0 編集部が注目した重点ポイント
①海産PCの稼働で人時売上高を約120%に改善する
2025年11月に海産プロセスセンター(PC)が新たに稼働を開始しました。北陸の旬の地魚の集中加工を行うことで、店舗での品揃えの安定化と作業工数の削減を両立し、海産部門の人時売上高を約120%に改善させる構造的変化を遂げています。店舗の業務効率化が進む中、製造管理や品質管理の専門人材としてのキャリア機会が拡大する可能性があります。
②新業態アルビスくらすの展開で利益率を高める
EDLP(毎日低価格)とローコストオペレーションを軸とした小型店舗「アルビスくらす」への業態変更を推進しています。泉が丘中央店のリニューアルでは、チラシ販促の原則取りやめや業務の平準化により、営業利益率が2pt以上改善する顕著な成果が出ました。年商10億円ベースでの黒字化に向け、低コスト運営体制を主導する店舗マネジメント人材の需要が高まっています。
③物流拠点の再構築により総配送距離を短縮する
2024年11月に富山、石川・福井の各店舗エリアに対応する物流拠点を分散・再構築しました。これにより全店舗への総配送距離を約20%短縮し、エネルギーコストが高止まりする中でも配送経費率の維持に成功しています。災害発生時にも継続的な商品供給を可能にするBCP(事業継続計画)体制が強化され、ロジスティクス専門職の活躍の場が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会(IR)資料 P.20
営業収益
100,952百万円
+2.8% (前年比)
営業利益
2,155百万円
+4.5% (前年比)
経常利益
2,417百万円
▲7.2% (前年比)
当期純利益
1,324百万円
▲18.3% (前年比)
当連結会計年度の営業収益は、前期新店・建替え新店の通期化や当期の建替え新店の効果により、前年同期比2.8%増の100,952百万円と過去最高の増収を記録しました。利益面では、賃上げ等の人的資本投資、新店・改装に伴う一括経費や減価償却費の増加を伴ったものの、高利益商品の販売拡大や海産プロセスセンター稼働による原価改善の取り組みにより、営業利益は前年同期比4.5%増の2,155百万円へと増益を達成しています。
通期計画に対する業績の進捗・達成度を評価すると、営業収益は計画対比98.9%、営業利益は95.5%となり、厳しい競争環境や物価高の中でも、販売力強化施策が功を奏して概ね順調な着地を達成したと言えます。一方で、経常利益は計画対比85.9%、当期純利益は81.2%にとどまりました。これは、海産プロセスセンター新設に伴う既存生鮮センターの設備廃棄や旧タピス店の解体といった、構造改革に関わる特別損失を370百万円計上した特殊要因が主因であり、一過性の影響にとどまる見通しです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会(IR)資料 P.33
富山県エリア
【事業内容】富山県はアルビスの主力ドミナントエリアであり、2026年3月末時点で38店舗を展開する最大の事業基盤です。
【業績推移】2026年3月期の地区別売上高は54,062百万円を記録し、前年同期比2.6%増と堅調な成長を維持しています。
【注目ポイント】当期に大広田店や太閤山店の建替え新店をオープンし、新業態「アルビスくらすSOGAWA」を開店させるなど、積極的な店舗投資が功を奏しています。老朽化設備の更新や最新の売場・商品構成への切り替えを推進するため、店舗マネジメントや生鮮加工の専門人材を確保し、地域コミュニティの拠点としての機能を強化する戦略的背景があります。
石川県エリア
【事業内容】20店舗を展開し、富山県に次ぐ重要な第二の事業基盤として確固たるネットワークを形成しているエリアです。
【業績推移】2026年3月期の地区別売上高は33,558百万円となり、前年同期比で0.2%減とほぼ前年並みを維持しています。
【注目ポイント】ドラッグストア等の異業態競合に対抗するため、杜の里店などを小型新業態「アルビスくらす」へと改装し、ローコスト運営による収益力改善を進めています。2026年2月には野々市市と包括連携協定を締結するなど、官民協働での健康増進や子育て支援施策を主導できる、地域密着型の店舗運営のプロフェッショナルが求められています。
福井県エリア
【事業内容】福井県内において6店舗を展開し、地域顧客のライフラインとして深く根ざした安定的な小売事業を行っています。
【業績推移】2026年3月期の地区別売上高は6,524百万円を計上し、前年同期比で0.3%増と堅調に推移しています。
