0
編集部が注目した重点ポイント
①2026年1月に体制移行し新報告セグメント6区分へ再編する
当社は2026年1月1日付の新体制移行に伴い、従来のくらし事業を再編し6つの報告セグメントを新設しました。この構造的変化により各事業会社の戦略が明確化し、転職者にとっては希望職種のキャリア機会を見極めやすくなる利点があります。なお、変更後の形態に合わせて前年データも組み替えて算出されています。
②車載非連結化で2025年度売上高は前年比5%減の8兆円となる
2024年12月のオートモーティブ非連結化に伴い、2025年度の連結売上高は8兆487億円へと減少しました。この取引により車載事業の多くがグループから分離されたため、前年同期比データとは連結範囲が異なり単純比較はできません。しかし、これにより転職者が注目すべきAIインフラ等への投資集中が進む可能性が高まっています。
③住宅事業売却により2025年度に株式譲渡益761億円を計上する
当社は2026年3月にパナソニック ハウジングソリューションズの株式譲渡を完了し、同社を持分法適用会社へ移行させました。この構造改革により、その他の損益へ761億円の譲渡益が計上されています。住宅事業の非連結化に伴い関連職種のキャリア機会は縮小する可能性がありますが、経営資源の選択と集中が一段と加速しています。
1
連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算概要/2026年度 業績見通し P.3
※調整後営業利益 = 売上高から、売上原価と、販売費及び一般管理費を控除して算出(事業の経常的な業績を測る指標)
2025年度の連結経営成績は、売上高が8兆487億円(前年度比5%減)、営業利益が2,364億円(前年度比45%減)となりました。エナジーやインダストリー等の主要セグメントで販売増を記録したものの、前年に実施したオートモーティブ事業の非連結化影響が響き、全体としては減収減益の決算となっています。
利益面においては、構造改革の推進に伴う合理化の進捗やパナソニック ハウジングソリューションズの株式譲渡益計上といったプラス要因がありました。しかし、インフレによる固定費増加や将来に向けた戦略投資の拡充に加え、グループ経営改革に関わる構造改革費用1,745億円の計上が利益を大きく押し下げる結果となりました。
当期の通期業績予想に対する評価としては、2026年2月に公表された最終見通し数値を売上高・利益ともに100%超でクリアしており、事業の基盤需要は極めて堅調に推移していると評価できます。特にデータセンター向けなどの高付加価値領域が力強く牽引しており、今後の採用拡大に向けたポジティブな好材料と言えます。
2
事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算概要/2026年度 業績見通し P.4
コネクト
【事業内容】実務主体であるPanasonic Avionics CorporationやBlue Yonder Holding, Inc.などを通じ、アビオニクス、プロセスオートメーション、現場ソリューション等の高度なB2Bソリューションを提供しています。
【業績推移】当セグメントの売上高は1兆3,803億円(前年比105%)、営業利益は1,001億円(前年比131%)を記録し、戦略投資をこなしながらも力強い増収増益を達成しました。
【注目ポイント】生成AIサーバー需要を捉えたプロセスオートメーションや強い受注が続くアビオニクスが業績を牽引しています。ブルーヨンダーにおけるSaaS販売も順調に拡大しており、グローバルなデジタル変革を加速させるため、高度ITスキルを持つ専門人材の確保が最優先事項となっています。
エレクトリックワークス
【事業内容】実務を担うパナソニック エレクトリックワークス(株)を中心に、国内外における電設資材、ライティング器具等の製造・販売および快適な空間ソリューションを展開しています。
【業績推移】売上高は1兆1,606億円(前年比104%)と増収を確保した一方、営業利益はグループ経営改革に関わる構造改革費用の計上により577億円(前年比84%)の減益となりました。
【注目ポイント】国内では蛍光灯規制に伴うLED照明への置き換え需要が好調で、インド等の海外市場でもGDP成長を背景に電材販売が大きく伸長しています。資材高騰を吸収する合理化と海外事業の更なる拡大に向け、生産技術やグローバル戦略を担う人材が求められています。
HVAC & CC
【事業内容】実務を担うパナソニック HVAC & CC(株)およびHussmann Corporation等を通じ、エアコン、温水給湯暖房機(A2W)、コールドチェーン等の空質空調・冷凍ソリューションを提供しています。
【業績推移】売上高は1兆3,124億円(前年比99%)、営業利益は231億円(前年比100%)を計上し、アジアでの天候不順影響をはねのけて前年並みの利益水準を死守しました。
【注目ポイント】欧州でのA2Wの市況回復や国内ルームエアコンの増販益に加え、業務用空調の体質強化が実を結んでいます。環境規制が厳格化するグローバル市場で勝ち抜くため、省エネ・環境技術のアップデートや欧米市場での事業開発をリードできる専門人材が必要とされています。
エナジー
【事業内容】実務を担うパナソニック エナジー(株)を中心に、EV向けの車載電池セルや、情報通信インフラを支える産業・民生向けのリチウムイオン電池など最先端のエナジー技術を開発しています。
【業績推移】売上高は9,842億円(前年比113%)の大幅増収を達成したものの、米国関税や一過性の不具合対応費用により、営業利益は698億円へ減少する減益決算となりました。
