0 編集部が注目した重点ポイント
①売上高が過去最高の524億円を達成し計画を上回る
2026年3月期の通期業績において、売上高は前年同期比4.8%増の52,431百万円となり、過去最高売上高を達成しました。営業利益は不採算案件の影響等で減益となったものの、期初計画を190百万円上回る5,290百万円で着地しており、基盤事業の底堅い成長が転職者にとっても安定した就業環境を証明しています。
②マレーシア法人を設立し海外半導体需要の獲得を進める
デバイスソリューションにおいて、海外の半導体需要を確実に取り込むため、新たにマレーシア法人を設立し2026年4月より営業を開始しました。この構造的変化により、グローバル体制の強化に向けた取り組みが加速しており、同社でグローバルに活躍したい専門人材やエンジニアにとって、キャリア機会が大きく拡大する可能性を示しています。
③成長に向けて人件費やAIなどの積極投資を拡大する
事業拡大と人材強化にフォーカスし、2026年3月期には事業戦略に7億円、経営基盤戦略に16億円を投資しました。さらに2027年3月期計画では、投資額をそれぞれ10億円、20億円へと大幅増額する方針を掲げています。賃上げに伴う処遇改善や全社AI活用の推進など、転職希望者にとって魅力的な教育・労働環境の整備が進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.6
売上高
52,431百万円前年同期比 +4.8% / 計画比 +2.8%
営業利益
5,290百万円前年同期比 -13.5% / 計画比 +3.7%
経常利益
5,533百万円前年同期比 -10.3% / 計画比 +7.7%
当期純利益
3,709百万円前年同期比 +1.3% / 計画比 +4.8%
当連結会計年度の売上高は52,431百万円と成長を維持しました。利益面においては、賃上げに伴う人件費増、渋谷地区再編、広告宣伝費増加などの販管費増加(1,078百万円増)や一部セグメントでの不採算案件が響き、営業利益は前年比で減少したものの、計画比では上回る着地を見せています。親会社株主に帰属する当期純利益は前期の有価証券評価損の反動もあり増益を確保しました。受注高も52,957百万円(前年同期比3.4%増)と堅調で、将来の業績基盤もしっかりと構築されています。
通期の実績は当初計画を全指標で上回って着地しており、業績の進捗および確定状況としては極めて順調であると評価できます。投資をこなしながらも目標を達成する実行力は、転職を検討する上で大きな安心材料となるでしょう。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.5
エンタープライズソリューション
事業内容:製造・小売・物流業向けのビジネスソリューション、保険・銀行・官公庁向けの金融・公共ソリューション、システム機器販売を展開しています。
業績推移:売上高は16,349百万円(前年同期比4.9%増)と増収を確保。営業利益は経費増や物流分野での不採算案件が響き、1,698百万円(同25.6%減)となりました。
注目ポイント:生損保領域や官公庁向けシステム開発が大幅に拡大しています。メインフレームモダナイゼーション(レガシーシステムの刷新)に生成AIを検証・導入するなど、先端技術を用いたビジネス転換を進めており、業務コンサルティング能力や上流工程の経験を持つ中途人材への需要が高まっています。
サービスソリューション
事業内容:IoT・AIやWeb・EC等のデジタルソリューション、クラウドインテグレーションや自社データセンター運用等のクラウド・インフラサービスを提供します。
業績推移:売上高は15,218百万円(前年同期比6.0%増)と好調。営業利益はWEB・ECの不採算案件が響き、533百万円(同35.8%減)と落ち込みました。
注目ポイント:製造業向けのIoT・AI開発やデータマネジメントサービスが引き続き好調です。最新技術を体験できる施設「KiND」の開設や設備管理DX実証実験など、製造業DXソリューションに特化した施策を強化しており、上流企画やAIを活用できるエンジニアが活躍できる大きなフィールドが広がっています。
エンベデッドソリューション
事業内容:オートモーティブや産業機器、通信向けなどのアプリケーション、ミドルウェア、ドライバ開発を含む組込み開発事業を展開しています。
業績推移:売上高は11,250百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は経費増の影響で1,609百万円(同6.6%減)となったものの、計画値を上回りました。
注目ポイント:自動車のSDV(ソフトウェア定義自動車)化の需要継続に伴い、既存顧客の維持・拡大が堅調です。位置情報・運行管理プラットフォーム「NSW-Maas」の技術展開など、車載にとどまらず幅広い領域へ技術転用を進めており、異業種のノウハウをクロスさせられる専門技術者が求められています。
デバイスソリューション
事業内容:画像処理や通信関連などのLSI設計、ボード設計を含むデバイス開発事業に特化し、要件に応じたソリューションを提供しています。
業績推移:売上高は9,612百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は1,447百万円(同13.3%増)となり、セグメント別で唯一の大幅な増収増益を達成しました。
注目ポイント:新規開拓の効果が実を結び、LSIソリューションの拡大が進んでいます。マレーシア法人を設立し、国際競争力を強化する中で、グローバル対応が可能な専門人材の育成に注力しています。提案型ビジネスの比率を高める戦略をとっており、最先端の半導体開発領域に挑みたい人材に最適です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.15
2027年3月期の通期連結業績予想として、売上高54,000百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益5,400百万円(同2.1%増)と、増収増益への転換を見込んでいます。IT需要の拡大を見据え、全社AI活用や人材育成、キャリア採用強化、処遇改善、さらにはマレーシア法人を軸としたグローバル展開など、経営基盤の刷新に積極投資を継続する方針です。不透明な世界情勢やAI人材の獲得競争といったリスク・課題も認識されていますが、SIerとしての本質である「現場で価値を出し続けること」に向け、強みであるハードからソフトまでをつなぐ総合力(Physical AI等)を発揮していく戦略をとっています。キャリア採用の強化が明言されており、即戦力人材にとっては今がまさにエントリーの好期と言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は単にシステムを構築するだけでなく、生成AIの活用やレガシーモダナイゼーション、車載SDV化への対応、さらにはマレーシア法人設立を通じたグローバル展開など、明確な成長ドライバーを持っています。「現場で価値を出し続ける」という同社の基本認識に共感し、自身の持つ開発スキルやコンサルティング能力を活かして、企業のDX推進や国際競争力の強化に貢献したいという姿勢をアピールすることが、強力な志望動機につながります。
面接での逆質問例
・「2027年3月期は経営基盤やキャリア採用、教育環境強化への積極投資(20億円)が計画されていますが、新しく入社する中途社員向けには具体的にどのようなリスキリングや学習プラットフォームの活用機会が用意されているでしょうか?」
・「デバイスソリューションにおけるマレーシア法人の設立などグローバル展開が加速していますが、国内拠点から海外展開に携わるチャンスや、求められるグローバル人材の具体的な人物像について伺いたいです。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
今後も成長が期待されます
クラウドサービスに早くから注力しており、エッジ技術の導入も迅速です。業績は好調で、今後も成長が期待されます。独立系企業として多様な業種の顧客を持ち、ソフトウェアとハードウェアの両方の技術を有しているため、どちらかが不調でも全体への影響は少ないです。
(30代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]あまり活発に機能しているとは言えない印象
広範囲にわたる事業を展開しているため、配属先によっては自分の希望とは異なる業務に携わる可能性があります。異動制度はあるものの、あまり活発に機能しているとは言えない印象です。
(40代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- NSW株式会社 2026年3月期 決算説明資料
- NSW株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。