0 編集部が注目した重点ポイント
①当期純利益76億円を突破し過去最高益を更新する
資金運用収益の拡大や与信関係費用の減少を背景に、連結当期純利益は76億92百万円と過去最高益を達成しました。有価証券運用損益での債券売却損などを本業の利益成長でしっかりとカバーしており、地域金融機関としての非常に高い収益力が実証される形となっています。
②中期経営計画を上方修正し100億円の目標を前倒しする
良好な市場環境とこれまでの順調な進捗を踏まえ、現行の中期経営計画の最終年度目標を連結当期純利益100億円以上へ上方修正しました。当初は2030年度の目標として掲げていた指標を大幅に前倒しして達成する計画であり、行内全体の成長軌道が一段と加速しています。
③営業体制を刷新し法人営業の人員を約50名増員する
2025年度からの店舗スマート化などの合理化により人員を創出し、法人営業部門を約370名から約420名体制へ再配置しました。個人営業から法人コンサルティングなどの重点強化分野へ人員をシフトさせる構造的変化を推進しており、専門人材としての活躍の場が大きく広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 会社説明会 P.4
※コア業務純益(単体):276億41百万円の業務粗利益から経費を除き、国債等債券損益を差し引いた、銀行の本来のコンサルティング・資金運用などによる基礎的な収益力を測る指標。当期は180億円(前期比+60.7%)と大幅に伸長しています。
当連結会計年度における秋田銀行の業績は、貸出金利息の大幅な増加や有価証券利息配当金の増加により、非常に高い水準を記録しました。債券のポートフォリオ組み換えに伴う国債等債券売却損の発生を本業の資金利益で完全に吸収し、連結経常利益・当期純利益ともに大幅な増益を達成しています。一般貸倒引当金の戻入や不良債権処理額の減少といった与信関係費用のコントロールも、利益の押し上げに大きく寄与しました。
当期の単体純利益実績は78億円となっており、期初に掲げていた計画目標である68億円を10億円上回って着地しました。この通期計画に対する達成状況を鑑みると、経営陣が進める収益構造の改革は非常に堅調に推移していると評価できます。地方銀行を取り巻く金利上昇局面を好機と捉え、既存アセットの利回り改善を迅速に進めたことが実を結んでいます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 会社説明会 P.33
銀行業務(秋田銀行)
【事業内容】預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、内国・外国為替業務、投資信託や保険商品の窓口販売など、グループの核となる総合金融サービスを提供しています。
【業績推移】セグメント経常収益は前連結会計年度比90億16百万円増の554億16百万円、セグメント利益は19億12百万円増の112億84百万円となりました。
【注目ポイント】金利上昇を捉えた適切な金利適用と中小企業向け貸出の増強により、貸出金利回りが1.19%へ上昇し、資金利益が大幅に拡大しました。さらに、2023年6月に設立された投資専門子会社である株式会社あきぎんキャピタルパートナーズによるエクイティ支援や、専担部署による事業承継・M&A支援の成約件数が拡大しています。単なる融資にとどまらず、企業の成長投資をアレンジできる高度な金融コンサルタントのニーズが非常に高まっています。
リース業務(株式会社秋田グランドリース)
【事業内容】地域の事業者向けに各種産業機械、工作機械、情報機器などの設備導入を支援するリース業務を行っています。
【業績推移】セグメント経常収益は前連結会計年度比3億34百万円減の54億76百万円となったものの、セグメント利益は1億88百万円を確保し前年を上回りました。
【注目ポイント】地元の設備投資や省エネ化投資ニーズを的確に捉え、銀行業務と連携しながら効率的な営業を展開しています。金利上昇局面における企業の設備リース需要の多角化に対応するため、銀行の法人営業部門とのリレーション強化によるクロスセルや提案力の高度化が進められており、リース知識と融資ノウハウを掛け合わせた総合的な提案スキルを持つ人材が求められています。
その他の業務(子会社6社による地域活性化・金融関連サービス)
【事業内容】コンサルティング、地域商社業務(詩の国秋田株式会社)、個人ローン保証(株式会社秋田保証サービス)、クレジットカード業務などを行っています。