【注目ポイント】EV市況の変動を北米カンザス工場の稼働等でカバーしつつ、特筆すべきはデータセンター向け蓄電システムの爆発的成長です。国内車載ラインのDC向け転用やメキシコでの新工場建設を決定しており、急速な供給体制の整備を担う生産技術・プロセス開発人材の採用が急務です。
インダストリー
【事業内容】実務を担うパナソニック インダストリー(株)を通じ、コンデンサなどの電子デバイス、FAソリューション、電子材料といった高付加価値な産業用コンポーネントを提供しています。
【業績推移】売上高は1兆1,673億円(前年比108%)と伸長したものの、営業利益はグループ経営改革に伴う構造改革費用の影響で405億円(前年比94%)の減益となりました。
【注目ポイント】生成AIサーバー向け導電性高分子コンデンサや多層基板材料(MEGTRON)の需要が大きく拡大しています。タイのアゆタヤ新棟や中国・広州、蘇州でのライン増設など強気な投資を連発しており、世界のAIインフラ進化を支える最先端の材料・設計エンジニアが渇望されています。
スマートライフ
【事業内容】実務を担うパナソニック(株)を中心に、冷蔵庫・洗濯機等のメジャーアプライアンス、美容等のスモールアプライアンス、テレビ等のAVC製品をグローバルに展開しています。
【業績推移】売上高は1兆3,742億円(前年比95%)にとどまり、テレビの協業体制強化に伴う構造改革費用の計上等により、営業利益は373億円の営業損失を計上しました。
【注目ポイント】中国市場の大型家電需要減など厳しい環境にありますが、国内白物家電のシェアアップや美容製品は健闘しています。キッチンアプライアンスの中国開発シフトやテレビの外部パートナーシップ締結などドラスティックな事業再生を推進中であり、経営改革を形にする変革人材にチャンスがあります。
3
今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算概要/2026年度 業績見通し P.11
2026年度(2027年3月期)の連結業績見通しは、売上高7兆6,000億円(前年比6%減)となる一方、営業利益は5,500億円(前年比233%増)、調整後営業利益は6,000億円(前年比134%増)と、極めて大幅な増益を計画しています。ハウジング事業の非連結化や為替影響等により全体では減収となりますが、全ての報告セグメントで実質増収および増益を達成する見込みです。
この強い回復を支えるのが、前年度に完了したグループ構造改革の効果(前年比+1,000億円)と、AIインフラ関連事業の圧倒的な成長加速です。エナジーセグメントのデータセンター向け売上高目標(8,000億円)を1年前倒しで2027年度に達成する目論見を掲げるなど、デジタルインフラ領域の拡大が際立っており、増産体制を牽引する中途採用の活性化が強く示唆されています。
4
求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
当社はグループ全体の構造改革を予定通り完了し、今後の成長軸を明確に定めました。特にパナソニック エナジーやパナソニック インダストリーが牽引するデータセンター向け蓄電システムや生成AIサーバー用電子部品は、市場の爆発的な拡大を背景に最重点投資領域となっています。面接においては、単に伝統的な大手家電メーカーとしての志望動機にとどまらず、「デジタル社会の基盤を支えるAIインフラ事業の急成長に自らの専門スキルで貢献したい」という軸を前面に押し出すことが、経営陣の未来志向 of メッセージと強くシンクロする強力なアピールとなります。
面接での逆質問例
1. 「エナジーセグメントにおいて、AIデータセンター向け分散型電源システムの売上目標を1年前倒しにするほど旺盛な需要を獲得されているとのことですが、この急激な増産・供給体制の整備を完遂する上で、現在生産技術やプロジェクトマネジメントの現場で最も突破すべき課題は何でしょうか?」
2. 「2026年4月にパナソニックHVAC & CCやパナソニックエレクトリックワークスなど新事業会社体制へ移行されましたが、スマートライフセグメントなど構造改革を終えて新たな成長・再生フェーズに入る組織において、外部から参画する中途採用の人材に最も期待される役割やマインドセットについてお聞かせください。」
5
転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
非常にいい環境であることは間違いない
知財のめちゃくちゃでかい会社なので、色々な経験ができる。海外出張も経験できる。大変、非常にいい環境であることは間違いないと思います。
(20代後半・法務・女性) [キャリコネの口コミを読む]収益性の低い事業が多いのが難点
最近事業を譲渡ばかりしていて(半導体、キャパシタ、オートモーティブ事業など)、新規事業に投資することが少なくなってきている。うまく投資ができない体質になってきているように思う。収益性の低い事業が多いのが難点だと思う。
(40代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- パナソニック ホールディングス株式会社 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- パナソニック ホールディングス株式会社 2025年度 決算概要/2026年度 業績見通し



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。