【注目ポイント】物価高を受けた消費者の生活防衛志向に対応し、購買頻度の高い300品目を値下げ・据え置きにする「食卓応援企画」を推進しています。限られた店舗網の中で徹底したオペレーションの標準化を図り、生産性と効率化の向上を高いレベルで実践できる現場管理職の育成が急務となっています。
中京エリア(愛知県・岐阜県)
【事業内容】愛知県2店舗、岐阜県2店舗の計4店舗を構え、今後のグループの持続的成長を牽引する新規拡大エリアです。
【業績推移】2026年3月期の地区別売上高は8,159百万円に達し、前年同期比で19.1%増と驚異的なスピードで拡大しています。
【注目ポイント】前期に出店した北方店の通期化などが大きく寄与し、市場シェアを急速に拡大しています。強みである生鮮部門の高い構成比(全体の50%以上)を中京圏へ移植し、さらなる新店攻勢や多店舗展開の足がかりとするため、新規開拓スピリットと高い店舗統括スキルを有するリーダー人材を強く求めています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会(IR)資料 P.27
2027年3月期は、営業収益103,999百万円(3.0%増)、営業利益2,302百万円(6.8%増)と、さらなる増収増益の業績予想を掲げています。2026年秋には「福岡駅前店」の建替えオープンを予定しており、同店では北陸エリアの食品スーパーで初となる「ZEB(ゼロエネルギービル)」認証の取得を目指すなど、環境モデル店舗としての積極投資を行います。人件費の上昇や投資に伴う販管費の増加が見込まれるものの、稼働を開始した海産プロセスセンターによる集中加工や、店舗オペレーションの標準化・効率化を進めることで店舗収益力を強化する方針です。脱炭素社会の実現に向けた環境保全活動や、DXを推進するIT・インフラ投資など、中長期の成長基盤を支える専門人材の採用動向に注目が集まります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
アルビスは「食を通じて地域の皆様の健康で豊かな生活に貢献します」という理念のもと、第四次中期経営計画を推進しています。特に自社工場(プロセスセンター)を活用した品質向上と原価改善、新業態「アルビスくらす」によるローコスト運営、あるいは「健康経営優良法人2026」への認定に代表される人的資本経営への取り組みが大きな特徴です。地産地消の推進や地元の食文化に根ざした独自商品の開発実績(お弁当・お惣菜大賞で2年連続優秀賞受賞)に深く共感し、「地域密着の食のインフラを強固にしたい」という想や、「プロセスセンターやデジタルインフラを活用した生産性向上に貢献したい」という軸で志望動機を構築すると、高い評価に繋がります。
面接での逆質問例
面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれた際、決算データを踏まえた逆質問を行うことで、高い志望度とビジネスへの理解度をアピールできます。以下を参考にしてください。
- 「海産プロセスセンターの稼働により店舗の人時売上高が約120%改善したとのことですが、店舗スタッフが削減された時間を『魅力ある売場づくり』や『顧客満足度向上』に具体的にどのように繋げているか、現場の具体的な好事例を教えていただけますでしょうか。」
- 「新業態『アルビスくらす』において、正社員3名でのローコスト運営体制を敷かれていると伺いました。この平準化されたオペレーションを早期に習得し、パート社員の方々を戦力化していく上で、店舗マネジメント職に最も求められるスキルや資質は何でしょうか。」
- 「2026年秋にオープン予定の福岡駅前店でZEB認証の取得を目指すなど、環境モデル店舗への投資を進められていますが、現場の店舗運営において従業員やお客様を巻き込んだサステナブルな取り組みとして、今後どのような新規展開を期待されていますか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
サービス残業が横行している状態
人員が足りておらず、それに対する施策もなく問題を放置している。また、パートの高齢化も進んでおり、10年後にどうなっているかわからない。残業は、つけた分だけもらえるが、評価に響くためサービス残業が横行している状態。
(20代後半・ショップスタッフ・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- アルビス株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- アルビス株式会社 2026年3月期 決算説明会(IR)資料



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