0 編集部が注目した重点ポイント
① 2025年5月より海外展開主軸のLYSTを新規連結する
2025年4月にファッションショッピングプラットフォーム「Lyst」を運営するLYST LTDの全株式を取得し、完全子会社化を完了しました。2025年5月より新規に連結対象となっており、前年同期は未連結のため単純比較はできません。今後のグローバル市場における非連続な成長を目指す主軸と位置付けられており、海外展開に関するキャリア機会が大きく拡大する可能性があります。
② 香りの総合プラットフォームHigh Linkを完全子会社化する
2026年3月の取締役会にて香りのプラットフォーム「Coloria」を運営する株式会社High Linkの全株式取得を決議し、2026年4月に完全子会社化しました。これにより、ファッション周辺領域であるフレグランス市場への進出とサブスクリプションサービスの導入を加速させており、新規事業開発やファッション周辺領域でのキャリア機会が拡大しています。
③ マルチサイズ等の商材発注・生産支援事業の終了を決定する
事業性を総合的に検討した結果、当社グループが商材を発注・生産する事業およびブランド商材の生産支援事業(Made by ZOZO)の終了を決定しました。これに伴い特別損失を計上しています。当該領域の事業活動は縮小しますが、これは在庫リスクを伴う事業モデルからの撤退という経営資源の選択と集中を意味し、事業ポートフォリオ再編に向けた重要な構造的変化となります。
1 連結業績ハイライト
出典:株式会社ZOZO 2026年3月期 決算説明会資料 P.6
売上高
228,373百万円 (+7.2%)
営業利益
69,366百万円 (+7.1%)
EBITDA
76,924百万円 (+10.2%)
当期純利益
47,926百万円 (+5.7%)
※EBITDA = 営業利益 + 株式報酬費用 + 減価償却費 + のれん償却額(正常な収益力を示す経営指標)
当期の連結業績は、売上高が前期比7.2%増の228,373百万円、営業利益が同7.1%増の69,366百万円となり、全利益項目で過去最高実績を更新しました。商品取扱高については、ラグジュアリー業界の不調等を背景にLYSTが計画を下回ったため全体では未達となりましたが、国内のZOZOTOWN事業およびLINEヤフーコマースの合算では計画を上回る着地を見せています。特に第4四半期においては冬の本セール販売が伸長し、第3四半期までの不足分を大きく補いました。
通期予想に対する進捗状況としては、売上高は98.6%と僅かに届きませんでしたが、営業利益は100.2%、EBITDAは100.3%、当期純利益は100.3%と堅調に推移し計画を達成しています。これは、物流拠点における在庫保管量の適正化に伴う作業効率の改善や、配送委託先との経済条件改善を契機とした荷造運賃の低減など、的確なコストコントロールの成果が如実に表れた結果と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:株式会社ZOZO 2026年3月期 決算説明会資料 P.17
ZOZOTOWN事業(受託販売)
【事業内容】各ブランドの商品を受託在庫として預かり販売する事業形態であり、当社グループの収益の中核を担っています。
【業績推移】当期の商品取扱高は492,743百万円(前期比5.2%増)、売上高は134,673百万円(同3.9%増)と安定的な成長を遂げています。
【注目ポイント】購入者数の拡大と利用率上昇を目指し、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに注力しています。膨大なファッション関連データを活用した独自のAIエージェントの開発等を進めており、顧客体験を高度化するためのAIエンジニアやデータサイエンティストの知見が不可欠な領域です。
ZOZOTOWN事業(買取・製造販売)
【事業内容】当社グループが仕入れを行い在庫リスクを負担する買取販売や、マルチサイズ等の商材を発注・生産する製造販売事業です。
【業績推移】当期の商品取扱高は2,795百万円(前期比24.3%減)、売上高は2,630百万円(同24.5%減)と縮小傾向にあります。
【注目ポイント】事業性の総合的な検討結果に基づき、生産を支援するMade by ZOZO等の事業終了を決定しました。今後はより効率的でリスクを抑えたビジネスへの集中が図られるため、事業ポートフォリオの見直しや経営資源の最適化を推進できる事業管理・経営企画のスキルを持つ人材が重要な役割を担います。
ZOZOTOWN事業(USED販売)
【事業内容】主に個人ユーザーから中古ファッション商材を買い取り、販売を行う事業であり、新品商品の購入を促進する付加価値サービスです。
【業績推移】当期の商品取扱高は21,074百万円(前期比7.3%増)、売上高は20,113百万円(同6.8%増)と順調な成長を見せています。
【注目ポイント】新品購入とリユースをシームレスに繋ぐ「買い替え割」等のサービスが強みとなっており、サーキュラーエコノミーへの関心が高まる中で着実に業績を伸ばしています。二次流通市場における顧客体験の向上と業務の効率化に向けて、リユース事業の企画開発やマーケティングを担える人材が活躍できる魅力的な領域です。
LINEヤフーコマース
【事業内容】LINEヤフー株式会社が運営する「Yahoo!ショッピング」と「Yahoo!オークション」へZOZOTOWNおよびZOZOUSEDを出店する事業です。
【業績推移】当期の商品取扱高は78,926百万円(前期比13.4%増)、売上高は24,179百万円(同13.4%増)と全事業の中で最も高い成長率を記録しています。
