0 編集部が注目した重点ポイント
①営業利益43億円で過去最高を更新する
2025年度の連結業績は、チケット販売増や大型興行の受託が好調に推移したことで取扱高が3,000億円を突破しました。営業利益は4,311百万円を記録し、すべての利益項目において過去最高益を更新して中期経営計画の当初目標を大きく上振れて達成しました。
②ぴあライブクリエイティブを新規連結する
当連結会計年度より、新たにぴあライブクリエイティブ株式会社の新規連結を完了しました。前年は未連結のため単純比較不可の参考値となりますが、独自コンテンツ創出の提供体制が強化されたことで、イベントの企画・主催に関わる領域でのキャリア機会が拡大する可能性が高まっています。
③積極的な人的資本投資で給与を引き上げる
16年ぶりのサービス利用料改定によるコスト構造の改善を原資として、約7%の給与アップを含む積極的な人的資本投資を推進しています。累積損失を一掃したことで6期ぶりの復配も実現しており、従業員が安全・安心に生き生きと長く働ける職場環境の醸成が加速しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度(2026年3月期) 決算補足説明資料 P.5
売上高
55,330百万円
(前年同期比: +22.0%)
営業利益
4,311百万円
(前年同期比: +63.6%)
経常利益
4,345百万円
(前年同期比: +82.7%)
当期の連結業績は、国際的イベントの受託事業拡大や主催イベントの増加に加え、人気グループの大規模公演、プロスポーツ、レジャー等のチケット販売が極めて好調に推移した結果、売上高が55,330百万円と大幅な増収増益を達成しました。サービス利用料の改定に伴うコスト構造の改善が寄与し、システム強化コストや積極的な人的資本投資を十分に吸収した上で、すべての段階利益において過去最高益を更新しています。
中期経営計画(2023~2025年度)の最終年度として進捗状況を評価すると、営業利益の実績は当初目標を大きく上回る達成率186%に達しており、業績は極めて順調であると評価できます。多額にのぼっていた累積損失の完全解消に成功したことで、6期ぶりの復配を果たすなど、次期の中期経営計画に繋がる強固な財務基盤と持続的な成長モデルが確立されました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度(2026年3月期) 決算補足説明資料 P.13
コンテンツ制作(イベントの企画・主催)
【事業内容】
音楽ライブやフェス、地域・企業と連携した各種大型イベントの企画、主催、運営を担う領域です。
【業績推移】
(注:前年同期は未連結のため単純比較不可)当期よりぴあライブクリエイティブ株式会社を連結範囲に含め、年間700本を超える興行・イベントを開催しました。
【注目ポイント】
2日間で12万人を動員した国際的な音楽祭や、来場者数が過去最高の18万人超となった「パンのフェス2026」など、独自の企画力が強みです。従来のチケット流通ビジネスから一歩踏み出し、自らエンタメを創出する中核領域として位置づけられており、プロデュース能力を持つ専門人材の重要性が一段と高まっています。
チケット流通・システムソリューション
【事業内容】
登録会員数約2,200万人を誇る「チケットぴあ」プラットフォームの運営と、興行元への発券・入場管理システムの提供を行う領域です。
【業績推移】
プロスポーツや大規模公演のチケット販売が堅調に推移し、取扱高ベースでの売上は3,000億円を超える過去最高の水準を記録しました。
【注目ポイント】
「東京2025世界陸上」で国際大会初のチケッティング&ホスピタリティ業務を全面受託し、約58万枚のチケット販売を完遂しました。さらに「大阪・関西万博」の一元管理システム構築や、「第20回アジア・アジアパラ競技大会」の受託など、国際的メガイベントの重要なインフラとして強固な優位性を誇っています。
メディア創出(出版・デジタル・アプリ)
【事業内容】
エンタメ情報誌の編集・発行や、アプリ版「ぴあ」を通じたメディアプロモーションおよびWEB広告商品の展開を行う領域です。
【業績推移】
ぴあMOOK『大阪・関西万博ぴあ』がオリコン年間本ランキング2025で1位を獲得するなど、複数の大ヒット商品を生み出しました。
【注目ポイント】
休刊から15年ぶりに紙媒体とデジタルをQRコードで繋ぐハイブリッドメディアとして、月刊『とぶ!ぴあ』を新装刊しました。蓄積された業界ネットワークと高いブランド価値を活かし、コンテンツへの偶発的な出会いとチケット購入の利便性を両立させる新しいメディアビジネスの開発が積極的に進められています。
ヴェニューネットワーク(アリーナ・ホール運営)
【事業内容】
「ぴあアリーナMM」やライブハウス「豊洲PIT」などの大規模な集客施設の運営管理・興行誘致を行う領域です。
【業績推移】
既存施設の高稼働が継続したことに加え、将来的な高成長シナリオに向けたインフラ構築への積極投資が実行されました。
【注目ポイント】
東京駅前の新拠点「東京建物ぴあ シアター&カンファレンス」が竣工しプレオープンしたほか、6月には新ライブハウス「Shibuya PIT ZERO」の始動を予定しており、新たなエンタメ拠点を竣工しました。キャパシティの異なる施設群をネットワーク化し、アーティストの成長ステージを多角的に支援する体制が構築されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度(2026年3月期) 決算補足説明資料 P.11
次期となる2026年度(2027年3月期)の連結業績予想は、売上高480億円、営業利益2,500百万円、経常利益2,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円を想定しています。前連結会計年度に集中した大型国際イベントの一時的な収益増分の剥落に加え、次期中期経営計画を見据えたシステム刷新「次世代プラットフォーム」への移行コスト、セキュリティ強化、2028年度に予定する本社移転費用、人的資本投資の拡充により、計画的に一時的な減収減益を計画しています。
新・中期経営計画(2026~2028年度)は、コンテンツの創出からヴェニュー運営までを一気通貫に結ぶ感動のライフライン事業の確立に向けた「事業インフラ構築への積極投資期間」として位置づけられています。安定した基幹事業の稼ぐ力を背景に、AI利活用による業務効率化やホスピタリティ事業等の新規事業黒字化を強力に推進する方針であり、創業60周年にあたる2032年度の営業利益60億円超の達成に向けた、極めて重要な変革のフェーズを迎えています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
当社は単なるチケット販売代理店に留まらず、自らイベントを企画・主催するコンテンツ創出や、アリーナ運営、メディアプロモーションまでを一気通貫で繋ぐビジネスへの進化を加速させています。面接では、圧倒的な登録会員基盤と業界ネットワークを活かし、エンタメの力で地域創生やサステナブルな文化環境の整備にビジネスの側面から主体的に貢献したいという熱意をアピールすることが、大きな評価へと繋がります。
面接での逆質問例
「新・中期経営計画において、事業インフラの高度化に向けた『次世代プラットフォーム』へのスムーズな移行や、全社的なAI活用による業務効率化が重点投資項目として織り込まれていますが、入社後に私が担当する現場のプロジェクトにおいて、具体的にどのような最新テクノロジーの導入や業務フローの見直しが予定されているか、現時点での方向性や現場に期待される役割について詳しくお聞かせいただけますでしょうか」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ぴあ株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- ぴあ株式会社 2025年度(2026年3月期) 決算補足説明資料



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