0編集部が注目した重点ポイント
①HSE推進部署の新設で洋上リスク管理体制を強化する
環境・エネルギー事業において、洋上作業での重大事故ゼロに向けたリスク管理の中核となる「HSE(健康・安全・環境)推進部署」を新設しました。2026年方針として事業の安定運営と顧客からの信頼確保を図るもので、同分野における安全管理や洋上開発のキャリア機会が拡大する可能性があります。
②営業利益26億円で通期予想に対し64%の高進捗を記録する
当第1四半期の営業利益は2,692百万円となり、通期業績予想の42億円に対して64.1%という極めて高い進捗率を達成しました。防災・インフラ事業における地域拠点の機能強化や人員配置の最適化、生産性向上への取り組みが奏功し、利益率が改善したことが主因です。
③国際事業の受注高が前年同期比135%と大幅に回復する
地政学的リスクなどで不透明感が続いていた国際事業において、当第1四半期の受注高が44億61百万円と前年同期比135.7%の大幅増を記録しました。米国子会社の一部での受注下げ止まりや、シンガポールでの現地子会社の受注増加が寄与しており、海外での成長機会が再び高まっています。
1連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.11
売上高
20,189百万円
前年同期比: -0.7%
営業利益
2,692百万円
前年同期比: -11.9%
経常利益
2,846百万円
前年同期比: -12.5%
四半期純利益
1,929百万円
前年同期比: -19.7%
当第1四半期の売上高は前年同期比で微減となり、各段階利益も前年に高水準であった震災復旧対応業務の落ち着きに伴って前年同期比で減少する結果となりました。しかし、期首受注残高の着実な消化や国内の構造改革、拠点効率化が実を結び、売上総利益率は高い水準を維持しています。
通期業績予想(売上高750億円、営業利益42億円)に対する進捗率は、売上高が26.9%に留まる一方、営業利益は64.1%に達しています。1Qの時点で年間の営業利益目標の過半数を大きくクリアしており、通期予想の達成に向けて同社の業績の進捗は非常に順順であると評価できます。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.12
防災・インフラ事業
【事業内容】 インフラの老朽化対策や防災・減災関連の公共事業を主軸とし、地震・火山観測・監視設備の更新業務などを担います。
【業績推移】 当第1四半期の売上高は9,976百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益は2,423百万円(同61.5%増)と大幅な増収増益となりました。
【注目ポイント】 震災復旧関連の新規受注は平常化し反動減となったものの、豊富な期首受注残の消化が売上を牽引しました。地域拠点の機能強化や人員配置の最適化を柱とする地産地消型の体制効率化が進んでおり、国内の公共需要を確実に支えるため、プロジェクト管理や組織運営の高度化を推進できる実務人材が求められています。
環境・エネルギー事業
【事業内容】 洋上風力発電関連の基礎調査や、環境再生支援、災害廃棄物処理計画の策定対応などを手がけています。
【業績推移】 当第1四半期の売上高は6,568百万円(前年同期比14.6%減)、営業利益は668百万円(同62.1%減)と減収減益の推移となりました。
【注目ポイント】 洋上風力発電分野において、詳細調査案件のスケジュール後ろ倒しが響き一時的に弱含みとなりました。一方でJOGMECによる基礎調査では高いシェアを維持しており、2027年以降の詳細調査需要増に向けた技術開発や、地熱・CCS(二酸化炭素回収・貯留)等の中長期成長分野への投資を拡大中。新設されたHSE推進部署などを通じ、高リスク環境での安全・品質管理に長けた専門人材が必要とされています。
国際事業
【事業内容】 海外における地質調査、インフラ点検サービスの提供、および高品質地震計をはじめとする計測機器の製造・販売を展開しています。
【業績推移】 当第1四半期の売上高は3,793百万円(前年同期比12.3%減)となり、営業損益は428百万円の損失と前年から赤字幅が拡大しました。
【注目ポイント】 米国子会社等での製品出荷時期の後ろ倒しや業務進捗の期ずれが響き利益を圧迫しました。しかし、世界の国家防災や鉱物資源探査などの重要領域での需要捕捉が進み、受注高は前年同期比135.7%と急激に反転しています。事業戦略の再構築とエリア拡大に向け、海外でのアライアンス推進や技術営業を担える即戦力への期待が高まっています。
国際事業:Asia-Pacific地域
【事業内容】 シンガポールや太平洋島しょ国を地盤とし、地質土質調査、土木・建築設計、インフラモニタリングなどを提供しています。
