0 編集部が注目した重点ポイント
①2027年3月期より新報告セグメントへ移行する
組織の管理体系と事業特性に合わせ、従来の4事業から「FAシステム」「ビル設備」「半導体・デバイス」「社会インフラ」の新セグメントへ刷新します。メディカル事業の成長や情報通信・設備機器の連携強化を進めることで、転職者にとっても新たな活躍のフィールドやキャリア機会が拡大する可能性があります。
②高島電機等の連結化によりソリューション体制を強化する
2024年12月に高島電機を連結グループへ迎え、東北エリアの販売網や自社製造盤の獲得によるFAシステム事業領域の拡大を達成しました。日本制御エンジニアリングの制御・IoT技術融合と合わせ、単体機器の販売から高利益なソリューションビジネスモデルへの変革が加速しており、専門人材の需要が高まっています。
③新中期経営計画で2028年度営業利益82億円を目指す
次なる成長に向け新中期経営計画「True Solution 2028」を策定し、連結営業利益82億円以上、ROE10.0%以上の高い財務目標を掲げています。自動化、環境、データセンター、防衛、医療を重点領域と定めて経営資源を集中投下する方針であり、成長領域へのシフトに伴う積極的な採用活動が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:決算及び中期経営計画説明会資料 P.4
売上高
1,456.1億円
前年比 +15.9%
営業利益
53.3億円
前年比 +18.5%
経常利益
57.8億円
前年比 +22.3%
当期純利益
39.6億円
前年比 +0.6%
当連結会計年度における売上高は145,614百万円、営業利益は5,332百万円、経常利益は5,784百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3,966百万円を記録しました。モジュールビジネスや医療分野向けの伸長に加え、大型案件が重なったことで、営業利益、経常利益、純利益のすべてにおいて過去最高益を達成しています。
前中期経営計画「ES・C2025」の最終年度目標との比較においては、連結ROE8.0%や戦略的投資による新規売上創出目標(100億円に対し10,849百万円を達成)はクリアしたものの、営業利益目標(57億円)に対しては達成度93.5%と一歩届かず未達となりました。ソリューションビジネスの展開をさらに加速させることが、次期計画への課題として引き継がれていますが、足元の業績自体は過去最高を更新しており極めて堅調な推移と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算及び中期経営計画説明会資料 P.13
FAシステム事業
【事業内容】
PLC、サーボモータ、インバータ等のFA制御コンポーネントや配電制御機器、放電加工機、プロセス制御システム、計測機器などの販売をおこなっています。
【業績推移】
2025年度売上高は54,935百万円、新区分での営業利益は2,117百万円を計上。2028年度には売上高64,300百万円以上、営業利益4,220百万円以上への拡大を目指します。(注:前年中に高島電機等がグループ入りしたため業績に寄与、単純比較には留意が必要)
【注目ポイント】
深刻化する労働力不足を背景に、国内外で自動化・ロボット需要が右肩上がりに拡大しています。単なる機器販売から、AIやIoT、自動化・ドライブ分野に特化した高付加価値なソリューションモデルへの転換を急いでおり、顧客の現場課題を深く把握してシステムを構築できるエンジニアリング専門人材の確保が急務となっています。
ビル設備事業
【事業内容】
発電機、無停電電源装置(UPS)、昇降機、LED照明、業務用エアコン、冷凍・冷蔵機器、防犯カメラ、映像システムなどを取り扱っています。
【業績推移】
2025年度売上高は24,018百万円、営業利益は497百万円を記録。2028年度の目標として売上高27,900百万円以上、営業利益980百万円以上を掲げ、年平均+25.4%の営業利益成長を目指します。
【注目ポイント】
生成AIの急速な普及に伴うデータセンターの新設や、脱炭素化へ向けた既存ビルの省エネ改修ニーズが強まっています。点検・保守からリニューアル提案にいたる「伴走型サービスモデル」の確立や、高度な知見を活かした空間価値創造ビジネスへの進化を進めており、エネルギー管理システムを用いた省エネ提案ができる人材が不可欠です。
半導体・デバイス事業
【事業内容】
メモリ、マイコン、IC、パワー半導体、各種電子部品、Wi-Fiモジュールなどの無線モジュールを主要製品として販売しています。
【業績推移】
