0 編集部が注目した重点ポイント
①2026年度に金属溶材を子会社化し事業を拡大する
2026年度にろう材の成形加工販売会社である金属溶材株式会社を子会社化しました。これにより溶接ユニットにおけるニッチな専門知識の融合が進み、ものづくりの現場に対する提案力が強化されます。該当事業領域でのキャリア機会が拡大する可能性が高まっており、技術営業などの専門人材に新たなフィールドを提供しています。
②3カ年で285億円の投資枠を原動力に環境事業を推進する
2024年度から2026年度の中期経営計画において、最新見通しベースで285億円の投融資枠(意思決定ベース)を設定しています。ブラック・ペレット事業を担うローカルエナジーシステムへの事業参画や、アルミ資源循環ビジネスを推進するVesper Metalsの設立などを進めており、サステナブル分野での成長を加速させています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算 2026年度 計画 説明資料 P.2
売上高
6,081億円
前年比: -1.5%
営業利益
116億円
前年比: -12.5%
経常利益
110億円
前年比: -6.3%
当期純利益
83億円
前年比: -3.2%
当連結会計年度の業績は、建設向け鋼板の取扱数量減少や鋼材価格の下落が響き、全体として減収減益の着地となりました。しかし、親会社株主に帰属する当期純利益については、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益の計上などにより、前年比3億円減の83億円にとどめ、底堅さを示しています。
当初の通期公表値(売上高6,370億円、経常利益120億円)に対する達成率は、売上高が95.4%、経常利益が91.6%となりました。目標値には一歩届かなかったものの、過度な総資産の増加を抑制したことで自己資本比率は25.8%へと改善しており、次期計画に向けた財務健全性の向上が着実に進んでいます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算 2026年度 計画 説明資料 P.11
鉄鋼ユニット
事業内容: 特殊鋼、薄板、厚板を中心に、鋳鍛鋼、チタン、鉄粉などを国内および海外市場へ幅広く販売。
業績推移: 売上高は2,500億92百万円、ユニット経常利益は前年比15.4%減の47億38百万円と減収減益。
注目ポイント: 建材分野の需要低迷に伴う鋼板取扱の減少や、鋼材価格下落の直撃を受けました。一方で自動車向けの特殊鋼線材などは堅調を維持しています。日系自動車メーカーの生産追随や、商社機能強化に向けたサプライチェーンの最適化、DX推進を担える専門人材の採用が不可欠となっています。
アルミ・銅ユニット
事業内容: 主に自動車や空調機器向けのアルミ・銅製品、および非鉄原料を国内外へ供給。
業績推移: 売上高は1,879億47百万円、ユニット経常利益は前年比8.3%減の28億36百万円を記録。
注目ポイント: 空調銅管などの取扱増により銅製品は増益を確保した一方、自動車向けアルミ板の数量減少が重荷となりました。地金価格が高水準を維持する中、国内でのアルミ加工事業化検討や中国での地産地消推進など、オリジナルサプライチェーンを再構築できる提案型の法人営業が求められています。
原料ユニット
事業内容: 神戸製鋼所向けの石炭・鉄鉱石などの調達に加え、バイオマス燃料、資源循環ビジネスを展開。
業績推移: 売上高は776億52百万円、ユニット経常損益は前年の黒字から61百万円の損失へ転落。
注目ポイント: 粗鋼生産の低迷による主原料価格下落や、豪州炭鉱の操業開始遅れ、取引先バイオマス発電所のトラブルが影響しました。しかし、今後は操業回復によるバイオマス燃料の取扱増が見込まれており、脱炭素・資源循環という新規市場を切り拓くエネルギー営業の専門人材が必要不可欠です。
機械ユニット
事業内容: 産業機械、化学機械、冷熱・ヒートポンプ等の脱炭素関連機器やPVD装置の国内外販売。
業績推移: 売上高は637億26百万円(前年比4.2%増)、ユニット経常利益は33.3%増の30億46百万円と大幅増益。
注目ポイント: 脱炭素関連の投資需要を捉え、非汎用圧縮機やそのメンテナンスサービスが非常に好調に推移しました。国内子会社の受注好調や中国での建機部品ビジネスも利益貢献を拡大しています。顧客の生産体制における課題解決を担うエンジニアリング型の技術営業の活躍フィールドが広がっています。
溶接ユニット
事業内容: 溶接材料、溶接機、溶剤原料などの国内外販売。自動車や造船、鉄骨橋梁など多岐にわたる顧客基盤。
業績推移: 売上高は285億24百万円、ユニット経常利益は前年比9.2%減の6億38百万円で着地。
注目ポイント: 取扱量は国内外ともに増加し、国内およびタイでの溶接関連機材の取扱いも堅調でした。しかし、国外の販売単価下落が響き利益面では一歩後退。今後は2026年度にグループへ加わる金属溶材とのシナジーを発揮し、ニッチ分野での専門知識を武器に市場シェアを拡大できる人材が求められます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算 2026年度 計画 説明資料 P.3
2027年3月期の通期連結業績は、売上高6,860億円、経常利益115億円、当期純利益90億円への増収増益を見込んでいます。グローバル日系自動車生産は前年並みを想定するものの、AI・データセンター投資に伴う半導体製造装置向けアルミ厚板の需要回復や、カーボンニュートラル関連の機械・設備需要の旺盛さが利益を牽引する見通しです。
特に原料ユニットでは、過去に操業遅延の原因となっていた取引先バイオマス発電所や豪州炭鉱の操業回復を見込んでおり、10億円の利益改善を計画しています。さらに、愛媛県西条市に建設中の未利用バイオマスを原料とするブラック・ペレット製造工場(ローカルエナジーシステム株式会社)が2026年7月に竣工を予定。こうした新規大型プラントの立ち上げや新規事業の推進をリードできるマネジメント人材、事業開発人材の採用熱度が極めて高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント:
同社は従来の「メーカー商社」としての枠組みを超え、自社オリジナルの環境・サステナブル事業を相次いで立ち上げています。例えば、2026年7月竣工予定のブラック・ペレット事業や、2027年10月稼働予定の低品位アルミスクラップの高度選別事業(Vesper Metals)など、具体的なプロジェクトが本格化しています。面接では「単なるトレーディングではなく、自ら新たな環境サプライチェーンの構築に挑みたい」という姿勢を示すことで、同社の「ミライカダイ挑戦商社」というコンセプトに合致した強力なアピールが可能です。
面接での逆質問例:
・「機械ユニットでは非汎用圧縮機や冷熱・ヒートポンプといった脱炭素機器が非常に好調ですが、中計最終年度に向け、中途採用者に最も期待する『顧客の課題解決能力』や『開拓してほしい領域』はどこでしょうか?」
・「原料ユニットにおいて2026年7月竣工予定のブラック・ペレット事業の立ち上げ期において、中途採用者が現地ヤードの管理や地産地消のサプライチェーン構築で即戦力として貢献できる最大のポイントを教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 神鋼商事株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 神鋼商事株式会社 2025年度 決算 2026年度 計画 説明資料



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