※本記事は、株式会社スリーエフ の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
スリーエフグループは、コンビニエンスストア事業を営んでいます。東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県で「ローソン・スリーエフ」の運営管理と商品開発サポートを行うほか、新型コンビニフォーマット「gooz」の直営店運営も手掛けています。
単体従業員数は32名、連結従業員数は112名です。同社グループはコンビニエンスストア事業の単一セグメントで構成されています。
主な国内グループ会社は、エル・ティーエフなどです。
同社グループは、コンビニエンスストア事業において「ローソン・スリーエフ」へのブランド転換を進めており、これに伴う改装工事に係るリース費用の一部低減が業績に寄与しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社スリーエフは、コンビニエンスストア事業を主軸とする企業です。同社では、従業員の長期的なキャリア形成を支援し、安定した環境で働くことを重視する傾向が見られます。人材育成や働きやすい環境づくりにも力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、長期にわたって勤務する従業員が多い傾向にあると考えられます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,085,966円 |
| 平均勤続年数 | 22.0年 |
| 平均年齢 | 49.5歳 |
| 単体従業員数 | 32人 |
| 連結従業員数 | 112人 |
| 単体のグループ内比率 | 28.6% |
同社および連結子会社は、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材への投資を重要視しており、従業員の身体的・精神的・社会的な健康を実現することが、中長期的な企業価値向上に寄与すると考えています。この考えに基づき、持続可能な社会への貢献と自らの発展を目指しています。
人材の育成方針としては、従業員の能力向上を欠かせないものと認識し、業務に必要な知識習得に向けた自己研鑽を促進することで、継続的な人材育成に取り組んでいます。また、社内環境の整備にも注力しており、多様な属性、才能、経験等をもった人材を採用し、活躍できる環境や仕組みを整備することで、意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を検討しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
同社グループは、能力や実績を有する優秀な人材については、年齢・性別等の属性によることなく、積極的に管理職への登用等を行う方針のもと、全ての従業員に平等な評価及び登用の機会を設けています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正規雇用の従業員における女性割合 | 8.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
株式会社スリーエフは、コンビニエンスストア事業を営む同社グループの中核企業です。同社グループは、株式会社スリーエフと連結子会社である株式会社エル・ティーエフの2社で構成されています。
株式会社スリーエフは、コンビニエンスストア「ローソン・スリーエフ」の運営会社である株式会社エル・ティーエフの事業活動の管理・運営、および商品の開発サポートを行っています。また、ベーカリーやお弁当を店内で調理し、“できたて感”を訴求する新型コンビニフォーマット「gooz」の直営店運営も手掛けています。
連結子会社の株式会社エル・ティーエフは、株式会社ローソンと企業フランチャイズ契約を締結し、「ローソン・スリーエフ」のチェーン本部として、フランチャイズ方式の加盟店に対する経営指導と直営店の運営を行っています。同社グループの収益は、主にフランチャイズ収入、直営店からの売上高、およびその他店舗運営に係る収入から得られています。海外での事業展開はなく、収益は国内に集中しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5期において営業総収入、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向にあります。特に当連結会計年度は、営業総収入が前期から大きく伸び、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に増加しました。
過去には親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありましたが、近年は収益性が改善し、利益を継続的に確保する状況へと変化しています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業総収入 | 123億円 | 132億円 | 139億円 | 139億円 | 151億円 |
| 経常利益 | 2.5億円 | 1.6億円 | 9.1億円 | 10.0億円 | 14.3億円 |
| 経常利益率 | 2.0% | 1.2% | 6.6% | 7.2% | 9.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △84百万円 | △1.6億円 | 2.2億円 | 2.9億円 | 3.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △11.15 | △21.68 | 28.70 | 38.24 | 50.45 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの営業総収入は前期から増加し、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく伸びており、収益性の改善がうかがえます。
これらの指標の改善は、組織全体の効率化が進んでいることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業総収入(連結) | 125.4百万円 | 134.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 9.0百万円 | 12.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
スリーエフグループの財務状況は、事業活動を通じて安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も着実に進めていることを示しています。これにより、同社グループの経営基盤の安定性がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
スリーエフグループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることを示しています。同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しています。また、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と同水準で推移しています。
手元資金である現金及び預金は前期から増加しています。これらの財務指標は、同社グループが堅実な経営を行っており、事業環境の変化にも対応できる安定性を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 44.4億円 | 48.5億円 |
| 自己資本比率 | 75.3% | 71.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.7% | 9.6% |
