学究社の転職研究 2026年3月期決算に見るキャリア機会

学究社の転職研究 2026年3月期決算に見るキャリア機会

学究社の2026年3月期決算は、合宿の拡充や経営効率化により営業利益10.8%増を達成。「なぜ今学究社なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

利益率の高い長期合宿の拡充で営業利益10.8%増を達成する

2026年3月期の通期連結業績において、売上高は減少したものの、夏期に新設した22泊23日の長期合宿や冬期の長期合宿が収益に大きく寄与しました。校舎の統廃合など全社的な経営効率化も進めた結果、営業利益は前年同期比で10.8%増の2,904百万円に達し、収益性の向上が実現しています。

最難関私国立中専門塾の開校などで私立中高の受験指導を強化する

従来の強みである都立中高受験指導に加え、新たに私立化宣言を行い私立中高の受験対策を本格化させています。最難関私国立中受験専門塾である「極」の開校や、小学部全校舎への都私立コースの設置、オリジナルテキストの開発などを着実に遂行しており、幅広い受験ニーズへの対応を進めています。

千葉県や埼玉県への積極的な進出で新規校舎を続々と展開する

東京都内に170校を展開し圧倒的な合格実績を誇るなか、新たな成長戦略として近隣県へのエリア拡大を決定しました。埼玉県や千葉県への進出を進めており、すでに開校している校舎に加えて今後も新規校舎を続々と展開する計画であり、他地域でのさらなる市場開拓とキャリア機会の拡大が見込まれます。

1 連結業績ハイライト

2026年3月期の通期連結業績は、合宿の拡充と経営効率化が寄与し、売上高が微減となった一方で大幅な増益を達成しました。
2026年3月期 連結業績成績

出典:2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) P.1

売上高

13,069百万円

前期比 -1.7%

営業利益

2,904百万円

前期比 +10.8%

経常利益

3,004百万円

前期比 +13.0%

当期純利益

1,848百万円

前期比 -0.8%

当連結会計年度の売上高は、東京都による私立高校授業料の実質無償化拡充の影響を受け、同社の強みとする都立中・都立高を目指す生徒数が減少したことから、前年同期比1.7%減となりました。一方で費用面においては、交通広告の導入などによる広告宣伝費や合宿の運営費用が増加したものの、前年度に実施した校舎・合宿場の環境改善に伴う一時的費用の剥落、校舎の統廃合推進による全社的な経営効率化が寄与し、営業利益・経常利益ともに大幅な増益を記録しています。

親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度に関係会社株式売却益を計上した反動や、当連結会計年度における校舎等の統廃合に伴う減損損失を特別損失として計上した影響から、前年同期比で0.8%の微減となりました。しかし、本業の収益力を示す営業利益は堅調に推移しており、収益基盤の強化が進んでいることを示しています。



当連結会計年度の通期連結業績は、特殊要因による特別損失を吸収しつつ、営業利益および経常利益において期首の計画をしっかりと達成しており、中期経営計画の推進に向けた進捗状況は極めて順調であると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

主軸の教育事業では、利益率の高い季節講習合宿の拡充が収益を牽引しており、各部門で教育の質の向上と効率化を両立する取り組みが進められています。
中期経営計画 部門ごとの計画

出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.31

教育事業(小中学生部門:ena小中学部)

【事業内容】中学・高校受験生を対象とした進学指導塾「ena」を展開し、単方向映像授業を完備したダブル学習システムを提供しています。

【業績推移】部門売上高は9,355百万円、営業利益は2,297百万円となり、利益率は24.6%の高水準を記録しました。

【注目ポイント】生徒数は前年を下回って推移したものの、従来の5泊6日から10泊11日へ拡充した夏期合宿や、新設した22泊23日の長期合宿などの季節講習売上が大きく伸長しました。私立中高受験への対応を本格化させるなか、全校舎での都私立コース設置や教材開発を担う質の高い教務・講師人材の需要が非常に高まっています。

▼ 注目職種:集団指導講師(小中対象)、校舎運営マネージャー、教務開発スタッフ

教育事業(個別指導部門:ena個別)

【事業内容】個別指導に特化した専門塾「ena個別」のほか、オンラインによる個別指導・家庭教師サービスを運営しています。

【業績推移】売上高は495百万円、営業利益は61百万円を計上し、利益率は12.3%を維持しています。

【注目ポイント】閉校に伴う校舎数の減少等を受けて生徒数が前年を下回り減収となりましたが、全社的な経営効率化への取り組みにより一定の利益率を確保しています。今後は「家庭教師Camp」などのオンライン個別指導を積極的に強化する方針であり、デジタル教育サービスの企画・運営管理スキルを持つ中途採用者の活躍フィールドが広がっています。

▼ 注目職種:教室長、オンライン教育サービス企画、教務ディレクター

教育事業(大学受験部門・海外校舎等)