【業績推移】 当第1四半期は、シンガポール現地子会社の受注増加に牽引され、アジア全域で堅調な受注の下げ止まり・拡大が確認されました。
【注目ポイント】 シンガポールの建設市場は年平均成長率(CAGR)約4%と堅調です。現地では空港拡張や大型港湾施設、地下鉄延伸、下水道トンネルといった大規模なインフラプロジェクトが集中しており、「OYO Tracker4D」などのリアルタイム地盤監視技術を展開中。また沖縄・グァムでの米軍基地整備需要の取り込みも進めており、海外インフラ事業での豊かな経験を持つ技術者の採用余地が大きくなっています。
国際事業:OYO USA地域
【事業内容】 高品質地震計、磁力計、地震探査装置、地中レーダーなどの最先端センシング機器の製造・販売および新領域展開を行います。
【業績推移】 米国の洋上風力市場停滞の影響を受けたものの、当第1四半期は収益領域での需要捕捉により回復基調を強めています。
【注目ポイント】 Kinemetrics社が各国の国家防災プロジェクトなどの短期〜中長期需要を捕捉しているほか、他産業との戦略的提携が急進展しています。具体的には、道路舗装メーカーHamm社向けのアスファルト舗装リアルタイム圧密度計測機器の提供や、海洋機器メーカーTeledyne Marine社製品へのエレクトロニクス提供など、需要が大幅増となる見込み。コア技術の他産業展開を進めるため、アライアンス展開や組込みエレクトロニクスの専門人材への需要が急速に高まっています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.24
2026年12月期の通期業績予想は、売上高750億円、営業利益42億円、経常利益48億円、当期純利益39億円と期初予想から変更はありません。一時的需要の平常化による反動減を見込む一方、第1次国土強靭化実施中期計画(総額20兆円強)により、国内の社会インフラ・防災の需要基盤は依然として堅固です。同社は130〜140億円規模の持続的な成長投資に加え、人的資本への積極投資(継続的な賃金アップや新人事・新教育制度の導入)を継続しています。今後はAsia-Pacific地域の伸長や米国市場の回復、さらには「OYONAVI」による民間防災需要の開拓といった高付加価値化が利益成長の鍵を握るため、自律的にサービス創出や新領域進出を牽引できる人材の確保が重要視されています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は地質・地盤のリーディングカンパニーとして、国土強靭化やクリーンエネルギー対応など、社会基盤に直結する課題解決を担っています。志望動機を練る際は、防災・インフラ事業における地産地消型の体制効率化や、環境・エネルギー事業における「HSE推進部署」の新設など、同社が推進するリスク管理と体制高度化の仕組みづくりへ関心を寄せるのが有効です。また、海外での他産業との提携(Hamm社へのセンサー提供やTeledyne Marine社へのエレクトロニクス展開など)による新領域進出を志向し、自身の専門性を活かしてグループの付加価値向上とグローバル成長を加速させたいという熱意をアピールすると強い共感を得られます。
面接での逆質問例
- 環境・エネルギー事業において洋上作業のリスク管理を担う「HSE推進部署」が新設されましたが、この安全管理体制の強化が、今後2027年以降に本格化する詳細調査案件の獲得競争や顧客の信頼確保において、どのような具体的な競争優位性をもたらすと考えていらっしゃいますか。
- 国際事業の「OYO USA」において、道路舗装メーカーHamm社へのセンサー提供といった他産業との戦略的提携が大きな成果を上げていますが、このように既存の地質計測機器の枠を超えたアライアンスや新領域の需要開拓を進めるにあたり、中途採用者に特に期待される異業界の知見やアプローチについて教えてください。
- 防災・インフラ事業では「地域市場に合わせた営業・生産体制の最適化」を掲げていますが、現場の体制効率化や、新たな「OYONAVI」による民間防災需要の開拓において、新しく加わる即戦力人材が真っ先に果たすべき役割や期待されるミッションは何でしょうか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
労働環境は良くない
東証一部上場企業でありながら、封建的な考えを持ち、当然、その他の待遇においても改善されない点が多くみられ、労働環境は良くないと考える。
(31歳・建設コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 応用地質株式会社 2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 応用地質株式会社 2025年12月期 決算説明資料



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