0 編集部が注目した重点ポイント
①Kodama Talesを新規連結し海外展開を加速する
当連結会計年度より、デジタルカタパルトの完全子会社であるKodama Tales Inc.を連結の範囲に含めました。これによりオリジナルコンテンツ事業のグローバル展開を加速します。前年は未連結のため単純比較不可ですが、情報コミュニケーション部門でのキャリア機会が拡大する可能性があります。
②生活・産業資材部門の営業利益が25.7%増加する
生活・産業資材部門の売上高は33,170百万円(前期比2.6%増)、営業利益は1,521百万円(前期比25.7%増)と好調に推移しました。化粧品向けチューブの新規受注や軟包装全般における価格位置の是正が進展したことが要因です。コア領域への投資強化に伴い、専門人材の重要性が高まっています。
③自己株式3,480,000株を消却し資本効率を高める
2025年12月に発行済株式総数の10.4%に相当する普通株式3,480,000株の消却を完了しました。さらに958百万円の自己株式取得を実施し、総還元性向は81.1%に達しています。自己資本配当率(DOE)3.5%を目安とした安定的な配当方針など、資本効率向上を徹底する姿勢が鮮明です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.4
売上高
98,205百万円
予想達成率:94.9%
営業利益
2,134百万円
予想達成率:76.2%
経常利益
2,727百万円
予想達成率:83.9%
当期純利益
3,960百万円
予想達成率:102.9%
売上高は98,205百万円(前期比1.8%減)、営業利益は2,134百万円(前期比8.4%減)となりました。情報系事業における新規案件の進捗遅れや既存事業の受注減が響いた形です。一方で、政策保有株式の計画的な売却を進めた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,960百万円(前期比19.6%増)と大幅な最終増益を記録しています。
通期業績予想に対する達成率は、売上高が94.9%、経常利益が83.9%となったほか、営業利益は76.2%となりました。主要な利益指標である営業利益の達成率が75%以上をクリアしていることから、経営環境の厳しさが増す中にあっても、全体の進捗状況は堅調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.6
情報コミュニケーション部門
(注:当連結会計年度よりKodama Tales Inc.を新規連結したため、前年同期とは単純比較不可)
【事業内容】 定期刊行物や書籍などの出版印刷、カタログや店頭什器などの一般商業印刷、および電子書籍などのオリジナルコンテンツ事業を展開しています。
【業績推移】 部門売上高は32,344百万円(前期比6.7%減)となり、営業損失は222百万円(前期は176百万円の営業損失)を計上しました。
【注目ポイント】 出版および一般商業印刷では、採算性を重視した受注活動や不採算案件からの撤退を徹底した結果、赤字を解消し黒字化を達成しました。一方で、期待領域であるオリジナルコンテンツ事業はコンテンツ拡充やチャネル拡大に向けた費用が先行し、部門全体としては損失幅が拡大しています。今後は量産型から高付加価値型への転換、および組織再編によるさらなる合理化を進める計画であり、新規事業の拡大ペースを加速させられる企画・マーケティング人材が必要とされています。
情報セキュリティ部門
【事業内容】 各種ビジネスフォーム、証券類(宝くじ・乗車券等)、各種カード、データプリント、および金融・ヘルスケア分野の情報サービスBPO、決済ソリューションを取り扱っています。
【業績推移】 部門売上高は30,478百万円(前期比0.9%減)、営業利益は1,128百万円(前期比42.3%減)となりました。
【注目ポイント】 健康経営支援などのヘルスケア分野や金融機関向けの口座開設アプリといった情報サービスBPOは堅調に推移しました。しかし、データプリントの減少や前年度にあった自治体向けBPOの一過性案件の減少、物流費等の価格転嫁の遅れが重なり大幅な減益を余儀なくされました。今後は情報セキュリティ分野の構造改革と、既存事業の生産性向上投資を積極的に実施していく方針であるため、業務オペレーションの最適化やDXを推進できるプロジェクトマネジメント人材へのニーズが高まっています。
生活・産業資材部門
【事業内容】 紙器、軟包装、各種チューブ、ブローボトル、金属印刷、建材用品印刷、電子機器部品、高機能材料などの製造および販売を行っています。