【事業内容】大学受験指導(ena高校部、ena看護、ena美術)および海外で帰国生指導を行うGAKKYUSHA USAグループを展開しています。

【業績推移】大学受験部門の売上高は1,536百万円、営業利益は299百万円となり、利益率は19.5%に達しました。

【注目ポイント】国内の特にena看護において生徒数が前年を下回ったものの、海外を展開するグループ校舎において生徒数が順調に推移し増収に寄与しました。専門特化した分野での指導力の強みを有しており、特定の受験対策ノウハウや専門的な進学指導スキルを有するプロフェッショナルが強く必要とされています。

▼ 注目職種:専門科目講師(看護・美術)、海外拠点マネージャー、帰国生受験アドバイザー

不動産事業

【事業内容】TOKIO久米川タワーやTOKIO国立タワーなどの自社保有物件を用いた不動産賃貸事業を行っています。

【業績推移】総売上高は164百万円(外部顧客向けは74百万円)となり、概ね安定的な稼働が続いています。

【注目ポイント】保有する住居用・事務所用物件が前年同期と同水準の安定した賃貸収入をもたらしています。教育事業における主要な強みである合宿施設の保有・運用とも連動しており、グループ全体の財務体質強化と安定的な経営基盤を支える役割を担っています。

▼ 注目職種:資産管理(プロパティマネジメント)、総務ファシリティ担当

その他事業

【事業内容】子会社による受験教育情報ポータルサイト「インターエデュ・ドットコム」の運営や、塾訪問などの人材サービス事業を手がけています。

【業績推移】部門売上高は684百万円、営業利益は246百万円を確保し、利益率は35.9%の高い水準にあります。

【注目ポイント】グループ内取引の縮小影響などにより前年比で減収となりましたが、人材サービス売上において関西をはじめとする他地域や大学への需要拡大により契約校数が増加しました。教育情報のデジタル配信や新規プラットフォームの企画・開発力を有する人材の活躍が期待されています。

▼ 注目職種:Webディレクター、新規事業開発、人材サービス営業

3 今後の見通しと採用の注目点

2027年3月期は中期経営計画に沿って大幅な増収増益を予想しており、「都立も私立も合格できるena」への進化をさらに加速させます。
中期経営計画 成長戦略

出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.35

2027年3月期の通期業績予想は、売上高14,656百万円(前期比12.1%増)、営業利益3,235百万円(前期比11.4%増)、経常利益3,240百万円(前期比7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,186百万円(前期比18.3%増)と、中期経営計画に沿った高い成長スピードを維持する見通しを掲げています。

戦略面においては、新規エリアとして決定した千葉県・埼玉県への多校舎開校を継続するほか、私立中高受験対応コースの全校設置やオリジナルテキスト「EXE」の活用、私立4科型合格判定模試「私立中合判」の開始により、私立受験市場におけるシェア拡大を狙います。また、約300名を収容する「清里合宿場6号館」の新規開設や「富士山合宿場3号館」の増床による超長期合宿の受け入れ体制拡充など、強みである自社保有アセットの最大活用により収益力をさらに向上させる計画です。校舎網の拡大とサービスの高度化に伴い、各エリアでの拠点長候補やマネジメント層の採用が活発化していくと予想されます。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は少子化という構造的課題に対し、「私立中高受験への対応強化(私立化)」や「近隣県へのエリア拡大(千葉・埼玉)」といった明確な成長戦略を打ち出し、着実に成果を上げています。志望動機を構築する際は、同社が推進する「都立も私立も合格できる進学塾」への進化に共感し、自身の教務指導力や校舎マネジメント経験をどのように活かして新規エリアの開拓や新規コースの成功に貢献できるかを具体的にアピールすることが有効なアプローチとなります。

Q&A

面接での逆質問例

・現在、千葉県や埼玉県への積極的な進出を進められていますが、これらの新規開校エリアにおいて、既存の都内校舎での成功ノウハウを活かしつつ、地域特有のニーズに対応するために特に重要視されている戦略や課題についてお聞かせいただけますでしょうか。

・私立化宣言に伴い、最難関私国立中専門塾「極」の展開やオリジナルテキスト「EXE」の導入が進んでいますが、これらの新しい取り組みにおいて、中途採用の講師や校舎運営スタッフに対してどのような役割やスピード感が期待されていますでしょうか。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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感謝をされるとこちらもうれしい

指導を行った生徒が志望校に合格し、感謝をされるとこちらもうれしい。

(30代前半・教師・インストラクター・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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売上の達成のためだけに売ることを指示してくる

客に必要なのかどうかもわからない商品やサービスをただ売上の達成のためだけに売ることを指示してくるような社風にほとほと嫌気がさした。

(20代後半・教師・インストラクター・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社学究社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社学究社 2026年3月期 決算説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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