982年3月同社入社、2021年5月取締役より現職、2024年3月販売事業部長より現職。 |
| 福 富 達 朗 | 取締役 人事部長 | 1986年4月同社入社、2023年3月人事部長、2023年5月取締役より現職。 |
| 大 石 英 樹 | 取締役 管理本部副本部長 兼 総務部長 | 2020年4月同社入社、2024年3月管理本部副本部長、2024年5月取締役より現職、2025年1月総務部長より現職。 |
社外取締役は、村上正行氏(元島根県警察本部警備部長)、藤山浩氏(一般社団法人「持続可能な地域社会総合研究所」代表理事・所長)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役2名と社外監査役2名は、東京証券取引所の定める独立役員であり、外部からの客観的かつ中立的な視点から経営の監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、短期的な利益変動に連動させない固定報酬のみを毎月支払う体系を採用しています。これは、地域社会への貢献と長期的な繁栄・成長を目指す経営理念に基づき、一時的な利益偏重を避けるためです。取締役の報酬は代表取締役が取締役会に諮って決定し、監査役の報酬は監査役が協議の上で決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 82百万円 | 11.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 11.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
同社の役員報酬等の総額は106百万円であり、対象となる役員の合計人数は12名です。役員ごとの報酬等の総額については、1億円以上を支給している役員はいないため、個別の記載は省略されています。同社は2004年5月25日開催の定時株主総会終結時をもって、取締役および監査役の役員退職慰労金制度を廃止しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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