【業績推移】 部門売上高は33,170百万円(前期比2.6%增)、営業利益は1,521百万円(前期比25.7%増)と、力強い増収増益を達成しました。
【注目ポイント】 歯磨き向けや化粧品向けのチューブ新規受注が拡大したことに加え、フィルム包材やリキッドパッケージなどの軟包装全般で価格是正が進展したことが、収益性を大きく押し上げました。中期経営計画においてグループを牽引する成長領域と位置付けられており、国内・海外のチューブ事業への設備投資や生産体制の強化、環境に配慮した包材の開発を推し進めています。梱包・物流資材を中心とした新規市場開拓や、東南アジアをはじめとする海外市場での事業拡大に向けて、グローバルに活躍できる技術・営業人材の採用可能性が広がっています。
その他
【事業内容】 共同印刷グループの各事業に付随する、物流事業や不動産管理業、保険取扱事業などを手掛けています。
【業績推移】 部門売上高は2,211百万円(前期比0.9%減)となったものの、営業利益は270百万円(前期比67.1%増)と大幅な利益改善を達成しました。
【注目ポイント】 売上高はほぼ横ばいの推移にとどまったものの、グループ内の物流効率化やコスト管理の徹底が進んだことで、利益面は大きな伸びを見せました。基盤事業としてグループ全体の円滑な運営を支える重要な役割を担っており、安定した環境の中でオペレーションの最適化や業務効率化を推進できる実務人材の活躍フィールドが用意されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.15
2027年3月期の通期連結業績予想は、売上高101,000百万円(当期比2.8%増)、営業利益2,500百万円(当期比17.1%増)と、経営環境の厳しさが続く中でも増収増益への転換を見込んでいます。長期ビジョンにおいて、生活・産業資材系事業を成長させて情報系事業との売上高比率を1:1にすることを目指しており、事業ポートフォリオの変革が加速します。
情報系事業では、事業の重心を印刷から情報加工サービスを中心とした非印刷へと移行する取り組みを強めます。出版印刷事業の組織再編によるさらなる合理化を進め、量産型から高付加価値型への転換を図る一方、期待事業であるオリジナルコンテンツや情報サービスBPOの拡大を狙います。また、成長投資として外部連携の強化や事業機会の探索を目的とした出資を予定しており、これら構造改革や新規領域を牽引できる人材の積極的な登用が、採用における最大の注目点となります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
共同印刷は現在、デジタル化に伴う紙媒体の縮小を受け、情報加工サービスを中心とした非印刷領域への重心移行と、海外展開を含めた生活・産業資材部門の強化に注力しています。志望動機を構築する際は、同社が進める量産型から高付加価値型への転換や、オリジナルコンテンツ事業における自社ブランド強化、あるいは増収増益を牽引する生活・産業資材部門でのグローバル展開という具体的な経営戦略に自身の専門性をどう結びつけるかが鍵となります。変化を恐れず高収益構造へのシフトに貢献したいという強い成長意欲をアピールすることが、面接官の共感を引き出す上で極めて有効です。
面接での逆質問例
・情報コミュニケーション部門における出版印刷事業の組織再編と、量産型から高付加価値型への生産モデル転換を進めるにあたり、現在中途採用者に最も期待される役割や足りないスキルは何でしょうか?
・中期経営計画の中で、生活・産業資材部門が海外市場での事業拡大に向けた投資促進や外部連携の強化を打ち出していますが、東南アジア等を中心とした本格的な市場開拓を担うチームにおいて、現場ではどのようなバックグラウンドを持った中途人材が求められていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
スピード出世する人はいない
数年前に年功序列でなく能力を評価する人事制度に切り替えられたが、部門内の相対評価すり合わせ会議と多段階の調整でほぼ年功序列に調整されており、スピード出世する人はいない。
(30代前半・営業企画・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 共同印刷株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 共同印刷株式会社 2026年3月期 決算説明資料



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