タナベコンサルティンググループの転職研究 2026年3月期決算に見るキャリア機会

タナベコンサルティンググループの転職研究 2026年3月期決算に見るキャリア機会

タナベコンサルティンググループの2026年3月期決算は、売上高・各段階利益ともに過去最高を更新。新たに発表された中期経営計画では、大規模な人員拡大方針のほか、成長M&A投資や新サービスモデル「Consulting & BPaaS」の展開を明記。「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

ピースマインドを傘下に収めHR領域を強化する

2025年6月30日付でピースマインド株式会社を新たにグループ企業として迎えました。当連結会計年度は同社の9ヶ月分の業績を連結しています。これにより「コーポレートウェルビーイング(従業員の心身の健康と幸福)」領域のソリューションが追加され、HRコンサルティングのメニューが拡大・強化されました。同領域でのキャリア機会が拡大する可能性がありますが、前年は未連結のため単純比較の際は注意が必要です。

分類変更で営業支援と戦略策定の融合を推進する

当連結会計年度より、株式会社Surpassのマーケティング・セールス支援事業を「HR」から「ストラテジー&ドメイン」へと分類変更いたしました。これにより、営業戦略の策定から現場における顧客創造までの一気通貫支援体制が強化され、グループ内シナジーの創出が進んでいます。組織体制の変更に伴い、前連結会計年度の領域別売上高実績も組み替えて表示されています。

売上高162億円で過去最高業績を更新する

2026年3月期連結決算において、売上高16,282百万円(対前期増減率+12.0%)、営業利益1,813百万円(同比+20.9%)を達成し、過去最高業績を更新しました。前中期経営計画で掲げていた売上高・利益・ROE(自己資本利益率)目標を全て達成しており、強固な顧客基盤を背景に安定したオーガニックグロース(自社資源による成長)とM&A戦略による事業拡大の成果が出ています。

1 連結業績ハイライト

売上高・各段階利益ともに当初計画を上回り、過去最高を更新して増収増益を達成しました。
2026年3月期 決算概要

出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.21

売上高
16,282百万円
前年比 +12.0%
営業利益
1,813百万円
前年比 +20.9%
経常利益
1,843百万円
前年比 +16.0%
親会社株主帰属純利益
1,100百万円
前年比 +8.2%

当連結会計年度における業績は、高単価・高付加価値の経営コンサルティング契約の増加に伴い、売上総利益率が48.9%(前年比+3.4pt)へと向上しました。人的資本やデジタル・DX、ブランディング等への積極投資を推進したものの、これらを増収効果で十分に吸収し、大幅な増益を達成しています。

通期計画に対する進捗状況としては、当初の業績予想を大きく上回る実績を残しており、中期経営計画(2021〜2025)の最終年度として課された目標を完全にクリアし、非常に堅調に推移したと評価できます

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

主要な経営コンサルティング領域のすべてにおいて増収を達成し、専門性の強化が進んでいます。
経営コンサルティング領域別売上高

出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.30

ストラテジー&ドメイン

事業内容: 大企業から中堅企業、行政・公共を対象に、成長戦略、中長期ビジョン、パーパス&バリュー、マーケティング&セールスなどの策定・推進を支援します。

業績推移: 当連結会計年度の売上高は3,151百万円(対前期増減率+10.7%)と、2桁の増収を記録しました。

注目ポイント: 上場企業向けの長期ビジョン策定や統合報告書の制作が伸長しているほか、行政による地域企業の成長加速支援案件が増加しています。ビジネスモデル変革やグローバル戦略のニーズが旺盛であり、顧客企業の主治医として深く伴走できる専門人材が必要とされています。

注目職種: 戦略コンサルタント、マーケティング/セールスコンサルタント

デジタル・DX

(注:2027年3月期からの組織体制変更に伴い、一部事業が他領域へ分類変更される前の組み替え前実績ベースで記述しています)

事業内容: DXビジョンの策定から、クラウドERP(統合基幹業務システム)の導入・実装、ブランディングDX、サイバーセキュリティ対策までを全方位で支援します。

業績推移: 当連結会計年度の売上高は3,582百万円(対前期増減率+10.1%)となり、グループ全体の売上を牽引しています。

注目ポイント: 各種ITテクノロジー企業とのアライアンス拡大に伴い、共同提案やプロフェッショナルDXサービスの開発が活発化しています。データ利活用による新たな価値創造への投資が強く求められており、戦略策定から現場へのシステム実装までを一気通貫で推進できる人材の価値が高まっています。

注目職種: DX・デジタルコンサルタント、CRMコンサルタント

HR

(注:当連結会計年度よりピースマインド株式会社の業績が新たに連結の範囲に含まれています。前年同期とは前提が異なります)

事業内容: 人事処遇制度の再構築、企業内大学(アカデミー)の設立、ジュニアボード(次世代経営チーム)の育成、従業員支援プログラム(EAP)などのソリューションを提供します。

業績推移: 当連結会計年度の売上高は3,384百万円(対前期増減率+29.7%)と、きわめて高い成長率を達成しました。

注目ポイント: 人的資本経営や人材ポートフォリオの再構築へのコンサルティングニーズが好調です。コーポレートウェルビーイング領域のサービス拡充と女性活躍推進支援によりメニューが拡大しており、顧客の人材基盤拡大に寄与するプロフェッショナルが求められています。