| 現金及び預金 | 41.6億円 | 47.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
スリーエフグループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、財務的な健全性を保っていることを示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは収入となり、税金等調整前当期純利益の増加や未払消費税等の増加が主な要因です。これは、同社グループが事業活動を通じて着実に資金を創出していることを示しています。
投資活動によるキャッシュフローはわずかな支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が要因です。フリーキャッシュフローは収入となっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。財務活動によるキャッシュフローは支出で、配当金の支払額や非支配株主への配当金の支払額が増加したことによるものです。これらの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた基盤を維持していることを示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.2億円 | 10.9億円 |
| 投資CF | △0.4億円 | △3百万円 |
| 財務CF | △4.0億円 | △4.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.8億円 | 10.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
スリーエフグループは、コンビニエンスストア事業を営んでおり、景気や個人消費の動向、同業他社・異業種小売業との競争激化が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、株式会社ローソンとの企業フランチャイズ契約の信頼関係が損なわれた場合、同社グループの業績および財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社スリーエフは、地域社会への貢献を経営理念の根幹に据え、お客様と同じ生活者の視点を大切にする企業文化を築いています。加盟店との連携を重視し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「営業活動を通して地域社会のより豊かな暮らしと幸福のためにご奉仕します」という経営理念を掲げています。お客様と同じ地域の生活者としての視点を持ち、店舗ごとの個性を重視した商売に取り組んでいます。
持続的な成長と企業価値の向上を目指し、7ヶ年の中長期経営計画を策定しており、その中で「日本一のコンビニチェーン(お客様支持No.1)」と「加盟店と本部の一塊経営」を目指す姿としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念に基づき、営業活動と各種課題解決を循環させながら持続可能な社会の実現に貢献し、継続的な企業価値の向上を目指しています。加盟店と本部が同じ目線で相互繁栄を実現する「一塊経営」を重視しており、地域に根差した持続可能な店舗運営を加速させることを掲げています。
人材への投資を重要視しており、従業員の身体的・精神的・社会的な健康を実現することで、企業価値向上に寄与すると考えています。従業員の能力向上に向けた自己研鑽を促進し、多様な人材が活躍できる環境や仕組みの整備を通じて、活力ある組織の構築を検討しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「個店最適化」と「加盟店経営の安定化」を重点戦略に掲げています。現計画の最終年度である2027年2月期を「収穫期」と位置付け、これまでの投資を成果に繋げることを目指しています。
加盟店と本部が一体となる「一塊経営」のさらなる深化を図り、次の10年を見据えた新たな中期経営計画の策定を進めています。加盟店支援策の継続・強化や、フランチャイズ契約の再契約推進を通じて、地域に根差した持続可能な店舗運営の実現に取り組んでいます。
また、正規雇用の従業員における女性割合の低さや女性管理職への登用実績がないことを課題と認識しており、今後は正規雇用の採用における女性割合の向上と、女性・男性ともに働きやすい職場環境の整備改善を推進する方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
スリーエフは監査役設置会社であり、取締役会と監査役会が経営を監督する体制を採用しています。社外役員が経営の透明性と客観性の確保に貢献しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
スリーエフの筆頭株主はJMK瑞穂であり、同社グループの資本構成において大きな割合を占めています。その他、光通信KK投資事業有限責任組合や個人株主が上位に名を連ねており、特定の事業会社や個人が経営を支える特徴が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| JMK瑞穂 | 35.68% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.53% |
| 菊池 淳司 | 6.42% |
| 中居 京子 | 4.19% |
| 宇佐見 瑞枝 | 3.49% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は山口良介氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山口 良介 | 代表取締役社長 | 1995年4月 同社入社、2006年3月 同社経営企画室長、2014年5月 同社取締役経営戦略室長、2025年5月 同社代表取締役社長兼コーポレート統括・統括より現職。 |
| 山口 浩志 | 取締役 | 1992年4月 同社入社、2003年5月 同社経営企画室長、2014年5月 同社取締役マーチャンダイジング本部長、2026年3月 同社取締役より現職。 |
| 菊池 淳司 | 取締役 | 1991年10月 JMK瑞穂設立 同社代表取締役社長、1995年2月 同社取締役、2016年5月 同社取締役より現職。 |
社外取締役は、増田格氏(元中央三井信託銀行代表取締役副社長)、鈴木伸佳氏(鈴木伸佳法律事務所所長・セルシス社外取締役(監査等委員))です。
スリーエフは監査役設置会社であり、取締役会による業務執行の意思決定と監督、および監査役会による監査を通じて、経営の透明性と客観性の確保を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
スリーエフの役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬で構成されています。報酬の決定にあたっては、独立社外取締役が議長を務める任意の指名・報酬委員会が審議・答申を行い、その内容を踏まえて決定される仕組みです。社外取締役の報酬は、業務執行から独立した立場であるため、基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 47百万円 | 15.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 1百万円 | 1.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 27百万円 | 6.8百万円 |
なお、取締役(社外取締役を除く)の報酬等の総額には、連結子会社の代表取締役社長を兼務する取締役に対して、当該子会社が負担する金額15百万円が含まれています。
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