0 編集部が注目した重点ポイント
① 英国LYST社の完全子会社化で海外展開を加速する
2025年5月より、ファッションプラットフォームを運営する英国のLYST LTDを新規連結しました。これにより未開拓だった欧米のEC・メディア領域へ進出し、グローバル市場でのキャリア機会が飛躍的に拡大しています。前年同期は未連結のため単純比較は不可ですが、グループ全体の構造を大きく変えるマイルストーンとなっています。
② 商品取扱高とEBITDAで中間期の過去最高を更新する
2026年3月期第2四半期累計の商品取扱高は3,124.7億円(前年同期比11.9%増)、EBITDAは347.5億円(同5.8%増)に達し、中間期としての過去最高実績を塗り替えました。主力事業の堅実な成長に加え、新規連結による規模拡大が収益基盤をさらに強固にしています。
③ 全社員への生成AI導入でサービス開発の質を高める
2025年9月よりChatGPT Enterpriseを全社員に導入し、役員を含むチーム対抗のカスタムGPT開発研修を実施するなど、テクノロジーの現場実装を徹底しています。WEARでの「着回し提案」AI機能導入など、AIを活用した「似合う」ソリューションの提供により、技術職・企画職の活躍の場が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:株式会社ZOZO 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料 P.3
売上高
1,052.4億円
+6.5%
営業利益
310.7億円
+2.0%
EBITDA
347.5億円
+5.8%
※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額 + 株式報酬費用(事業の現預金創出力を測る指標)
主力サイトZOZOTOWNにおけるアクティブ会員数の順調な推移と、英国LYST社の連結により増収増益を達成しました。収益性については、LYST連結に伴う事業構成比の変化により売上総利益率は低下したものの、物流拠点の作業効率改善や平均出荷単価の上昇により、販管費率は23.0%へ改善(前年同期比0.6ポイント低下)しています。
通期予想に対する第2四半期末時点の進捗率は、売上高45.5%、営業利益44.9%となっています。2Q会計期間(7-9月)において気温の高止まりによるユーザー需要の低下影響を受けたため、現時点では進捗が遅れている状況ですが、3Q以降のプロモーション強化等により通期目標達成を目指しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:株式会社ZOZO 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料 P.16
ZOZOTOWN事業
【事業内容】受託販売、中古ファッション商材の買取・販売(USED)、及び自社ブランドの買取・製造販売を行う国内最大級のファッションEC。
【業績推移】商品取扱高は2,356.1億円(同4.5%増)と着実に成長。アクティブ会員数は1,180万人を突破しました。
【注目ポイント】WEB広告の積極投下と休眠会員の掘り起こし施策が奏功し、新規会員の獲得が順調です。「似合う」を軸としたAIエージェントの開発が進んでおり、テクノロジーを駆使して顧客体験を革新できるエンジニアやデータサイエンティストにとって、膨大なファッションデータを活用できる最適な環境があります。
LINEヤフーコマース
【事業内容】Yahoo!ショッピングおよびYahoo!オークションへZOZOTOWN・ZOZOUSEDを出店する事業形態。
【業績推移】商品取扱高は344.4億円(同18.3%増)と大幅伸長。グループ内シナジーが強力に機能しています。
【注目ポイント】「本気のZOZO祭」などの販促施策により、ファッション領域以外からの新規ユーザーの流入が続いています。LINEヤフーとの緊密な連携が必要とされる領域であり、プラットフォームを横断した大規模な企画立案や、モール間連携の最適化を担うPMなどの人材が不可欠となっています。
LYST(グローバル事業)
(注:2025年5月から連結開始のため前年同期比較不可)
【事業内容】英国LYST社が運営する、世界最大級のファッションショッピングプラットフォーム事業。
【業績推移】当期の連結期間における商品取扱高は186.3億円。売上高は24.6億円を計上しています。
【注目ポイント】欧米市場を主要ターゲットとするアフィリエイトモデルであり、ZOZOの技術ライセンス提供とのシナジーを追求しています。グローバル市場における非連続な成長を主導するフェーズにあり、海外拠点との調整や国際的なECビジネスの構築に関わりたい人材にとって、キャリアの幅を大きく広げるチャンスです。
広告事業・BtoB事業
【事業内容】ブランド各社への広告枠提供、及びブランド自社ECサイトの開発・運営・物流受託。
【業績推移】広告事業は売上高54.6億円(同4.0%増)と伸長。BtoBは商品取扱高39.9億円(同36.3%減)となりました。
【注目ポイント】ZOZOTOWNの圧倒的なユーザーリーチを背景に、ブランドのマーケティング支援を強化しています。リテールメディアとしての価値最大化が急務であり、デジタル広告の知見を活かしながら、アパレル業界の課題解決に直接貢献したい営業・企画職が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:株式会社ZOZO 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料 P.34
通期計画では商品取扱高(その他除く)で前期比13.8%増の6,537億円、EBITDAで同9.9%増の767億円を見込んでいます。下期に向けては、ZOZOTOWN20周年記念楽曲のリリースや、Kアリーナ横浜でのファッション×音楽イベント「ZOZOFES」の開催など、強力な集客施策を打っています。
サービス面では、2025年10月より「即日配送」の対象エリアに沖縄県を追加したほか、WEARへのAI新機能「着回し提案」の導入など、利便性とパーソナライズの強化を継続しています。LYST連結によるグローバル事業の立ち上げや、AIエージェントの開発など、既存のEC運営に留まらない「新規事業・技術開発」の側面が強まっており、変化を自ら作り出せる人材の重要性が一段と高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
国内の盤石なEC基盤を背景に、今後は海外市場(LYST社とのシナジー)や、AIを活用した新体験の創出に軸足を移しています。「単なるEC運営ではなく、テクノロジーで世界中のファッション消費をどう変えたいか」という視点を持つことが重要です。ChatGPT Enterpriseの全社導入に見られるような、新しいツールを即座に武器にするスピード感に共鳴できることを強調すると、同社のカルチャーにマッチしやすいでしょう。
面接での逆質問例
・「LYST連結により、日本国内のチームがグローバル展開において担う具体的な役割や期待されている貢献は何ですか?」
・「全社員へのAI導入研修を経て、現場の業務効率やサービス開発のスピードにはどのような具体的な変化が生まれていますか?」
・「『似合う』を軸としたAIエージェントの開発において、中途採用者に求められる最も重要な技術スキルやマインドセットは何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
教育の土壌は整っていない
教育の土壌は整っていないので、新卒社員は自分でキャリアを描き何が必要でどうするべきかを考えないと成長は難しいかもしれません。
(20代後半・カスタマーサポート・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 株式会社ZOZO 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料
- 株式会社ZOZO 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。