注目職種: HRコンサルタント、コーポレートウェルビーイングコンサルタント

ファイナンス・M&A

事業内容: 資本政策、ホールディングス化・グループ経営体制への移行、事業承継、クロスボーダーを含むM&A一貫コンサルティング(戦略策定からFA、デューデリジェンス、PMIまで)などを手がけます。

業継推移: 当連結会計年度の売上高は2,447百万円(対前期増減率+12.6%)と、堅調な拡大を維持しています。

注目ポイント: 企業価値向上や第三者承継を見据えたM&Aニーズが中堅企業を中心に旺盛であるほか、上場企業向けに資本コストや株価を意識した経営の実現を支援するテーマが伸長しています。高度なガバナンスと経営管理システムを構築できる専門家が不可欠となっています。

注目職種: M&Aコンサルタント、コーポレートファイナンスコンサルタント

ブランド&PR

事業内容: ブランドビジョンの策定、インナーブランディング、メディアPR、戦略広報、国内・海外デジタルマーケティングなどを一気通貫で支援します。

業績推移: 当連結会計年度の売上高は3,019百万円(対前期増減率+2.7%)を確保しました。

注目ポイント: パーパスやブランドの構築、クリエイティブ&デザインのテーマが上場企業を中心に伸長しています。独自の海外向けプレスリリース配信サービス「Global PR Wire」の利用企業数も増加しており、企業の認知度とブランド価値を最大化する戦略PRの知見を持つ人材が広く求められています。

注目職種: ブランド&PRコンサルタント

その他

事業内容: ビジネス手帳「ブルーダイアリー」の製造販売や、企業の販売促進を支援するプロモーション商品の企画開発などを行っています。

業績推移: 当連結会計年度の売上高は698百万円(対前期増減率△3.2%)となりました。

注目ポイント: 既存の確固たる顧客基盤を維持しながら、グループが有する他の経営コンサルティング領域との連携を強化することで、クロスソリューション(複合提案)による新たなアプローチを展開していくことが期待されています。

注目職種: 法人営業担当、商品企画職

3 今後の見通しと採用の注目点

新中期経営計画に基づき、M&Aの加速と人員体制の1,250名規模への拡大を両輪で進めていきます。
売上高・利益計画(全体)

出典:中期経営計画(2026〜2030) TCG Future Vision 2030 説明会資料 P.20

次期である2027年3月期は、売上高17,200百万円(前期比+5.6%)、営業利益1,900百万円(同+4.7%)を見込み、過去最高の更新を計画しています。さらに公表された新たな中期経営計画(2026〜2030)では、2031年3月期に売上高250億円、営業利益30億円、ROE15.0%以上を掲げています。

成長戦略の柱として、5年間で20〜30億円規模の積極的な成長M&A投資を実行し、4社以上の新規グループインを計画しています。また、企業の深刻なプロフェッショナル人材不足に対応するため、クラウドツールを活用して実務プロセスを外部委託する新たなサービスモデル「Consulting & BPaaS」の創造とAIネイティブ経営を強力に推進していく方針です。

これに伴い、全国主要都市で新卒およびキャリアコンサルタントを積極採用し、人員体制を現在の843名から1,250名まで大幅に拡大する計画が示されており、中途入社を検討する求職者にとって極めて大きなチャンスが到来しているといえます。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は、経営の上流(戦略策定)から下流(実装・実行)までを横断的に支援する「チームコンサルティング」をアイデンティティとしています。面接では、自身の持つ業種特有の知見や機能軸での専門スキルが、顧客企業の複雑な課題解決にどう貢献できるかを語ることが鍵です。新中計で掲げられた「世界のFirst Call Company(一番に相談される企業)の創造」や、外部委託型実装モデルである「Consulting & BPaaS」への挑戦に共感を示すことで、未来の事業拡大を担う意思を強力にアピールできます。

Q&A

面接での逆質問例

・新たな中期経営計画で目標に設定されている「グループ人員1,250名への拡大」のプロセスにおいて、新たに参画する中途採用のコンサルタントに対し、初期に期待される最大の役割やマイルストーンについてお教えいただけますでしょうか。

・今後注力される「Consulting & BPaaS」モデルの実装にあたり、各専門領域のチームとデジタルソリューション(AI・クラウド等)が現場のコンサルティングにおいてどのように融合し、どのようなシナジーを生み出す想定か、具体的な青写真があればお聞かせください。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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社会の動きや会社の繁栄のさせ方を学べる

ただ会社にいて仕事をこなすだけの業務ではなく、経営のコンサルタントという視点から社会の動きや会社の繁栄のさせ方を学べるのでそこはとても環境的にありがたいと思っている。

(30代前半・経営コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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業績一辺倒の状態になります

コンサル会社で上場しているので、業績が絶対に落とせません。ここが、コンサル会社のつらいところで、公表目標に届かないと社内は、業績一辺倒の状態になります。

(50代後半・経営コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社タナベコンサルティンググループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社タナベコンサルティンググループ 2026年3月期 決算説明会資料
  • 株式会社タナベコンサルティンググループ 中期経営計画(2026〜2030) TCG Future Vision 2030 説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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タナベコンサルティンググループは、東京証券取引所 プライム市場に上場する経営コンサルティング企業です。中堅企業を主要顧客とし、戦略策定からDX実装、M&A支援までを一気通貫で提供しています。直近の業績は、売上高145億円、営業利益15億円で増収増益を達成しています。