0 編集部が注目した重点ポイント
①名鉄ワールドトランスポートを取得し国際物流を強化する
2026年5月に名鉄ワールドトランスポートの全株式取得を決議しました。業績影響は精査中で2027年3月期予想には未織り込みですが、フォワーディング機能が拡充されます。国際物流の専門人材の活用とノウハウ共有が進むため、同事業における転職者のキャリア機会が大きく拡大する可能性があります。
②政策保有株式の売却により純利益29.0%増を達成する
2026年3月期は新設拠点費用や労務費上昇で営業利益が12.2%減となった一方、政策保有株式の売却により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比29.0%増の6,333百万円を達成しました。創出したキャッシュを成長投資と株主還元へ最適配分する、資本コストを意識した経営が徹底されています。
③2027年3月期は拠点の本格稼働で営業利益22.0%増を計画する
2027年3月期の通期業績予想は営業収益4.1%増、営業利益22.0%増の5,000百万円を見込みます。前期に開設・増床した本牧倉庫や松戸、栃木の危険物倉庫などの拠点が本格稼働することや、一般医療機器取扱いの通期寄与により、物流事業全体の採算性が向上し大幅な営業増益へ転じる計画です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.3
営業収益
79,740百万円
+1.4%
営業利益
4,097百万円
-12.2%
経常利益
4,858百万円
-13.0%
当期純利益
6,333百万円
+29.0%
2026年3月期の連結業績は、営業収益が前期比1.4%増の79,740百万円と増収を確保しました。陸上運送業務の好調が牽引したものの、営業利益は新設拠点の立ち上げに伴う初期費用先行や労務単価上昇の影響を受け、同12.2%減の4,097百万円となりました。一方、純利益は政策保有株式の売却益計上により同29.0%増の6,333百万円と大幅な増益を達成しています。
本決算は通期実績が確定し、利益面の課題を認識しつつも純利益は大きく伸長して着地しました。次期予想に向けて拠点の本格稼働による収益寄与が見込まれており、業績拡大への基盤は概ね順調に整備されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.5
物流事業
【事業内容】倉庫保管・荷役、港湾運送、陸上運送、国際輸送および物流施設賃貸等の総合的な物流サービスを提供しています。
【業績推移】2026年3月期の営業収益は前期比1.8%増の73,968百万円、営業利益は同5.7%減の3,663百万円と、増収減益となりました。
【注目ポイント】飲料や食品、化粧品等の荷動きが好調で、適切な価格転嫁により既存事業の収益力は着実です。新設拠点に係る初期費用の先行で減益となりましたが、足元では正常稼働へ回復しています。さらに名鉄ワールドトランスポートの子会社化による国際物流の強化を控えており、一貫輸送体制の構築や3PL事業の拡大を推進できる専門人材が強く求められています。
不動産事業
【事業内容】東京都その他の地域において、オフィスビル等の賃貸および不動産管理、ビル工事請負業務を展開しています。
【業績推移】2026年3月期の営業収益は前期比4.0%減の6,146百万円、営業利益は同6.5%減の3,134百万円と、減収減益となりました。
【注目ポイント】オフィスビル賃貸市場では空室率が改善し賃料水準も底堅く推移したものの、前期の大型案件完了にともなうビル工事請負業務の反動減や、既存施設における計画的な保守改良工事の費用増加が響きました。今後は施設リーシングと物流を一体化させた複合提案による物流不動産領域の拡大を掲げており、アセットマネジメントや開発を担う人材が必要とされています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.10
2027年3月期は、営業収益830億円(前期比4.1%増)、営業利益50億円(同22.0%増)と大幅な営業増益への転換を予想しています。当期・前期に新設・増床した習志野、本牧、松戸、栃木の各拠点の本格稼働や、新規獲得した一般医療機器の通期寄与が物流事業の成長を牽引する見通しです。また、労務費やエネルギー価格の上昇に対しては、適切な価格転嫁を継続し採算性を向上させます。なお、2026年5月に株式取得を決議した名鉄ワールドトランスポートの連結子会社化に伴う影響額については現在精査中であり、本業績予想には織り込まれていません。不透明な市場環境下でも、M&Aやデジタル投資を伴う「Shibusawa2030ビジョン」の実現に向け、攻めの体制整備が進んでいます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
澁澤倉庫は伝統的な物流基盤を持ちながら、現在「Shibusawa2030ビジョン」のもとでM&A戦略や3PL事業の拡充を加速させています。特に名鉄ワールドトランスポートの子会社化による国際物流事業の収益基盤強化や、医薬機器・輸入食品といった成長領域への進出は、同社の変革期を示す重要なマイルストーンです。「安定した経営基盤の上で、グローバルネットワークの拡充や新規事業の立ち上げに挑戦したい」という意欲を伝えることで、成長を牽引する専門人材として高い評価を得られるでしょう。
面接での逆質問例
・新設された習志野や本牧などの拠点が本格稼働を迎えるなか、3PL事業の拠点稼働率を最大化するために、現場の管理職や運営スタッフにはどのようなスキルやマインドが最も求められていますか?
・名鉄ワールドトランスポートの全株式取得による子会社化が発表されましたが、国内物流と国際物流を融合させたトータルロジスティクス人財への進化を目指すにあたり、中途採用者が即戦力として貢献できる具体的な領域について教えていただけますでしょうか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 澁澤倉庫株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 澁澤倉庫株式会社 2026年3月期 決算説明資料



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