2025年度売上高は19,777百万円、営業利益は1,650百万円を記録。2028年度の目標として売上高26,200百万円以上、営業利益1,750百万円以上をターゲットとしています。
【注目ポイント】
産業機器の省エネ化やOA機器の多機能化により、高効率パワー半導体の需要が伸びています。汎用品の販売から、無線モジュールやAIチップ等の高付加価値商材・キーパーツへのシフトを進めており、メーカーに対する「デザインイン(開発初期からの仕様組み込み活動)」強化に向け、高い技術的知見を備えた営業・開発支援人材が強く求められています。
社会インフラ事業
【事業内容】
鉄道車両用機器、受変電設備、官公庁向け防衛機器、防災無線、太陽光発電機器、病院向け放射線治療装置などの電子医療装置を販売しています。
【業績推移】
2025年度売上高は46,883百万円、営業利益は1,066百万円に上ります。2028年度には売上高48,600百万円以上、営業利益1,250百万円以上の安定成長を視野に収めています。
【注目ポイント】
国の防衛予算増大や病院DX、防災・減災投資の増大など、底堅い市場機会が到来しています。車両基地の自動化や脳外科・循環器分野への進出を強化するほか、機器販売にとどまらず運用・保守まで一気通貫で手がける「自社主導ビジネス」への移行を進めており、行政や医療機関向けの大規模DXプロジェクトを主導できるプロフェッショナルが求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算及び中期経営計画説明会資料 P.24
2027年3月期の通期連結業績予想は、売上高150,000百万円(前期比3.0%増)、営業利益5,900百万円(前期比10.7%増)、経常利益6,000百万円(前期比3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円(前期比0.9%増)と、さらなる増収増益を見込んでいます。エネルギー価格の高騰や中国経済の成長鈍化といった外部リスクがあるものの、企業の自動化・DX・脱炭素関連の投資意欲は総じて堅調を維持する見通しです。
新中期経営計画の3年間では、総額440億円規模のキャッシュ・アウト計画を策定しています。そのうち、M&Aやアライアンスを含む社会関係資本に約100億円、基幹システムやAI活用などの知的資本に約30億円、端的には賃金ベースアップや教育、採用強化といった「人的資本投資」に約20億円を計画的に投入する方針です。株主還元面でもこれまでの配当性向40%から、新たに株主資本配当率(DOE)4.5%を基準指標として採用し、配当予想を1株当たり100円へ大幅に引き上げるなど資本効率を強く意識した攻めの経営へ舵を切っており、組織全体の活性化に伴う専門人材の採用が一段と活発化する好機と言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
単なる製品の仕入れ販売にとどまらず、新中期経営計画で強く打ち出されている「強みの掛合せ」や「オリジナルソリューションの創出」に共感を示すストーリーが効果的です。特に、労働力不足を解決する自動化ソリューションへの転換や、データセンター増設に伴う空間価値創造ビジネスへの進化、防衛やメディカルDXなどの「自社主導ビジネス」の育成といった同社が注力する成長領域に対し、自身の持つ技術力やコーディネート力をどのように発揮し貢献できるかを、具体的な言葉でアピールすると高い評価を得られるでしょう。
面接での逆質問例
質問例1: 新中期経営計画「True Solution 2028」では自動化ソリューションの年間売上高を1.5倍に拡大する目標を掲げていますが、新セグメントに移行したFAシステム事業において、中途採用の専門人材に最も期待される「現場の課題解決における役割」や具体的なミッションについて教えていただけますでしょうか。
質問例2: 計画期間累計で20億円規模の人的資本投資(賃金ベースアップや教育、採用強化)や、AIエージェントの活用による「カナデンAX+」の推進が示されていますが、中途採用者が入社後に利用できるリスキリング支援や専門スキル習得の研修体制について、現在どのような強化がおこなわれているか伺えますでしょうか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社カナデン 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社カナデン 2026年3月期 決算及び中期経営計画説明会資料



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