【業績推移】外部顧客に対するセグメント経常収益は9億63百万円、セグメント利益は1億86百万円と、グループ全体の収益に安定的に貢献しています。
【注目ポイント】非金融事業を通じた地域の経済的シナジーの追求において重要な役割を担っています。地域商社を通じた販路拡大や観光・文化の付加価値向上、DX・GX(グリーン・トランスフォーメーション)支援といった新たな事業プロジェクト開発が本格化しており、従来の銀行の枠を超えた地域商社ビジネス、Webマーケティング、再生可能エネルギープロジェクトマネジメントなどの異業種スキルを持つ人材に大きな活躍機会があります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 会社説明会 P.24
秋田銀行の次期収益計画(2027年3月期計画)では、単体での経常利益131億円、当期純利益85億円(前期比+7億円)と、さらなる増益トレンドを維持する見通しです。政策金利の上昇前提(2026年6月に1.00%、12月に1.25%への利上げ想定)を組み込んでおり、貸出金利息は前期比で+46億円の増加を計画しています。支払預金利息の増加といった調達コストの上昇を、中小企業向け貸出の増強や金利運用の最適化によって十分に跳ね返す構造を描いています。
また、秋田・岩手アライアンス(岩手銀行との業務提携)が5年累計の両行合計で30億円以上の提携効果目標に向けて順調に進捗しており、プロジェクトファイナンスや生成AI活用による業務効率化など、広域でのアライアンス効果が収益を底上げしています。戦略的な人員配置計画を背景に、キャリア採用の強化や継続的な賃上げ(ベアや定期昇給を含め約2.7%実施)を明言。プロフェッショナルな能力を持つ転職者に対して、より魅力的な処遇とキャリア形成の機会を提示できる基盤が整えられています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
秋田銀行の志望動機を練る際は、同行が目指す「デット+エクイティによる新たな地域ビジネスの共創」に自身の経験をどう掛け合わせるかが鍵となります。特に、洋上風力発電などの再生可能エネルギー融資における累計実行額の拡大や、地域商社を通じた域外からの投資・人・消費の獲得といった、地方銀行の枠を超えた「地域価値共創ビジネスモデル」への共感を軸に据えると効果的です。また、営業体制刷新に伴い法人関連の高度コンサルティング人材が強く求められている時期であるため、これまでの営業実績や専門資格を活かして、同行の変革期をリードする中核人材として貢献したいという成長意欲をアピールすることが高い評価に直結します。
面接での逆質問例
1. 「中期経営計画の最終年度目標が上方修正され、当初の2030年度目標レベルを前倒しで目指すとのことですが、新たに増強された法人営業部門において、キャリア採用者がすぐにバリューを発揮するために最も求められる専門スキルやマインドセットは何でしょうか?」
2. 「秋田・岩手アライアンスによるコスト構造改革や連携ファイナンスの成果が着実に表れていると拝見しました。広域連携のフィールドがさらに広がるなかで、両行の強みを活かした新規事業開発やクロスボーダーM&A案件において、どのようなキャリアの挑戦が可能かお聞かせください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
恵まれた環境下であると認識
勤務する店舗での人員体制にもよるとは思うが、概ねワークライフバランスの改善が進んでおり、恵まれた環境下であると認識している。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]優秀な人がどんどん辞めてしまっているように思え残念
優秀な人がどんどん辞めてしまっているように思え残念だ。右から左に流す能力を鍛えていかなければプレッシャーに勝てない。
(30代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社秋田銀行 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社秋田銀行 2026年3月期 会社説明会資料
- 株式会社秋田銀行 2025年度 決算説明資料(決補足説明資料)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。