0 編集部が注目した重点ポイント
① 自社事業の収益化が進展しSaaS・aiwa事業が黒字化を達成する
テクミラHDは、従来の受託型事業から自社事業中心の収益構造への転換を強力に推進しています。2026年2月期において、先行投資を続けてきたSaaS事業および自社ブランド「aiwa」事業が通期での黒字化を実現しました。特にSaaS事業は第1四半期から黒字を継続しており、ストック型ビジネスへの移行による経営の安定化という転職者にとっても心強い成果が出ています。
② 拠点集約による組織効率化を断行し一過性の特別損失を計上する
グループ全体の運営効率向上を目的に、事業会社の本社拠点集約という構造改革を実施しました。当期、これに伴う引当金を特別損失として計上したため純損失となりましたが、これはあくまで将来のコスト削減を見据えた一過性の要因です。拠点統合により部門間の連携が強化される環境は、現場で働くエンジニアやプランナーにとって、よりスピーディな事業展開に関われるキャリア機会となるでしょう。
③ 新作ゲーム投入とAI需要の拡大により再成長フェーズへ移行する
2027年2月期を「再成長期」の起点と位置づけ、経常利益300百万円(前期比約3.3倍)への大幅増益を計画しています。2026年7月発売の人気シリーズ「カルドセプト」10年ぶりの完全新作の投入や、自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の本格展開など、エンタメとAIの両翼で攻勢をかけます。構造改革を終え、新たな挑戦を支える専門人材の需要が全方位で高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.3
売上高
10,405百万円
(前期比▲7.0%)
調整後EBITDA
613百万円
(修正予想比+13.5%)
経常利益
93百万円
(前期比▲9.0%)
※調整後EBITDA = 営業利益と減価償却費(のれんに係る償却費等を含む)及び為替差損益の合計額(実質的なキャッシュ創出力を測る指標)
2026年2月期の売上高は、新作ゲームの投入がない期間であった影響もあり、前期比7.0%減の10,405百万円となりました。しかし、2026年1月に公表した修正予想に対しては売上・各利益ともに上振れて着地しています。親会社株主に帰属する当期純利益は▲58百万円の赤字となりましたが、これは拠点集約に伴う特別損失を計上したためであり、前期の▲140百万円からは大幅に改善。実質的な収益力は確実に向上しています。
期初の通期予想に対しては、売上高は概ね計画通りでしたが、調整後EBITDAおよび経常利益については、IoT事業での春節前出荷の順調な進展や「aiwa」製品の在庫削減が見込みより早く進んだことで、修正予想を大幅に上回る達成となりました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.6
AI&クラウド事業(ネオス株式会社)
事業内容
AIチャット「OfficeBot」やAIエージェント等のSaaS、DX支援を行うソリューションを提供。
業績推移
売上高 2,692百万円。セグメント利益は222百万円で前期比+19.0%の大幅増益。
注目ポイント
SaaS事業が本格的な収益フェーズに入りました。新サービス「Office AI社員」では、従来のチャットボットを超えた「自律的な業務遂行」を目指しており、最新の生成AI技術を実務レベルへ昇華させるエンジニアの力が不可欠となっています。
IoT&デバイス事業(JENESIS株式会社 等)
事業内容
通信デバイスの設計・製造(ODM)および自社ブランド「aiwa」製品の開発・販売。
業績推移
売上高 5,326百万円。実質セグメント利益は347百万円で前期比+41.7%。
注目ポイント
aiwa事業が悲願の黒字化を達成。深圳の自社工場に加え、新たに長沙開発拠点を設立するなど、設計・開発体制を大幅に強化しています。グローバルなサプライチェーン管理と、ハード・ソフトが融合した高度なIoT製品を創り出せる人材が求められています。
ライフデザイン事業(ネオス、Wellmira、Retool 等)
事業内容
ゲーム等のコンテンツ、ヘルスケア、FinTech、HRTech、キッズサービスを展開。
業績推移
売上高 2,609百万円。新作不在により減益も、HealthTech等は改善。(注:Retoolは当期より連結)
注目ポイント
次期はゲーム新作「カルドセプト ビギンズ」の発売によるV字回復を計画。また、ドコモ「dキッズ」終了に伴い、自社キッズサービス「キノリー」としてプラットフォームを再編。IPの価値を最大化し、生活者に直接届けるサービスの立ち上げ経験を積めるフェーズです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.18
テクミラグループは、2027年2月期を起点にコロナ禍以前の利益水準への回復、そしてさらなる成長を目指す「再成長期」に突入します。通期予想では経常利益300百万円(前期比222.2%増)を掲げ、構造改革による身軽な経営体制で攻めに転じます。
成長の牽引役は「自社事業のさらなる拡大」です。7月に控える「カルドセプト ビギンズ」の全世界同時発売は、ライフデザイン事業の収益を飛躍的に高めるマイルストーンとなります。また、AI事業では、既存のチャットボット顧客500社超の基盤に対し、より高付加価値なAIエージェントを提案していく計画です。IoT事業では半導体高騰のリスクを保守的に見込みつつも、高付加価値製品へのシフトで利益を確保。まさに「種まき期」から「収穫期」へと移行する今、各事業をグロースさせるための専門性の高い人材の採用が加速することは間違いありません。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
同社の魅力は、AI、IoT、エンタメという異なる領域を自社内で完結できる「技術力と表現力の融合」にあります。特に今期は、長年の先行投資が実り、「SaaSと自社ブランドaiwaが揃って黒字化」したタイミングです。自社事業をグロースさせる「第二の創業期」のような熱気を感じられる環境であり、「自身の手でサービスを収益化まで育て上げたい」という熱意は、現在の経営方針と強く合致するでしょう。
Q&A 面接での逆質問例
・「拠点集約による組織効率化が進められましたが、現場レベルで部門を跨いだコラボレーション(例:AI×ゲーム、IoT×ヘルスケア)を促進するための具体的な施策や成功事例はありますか?」
・「AIエージェント『Office AI社員』の展開において、今後どのような特定業界のドメイン知識(専門知見)を取り込んでいく戦略をお持ちですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 決算説明会資料(2026年4月16日公表)
- 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月10日公表)



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