【注目ポイント】モール側が実施する「本気のZOZO祭」などの強力な販促施策が功を奏し、従来のZOZOTOWN単体ではリーチできなかった新たな顧客層の獲得に成功しています。プラットフォームの特性を最大限に活かした大規模なプロモーション企画やパートナー企業との協業を推進できる、ダイナミックなECマーケティング人材が強く求められています。
LYST
【事業内容】提携パートナーから成果報酬型の手数料を得る、アフィリエイトモデルのファッションショッピングプラットフォーム事業です。
【業績推移】(注:前年同期は未連結のため単純比較不可)当期の商品取扱高は42,245百万円、売上高は5,776百万円となっています。
【注目ポイント】欧米市場を中心としたラグジュアリー業界の不調等により当期は計画未達となりましたが、同社のグローバル市場における非連続な成長を実現するための主軸と位置付けられています。翌期に向けてはビジネスモデル刷新に向けた取り組みに注力する方針であり、グローバル事業戦略の再構築や海外での新規ビジネス開発を牽引できるリーダー人材の参画が待たれています。
BtoB事業
【事業内容】ブランドの自社ECサイトの構築、運営、および物流業務を受託する事業です。
【業績推移】当期の商品取扱高は8,377百万円(前期比36.1%減)、売上高は1,325百万円(同38.2%減)と厳しい推移が続いています。
【注目ポイント】ブランドの自社EC化が進む中で、当事業の取扱高は減少傾向にあります。自社の優れた物流システムやECインフラを外部クライアントにソリューションとして提供するビジネスモデルの再考が急務であり、クライアントの課題解決に向けたITソリューション提案や物流コンサルティングを得意とする人材が力を発揮できるフェーズにあります。
広告事業
【事業内容】ZOZOTOWNやWEAR by ZOZOのリーチ基盤を活用し、取引先ブランド等のクライアント企業に広告枠を提供する事業です。
【業績推移】当期の売上高は11,884百万円(前期比6.0%増)となり、着実な増収を達成しています。
【注目ポイント】ファッションに関心の高い膨大なユーザー基盤そのものを収益源とする高利益率事業です。ECサイト内の新たな広告プロダクトの開発やクライアントへのデータ活用提案など、販売領域を超えたマーケティング支援が拡大しており、デジタル広告のプランニングやデータドリブンな提案営業に強みを持つ人材にとって魅力的なキャリアパスが広がっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:株式会社ZOZO 2026年3月期 決算説明会資料 P.34
翌期の連結業績予想として、商品取扱高は6,796億円(前期比2.0%増)、調整後EBITAは779億円(同7.2%増)と堅調な成長を見込んでいます。当社は物流拠点やソフトウェアへの継続的な投資実態を反映するため、翌期より主要経営指標をEBITDAから「調整後EBITA」へと変更し、2030年3月期に調整後EBITA 900億円という中期の利益目標を掲げました。今後の戦略としては、ZOZOTOWNなどの「More Fashion領域」、Coloriaを展開する株式会社High Linkの完全子会社化に代表される「Near Fashion領域」、LYSTを中心とした「Global領域」の3領域へ注力する方針です。また、約50%の省人化を目指す自動化物流拠点「ZOZOBASE習志野3」を新設予定であり、M&A戦略を推進する事業開発人材から、大規模な設備投資やシステム開発を担うエンジニアリング人材まで、幅広い専門性への採用ニーズが高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
面接では、同社が推進する「似合う」を軸とした独自のAIエージェント開発やデータ活用など、テクノロジーによるファッション体験の革新に対する強い共感を伝えることが有効です。また、High Link社の完全子会社化による周辺領域への進出や、LYSTを通じたグローバル展開など、既存の枠組みを超えた新規事業開発やM&A戦略への挑戦意欲をアピールすることで、変革期にある同社が求める「自律的にビジネスを牽引できる人材像」とマッチするはずです。
面接での逆質問例
・2030年3月期に向けた中期の利益目標(調整後EBITA 900億円)の達成において、「Near Fashion領域」や「Global領域」の成長が不可欠だと推察しますが、中途入社者が事業立ち上げやM&A後の統合プロセス(PMI)で具体的にどのような役割を期待されるかお聞かせください。
・「ZOZOBASE習志野3」をはじめとする物流拠点の自動化・省人化に向けた多額の設備投資が計画されていますが、社内のエンジニアリング組織において、現在直面しているシステム開発面での最大の技術的課題は何でしょうか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
育休や産休が充実しており
育休や産休が充実しており、利用しづらい雰囲気もありませんでした。また、女性管理職も多数在籍しており、キャリアを描くことが難しいという雰囲気もありませんでした。復帰してからもその人のペースに合わせて業務を調整していました。
(20代後半・カスタマーサポート・男性) [キャリコネの口コミを読む]教育の土壌は整っていないので
教育の土壌は整っていないので、新卒社員は自分でキャリアを描き何が必要でどうするべきかを考えないと成長は難しいかもしれません。
(20代後半・カスタマーサポート・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ZOZO 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社ZOZO 2026年3月期 決算説明会資料



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